さて、いよいよボーナストラックである。
本来なら、前回の第13話できっちり石津を倒してハッピーエンド、の筈だったが、新番組が間に合わないので、そのつなぎとして、急遽2話分の新規エピソードが作られたと言う、今ではほぼありえないことが起きたのだ。
最近では、「33分探偵」の続篇が穴埋め的に作られたような記憶がおぼろげにあるが、あれは1話完結のドラマだったからね。「いづみ」のようなハードな連続ドラマ、それも一度きっちり「完結」した作品の続きが作られると言うのは極めて珍しいのではないだろうか(意外と結構あったりして……)。
不本意な形で終わった作品を、しかも一度終わらせたものを改めて書かねばならなかった我妻氏を初めとするライター陣の苦労はさておき、無責任な一視聴者としては、単純に2話分の「おまけ」を歓迎したい。特に、この14話の野球のシーン、15話のラストシーンなどは、全篇を通しても私の大好きなシーンとなっている為、なおさらありがたい。むーちゃんも意外な活躍を見せているしね。
前置きが長くなった。
冒頭、ある建物から出てきた初老の男性とその秘書らしき若い男が、車の後部座席に滑り込む。

「日本電子工学研究所」と言う立て看板が映る。

やや人気のない通りに入ると、前方の道の真ん中にこちらに向かってくる三人の人影が見える。
初老の男性……も、怪訝そうに前方を見遣る。

車は急ブレーキを掛けてとまり、運転手と秘書が猛然と向かってくる。

兵士たちは極めて強く、SPも兼ねていると思われる運転手が銃を取り出して撃つが、

彼らの装甲はそんな攻撃など一切受け付けない。
運転手と秘書を倒してから、

後部座席の窓を拳で粉々に砕き割る。

ロックをかけて後部座席の隅に縮こまっていたを引っ張り出すと、問答無用で首の骨を折り、命を奪う。
果たして彼らは何者なのか……?
が、次のシーンでは一転して、

何処かの球場に、ユニフォーム姿の女の子たちが、生徒たちの歓声を受けつつ入場していくと言う青春真っ盛りな場面に変わる。
元々、学園ドラマとしては作られていない「いづみ」では、こういう場面は極めて稀で、新鮮である。

先頭は、アイと祥子。嬉しそうに右手を突き上げながら入場。

勿論、マーコの姿もある。
三人とも、終わった筈のドラマにまた呼ばれて、嬉しかった……と思う。

いかにもエキストラと言う感じの女の子たちに続き、キャッチャーの格好をした恵子と、佐織。

その後ろからいづみが登場するが、いつになくハイテンションで、応援の男子たちと気さくに手を叩き合ったりしている。
13話の最後で宣言したとおり、「普通の女子高生」になったようだ。
……もっとも、(劇中の)時期的に言うと、佐織以外はとっくに卒業してる筈なんだけどね。

嬉しそうにいづみたちを見送る三人の男子。
こういう中に、スタッフや脚本家とかが混じったりしていることがままあるのだが、これは本当にただのエキストラだろう。

健「おい、どいてくれよ……」
最後尾には健の姿もあった。邪魔臭そうに観客を押しのけながらグラウンドに入る。
大学生と思しき健が、晴海学園のイベント(でもないんだけど)に加わるのはこれが最初で最後となる。
12話のダンスパーティーには結局行けなかったからね。

試合前、キャプテン(?)の恵子がチームメイトに気合を入れる。
恵子「みんないい? 今日は絶対負けられないからね」

佐織も立ち上がり、
「そうです、一週間も練習に打ち込んだんです、もし負けたら一週間の青春が取り戻せません!」
佐織の檄に「そうだーっ!」と拳を突き上げて応じるチームメイト。

と、反対側の入り口から、別の高校のユニフォームを着た男子生徒たちが「おーい頑張って練習してっかーっ?」などと、いかにもバカにしたような軽口を叩きながら現れる。

それを険しい目で見遣るいづみたち。
ストーリーとは関係ないが、お行儀良く座ってる祥子がとても綺麗だと思うのである。
もう最後なので(註1)ぶちまけてしまおう。
管理人は、祥子が一番好きだーっ!
(註1……アイとマーコは15話にも出るが、何故か祥子だけ、この14話が最後の出番となってしまう)
あー、すっきりした。
勿論、いづみたちも好きだけどね。

いづみがスッと立ち上がり、
「みんな、いいわね、今日の試合は名誉が掛かってるの!」

いづみ「うちの野球部がだらしないせいで、宮前高校の札付き野球部にあたしたちまでバカにされて、何十人もの女子生徒が……」

いづみ「あいつらにバットでお尻撫でられてるのよ! それを忘れないで!」

恵子「そうだーっ!」
一同「やっつけろーっ!」
恵子が叫ぶと、もう一度チームメイトが拳を突き上げて気勢を上げる。
そのタイミングで、前期EDの「JUST FOR LOVE」のイントロが流れ出す。

いづみ「ファイ、トォーッ!」
一同「オーッ!」
円陣を組んで声を出してから、守備につく為、グラウンドに走るいづみたち。
いやー、女子高生の健康的な太腿が大収穫祭で、思わずニヤニヤしてしまうカットである。
で、詳細は語られていないが、晴海学園と宮前高校が試合をして晴海学園が惨敗し、その際、応援していた女子生徒たちがセクハラまがいのことをされたのだろう。
その復仇の為、いづみたちが急遽野球チームを結成し、リベンジマッチを挑んだと、そう言うことらしい。


1回の表の守り、晴海のピッチャーは勿論、いづみである。
女の子にしては、まずまずのピッチングフォームであるが、いかにもヘナッとした球がキャッチーミットに飛んで行く。

ところがその球を、宮前高校は全く打てないのである!
ちなみにこのシーン、運動が苦手だと公言していた土田さんが球を捕り損なうNGをかなり出したのではないだろうか。

内容は分からないが、とにかく0点に抑える。
後のめちゃくちゃな守備を見る限り、三者三振だった可能性が高い。
いくら驚異的な身体能力を持っているとは言え、たった一週間の練習をしただけの未経験者の球が打てないと言うのは、ある意味凄い。もっと凄いのは、その宮前高校にすら勝てなかった晴海学園の野球部である。
続いて、1回表の晴海の攻撃。

トップバッターは太腿が眩しい佐織だが、フルスイングしたバットはボールと2メートルくらい離れていた。

宮前の先発は、なかなかの男前であった。
彼、第4話で、恵子に集められた闇学中のメンバーの一人を演じていた人と同一人物じゃないかと思ったが……、良く分からない。

あえなく、佐織は三振を喫する。
佐織、不満そうに審判を見て、足元にバットを置いて引き揚げてしまう。
これは、一度でも野球をしたことのある人間にはまず思いつかない行動である。
要するに、ベンチまでバットを担いでいくのが面倒なのだ。
まさか、バットが一本しかない訳じゃないよね?
その後のバッターについては省略され、1回裏は0点に終わる。

2回表、凛とした眼差しで球を投げるいづみ。
内野ゴロになり、

ぎりぎり……と言うか、完全なセーフであったが、塁審をしている健は「アウトーっ!」と不当な審判を下す。

それを見て、バックネットに群がる観客たちが歓声を上げる。

選手「何言ってんだよお前っ」
健「審判に逆らうのかよーっ」
当然、バッターランナーは怒り狂って猛抗議する。
が、健は一歩も引かず、最後には、
健「も、退場だーっ、お前!」と、めちゃくちゃなことを言い出す。
実際にその選手が退場になった訳ではないだろうが、「札付き野球部」の宮前の他の選手たちが騒ぎ出さないのが不思議である。
そもそも、一方のチームの関係者が塁審って言う時点でインチキなんだけどね。

とにかく、2回表も無得点。2回裏は、太腿が眩しいマーコから。

佐織はまだしも当たる可能性があったが、マーコはなんと、ボールがミットに収まってからスイングを開始しているので、物理的に絶対当たる筈がないのであった。

当然、三振に終わるが、生意気にもバットを叩きつけて悔しがるマーコ。
ただし、今度はバットを担いでベンチに下がっている。
いやー、それにしても、野球をしている女の子の画像を貼るだけでなんでこんなに楽しいのだろう!
で、彼女の打席が終わって次のカットでは、

一気に試合は9回表までワープしてしまう。
いくらなんでも端折り過ぎだろう。それに、女子相手の練習試合なんだから、きっちり9回までやる必要はあるまい。5回か、せいぜい7回で十分だ。
で、晴海が0なのは分かるが、宮前も0と言うのが信じられない(この後の晴海の守備を見れば……)。
とにかく、9回表の宮前の攻撃で、やっと試合に動きが見られる。
引き続きマウンドに立ついづみ、2回表のバッターと瓜二つのボテボテのセカンドゴロに打ち取るのだが、

如何にもスタッフが画面外から優しく投げてやっているようなゴロを、守備位置から動かずに待つセカンドのアイ、あぶなっかしいが、とにかく捕球する。

ところが何を思ったか、それをショートのマーコに向かって投げてしまうのだ。

マーコはマーコで、ボールを持ったまま「あっちに投げなさいよー」と、アイに詰め寄り、グラブごと地面に叩きつけてしまう。
センターの祥子が慌てて走ってきて二人を仲裁する。
よくこんなザル内野で、8回まで0点に押さえられたなと、全力で疑問に思う。
守備の要であるセカンドとショートがこのザマでは、まともな試合になる訳がない……筈なのだが。

恵子「ちょっと何してんの、こっちよーっ!」
彼らが試合そっちのけで言い合いをしているうちに、バッターランナーは一塁から二塁へ。
それだけならまだしも、画面左側からサードランナーが走ってきて、悠々ホームベースを踏んでしまう。
三塁にランナーがいたようだ。
しかし、どっちにしろ、アイのもたもたした動作では、サードランナーは生還していただろう。

恵子「もう、こっちこっちぃーっ!」
太腿が眩しい恵子、その場でもどかしそうに地団駄を踏むが、誰も彼女の指示に従わない。
小さくて分かりにくいが、ボールは今頃になってファーストの佐織に投げられる。佐織がすぐセカンド方向へ投げ返しているが、その時点でバッターランナーは三塁に向かっている。
詳細は不明だが、バッターはそのままホームに戻ってきたのだろう。内野ゴロがランニングホームランになると言う、いかにもド素人だらけの草野球でありそうなプレーである。

ただし、それ以上傷口は広がらず、2失点で切り抜ける。
さて9回裏の晴海の攻撃。

太腿が眩しい佐織が奇跡的な内野安打を放ち、「やったーっ!」とベース上ではしゃぐ。

初回からずっと変わらぬ男前で、淡々と投げ続ける宮前のエース。ただし、背番号は何故か7である。
良く見たら、ユニフォームの「宮」と「前」の文字、白いユニフォームに布を縫い付けているだけのようだ……。

が、太腿が眩しい恵子に投げたボールは大きく外れ、その左肩に当たってしまう。思わず顔をしかめる恵子。
……硬球だったら、とても立ってはいられない痛みだから、軟球らしい。そりゃそうだね。
恵子「痛いなぁ」

恵子「何考えてんのよ、ヘンターイ!」
一塁に向かいながら、男前のピッチャーに野次を飛ばす恵子。
デッドボールくらいでヘンタイ呼ばわりされては堪ったものではない。

一塁に立ちながら、
「いづみー、死んでも打って! もし負けたらこいつらと付き合わなきゃならないんだからね、踏んだり蹴ったりよぉ!」
当の相手選手の前で、言いたい放題の恵子。
「札付き」らしい宮前高校だが、それらしい言動はグラウンドに来た時だけで、それ以外は至って大人しく、真面目である。

佐織は二塁ベースに勢い良く乗るが、そのベースがいかにも使い古された感じで……、ちょっと悲しくなる。

佐織「いづみせんぱーい! 一週間分の青春を取り戻してくださーい!」
相変わらず元気な佐織であった。
しかし、野球の練習に取り組んできたこの一週間は、それなりに「青春」だったと思うので、佐織がそれを「失われた時間」のように捉えているのは少し引っ掛かる。
勝ったところで、その時間が戻ってくる訳ではあるまい。……と言うのは野暮なツッコミだ。

いづみ、佐織に向かって笑顔で手を振りながら打席に入る。

バットを構え、表情を引き締める。

一打逆転サヨナラの場面に、観客(暇なんだね)が一際大きな声援を送る。
と、その端っこに、いづみを追い掛け回していた藤原の姿があった。

初球は、いづみの肩口へのボール。
いづみ、パッと後ろへ飛びのく。

いづみ「私を怒らせないで!」
いづみ、最終兵器時代の決まり文句を放つ。

が、男前ピッチャーはあくまで淡々とボールを投げ続ける。ザ・プロフェッショナル! と言う風格さえ感じられる堂々としたマウンドである。

ひとりでずっと投げ続けて、ピッチャーも疲れていたのだろう、甘い球になってしまい、いづみに外野へ飛ばされる。

平凡なセンターフライだったが、センターとレフトがガッチンコしてしまい、ボールはその後ろに転がって行く。

思わずベンチから駆け出してくる祥子たち。出来れば、祥子のバッティングも見たかったな、と。

佐織、恵子は余裕でホームインし、

いづみはクロスプレーになるが、これも完全なセーフ。

主審「セーフ!」
しかし、この主審、何処の人なんだろう?

シナリオライターが書いたようなサヨナラ劇に、飛び上がって喜ぶ恵子たち。

いづみも起き上がり、みんなで飛び上がって勝利を祝う。
いやー、女子高生の太腿ってサイコーだーーーっ!
……失礼しました。
なにしろ、祥子の色白の太腿が目の前で飛び跳ねているので、つい理性を失ってしまいました。

とぼとぼ引き揚げていく宮前の選手を尻目に、殊勲のいづみを胴上げする仲間たち。
「ワッショイ、ワッショイ!」

恵子の飛び切りの笑顔だが……、そこはかとなく悲しい笑いだ。

藤原「良いツラぁして、活き活きしてやがる。はっ、眩しいくらいだ。やっぱり言えんなぁ……」
藤原、いづみたちの溌剌とした様子を見ながらつぶやいている。
ここで、やっとタイトルへ行くのだが、1話を除けば、最長のアバンになるのかな?
藤原、いづみに声も掛けずに帰って行く。

いづみ、ちゃんと藤原の存在には気付いていたようで、試合が終わるとすぐ左右の尻肉を躍動させながら追いかける。
いづみ「待ってーっ!」

いづみ「何か話があったんでしょう?」
藤原「いや、もう良いんだ。ちょっと、人に頼まれてな、お前の様子を見に来ただけだ。じゃっ……」
藤原はそう言うと、再び歩き去ろうとする。半ば、いづみが呼び止めるのを期待し、半ばは本気でそのまま帰る気持ちだったのではないだろうか。

いづみ「誰に頼まれたの?」
藤原「……」
無論、結局、こういうことになる。
ちなみに、このシーンのいづみの声、ちょっとだけ風邪気味だ。

次のシーンでは、早くも藤原は、その「ある人」のところへいづみを連れて行っていた。
「特別調査室」と言うプレートの掛かった一室。
やはり、「内閣特別調査室」なのであろうか?

とりあえず、室長と呼んでおくが、その中で一番えらい人がいづみの宣材写真のようなスチールや、彼女に関する調査書類を見ている。

室長、スタンドライトを反対側に捻じ曲げて、正面に立っているいづみと藤原に光を向ける。
扇形のデスクの左右には、合計4人の男たちが座っている。室長の向かって右に座っているのは、6話で藤原のサイズを測りに来た葬儀屋さんに似ているが……。
それにしても、石津たちもそうだったが、こういう人たちは暗いところが好きである。
まぁ、このシーンではスライドを使うので、暗くしておく必要はあるんだけどね。

室長「君が五条いづみか?」
いづみ「……」
いづみ、小さく頷く。ここでサブタイトルが表示される。

次のカットで、室長がスライドを映しつつ、いづみに説明している。
室長「高野喜一郎、コンピューター工学にかけては権威ある学者だ。事故と発表されているが、何者かの手によって殺されたものだ」

いづみ、全く見知らぬ男だったので、感情のない顔で無言。
それは、冒頭、三人の兵士に襲撃されたあの男性だった。
「コ(ト?)ウノ キ(ギ?)イチロウ」と言う名前だが、漢字は分からないので、適当な字をあてておいた。

室長「それでは、この人物は?」
次の写真には、中年の男性の姿が映っていた。
この国会議事堂、いかにも合成っぽいが。
演じるのは、「スケバン刑事2」のデューク南郷こと、木村元さん。
いづみ「知らないわっ」
室長「竜崎英吾、国防省副長官まで上り詰めた男で、軍事研究家、それが表の顔だが、政界の影のフィクサーと噂されている」
いづみ「竜崎英吾……」
最後の最後でやっと登場した「謎の組織」のトップ、「リュウザキ エイゴ」だが、これも字が分からないので適当に書いておく。

いづみ、壁にもたれて立っている藤原の方をちらっと見てから、
「この人たちが私とどういう関係があると言うの?」
室長「この竜崎英吾の周りで最近不穏な動きが起きている。それも国防に関わることだ。高野が殺されたことで、竜崎の狙いが絞られてきた」
いづみにほぼ何の説明もせず、自分の言いたいことだけ言う室長。

藤原「もう良いでしょう。彼女は何も知らないんだ。行こう……」
室長「そうはいかん! そうはいかんことを、君は一番良く知ってるだろう!」
いづみをさっさと帰らせようとする藤原を、室長が強い語調で制する。

いづみ、意味ありげな室長の言葉に思わず立ち上がり、「何なの?」と叫ぶように問う。

藤原は険しい顔で無言を貫き、代わりに室長が「石津麟一郎が生きてるかもしれん!」と、衝撃的な発言をする。

いづみ「本当?」
藤原、黙って頷いてみせる。

いづみ「そんな……」
藤原「ある軍事施設が武器も使わず人間の手によってぶち壊され侵入されちまったらしい」
いづみ「……バイオフィードバック?」

室長「そうだ、私たちは藤原君の話を聞くまで誰も信じなかった。いや、君を前にしても! 君に協力して欲しい……君の持ってる力も見せて欲しい!」

いづみ「私は、私は誰の道具でもない! 協力なんかしない、しないわ!」
いづみはきっぱりと断ると、さっさとひとりで出て行ってしまう。
……
急造シナリオだから仕方ないのかもしれないが、このやりとり、実に曖昧で分かりにくいことこの上ない。
そもそも、なんで所轄署の少年課のヒラ刑事に過ぎない藤原が、こんなえらい人たちと関わりを持っているのか?
「話を聞くまで」と言うことは、藤原と彼らが日常的に対面する機会があると言うことだろうからね。
(藤原の性格として、わざわざ自分から上級官庁に直訴するなんてことはしないだろう)
14話や15話での活動を見ると、藤原、かつては公安やこの調査室に所属していたエリート捜査官だったのではないかと言う仮設を立てたくなる。
高野の死にしても、石津生存説にしても、苛立たしいほど内容のある情報が提示されていない。
整理してみると、
高野死亡&軍事施設襲撃
→バイオフィードバック戦士によるものと考えられる
→彼らを動かしている者がいる
→すなわち、石津が生きているのではないか
……と言う風に彼らの思考が働き、バイオフィードバック戦士であるいづみから情報を得ようと接触してきた、と言うことか?
しかし、機密情報を聞かせているのに、いづみをそのまま帰らせてしまうというのも、彼らのような組織にしては甘いような気もする。

で、次のシーンでは久しぶりに晴海学園の授業風景。
教師が黒板に「四面楚歌」と言う故事について書いている。

で、何故か、いづみたちが普通に授業を受けているのである。
あんたら、卒業したんじゃないの? ……まぁ、いいか。
それにしても、5人の席がこれだけ集中していると言うのは、さすがに不自然だ。
まぁ、おまけのエピソードとしては、そこまで細かく神経を使っている余裕などなかったのだろうが。

いづみ、授業など上の空で、自らの手(足)で石津を炎の中に葬った時のことを思い浮かべていた。
確かに、死体を確認した訳ではないのだ……。

放課後、サキの奥の溜まり場で厳しい顔付きで考え込んでいるいづみ。

恵子がその横に座り、
「いづみの気持ちも分かるけどさ、でも、石津なんてもうあたしたちに関係ないってぇ」
石津のおじさん、女の子を拉致しては、あんなことやこんなことをしていたのだから自業自得とは言え、こういう言い方をされるとちょっとカワイソーである。

恵子「警察に任しとけばいいのよ」
佐織「そうですよー、いづみ先輩はもう普通の高校生なんですよ。それにほらぁ……」
佐織、言いながら物置代わりに使っているらしい冷蔵庫の冷凍室の中から、

佐織「宮前高校から、リターンマッチの挑戦状です!」
と、一通の手紙を取り出して見せる。

佐織「返り討ちにしてやりましょうよ〜」
恵子「やろうやろう、ね、いづみ?」
佐織「今度負けたら、野球部を解散するって言ってますよ!」
話しながら、手紙を広げる佐織。
恵子は挑戦状が来ていることを知らなかったようで、興味津々と言った顔で文面を覗き込んでいる。

恵子「ねっ、やろう!」
弾んだ声でいづみを誘う恵子。

いづみは何も答えなかったが、健が改まった口調で、「いづみ!」と注意を向けさせる。
店は良いのか?

健、得意のモテ顔になってから、
「俺たちの戦う相手って、銃やナイフ持った奴ばっかりじゃねえよ」
と、シリーズ通しても印象に残る名台詞を言い放つ。
健の台詞の中で、一番良い台詞かもしれない。

いづみ「そうね!」
いづみも、飛び切りの笑みで応じる。

そしてそのまま、カバンを持って立ち上がる。
恵子「いづみ何処行くの?」
いづみ「帰るの!」

いづみ、ドアの前まで行き、ノブを握るが、振り返り、

いづみ「リターンマッチ、やろうね!」
と、これまた名台詞を残して、恵子たちの反応も待たず、ドアを開けて出て行く。
今回、おまけのエピソードだと言うのに名台詞の宝庫なのである。嬉しいのである。
それなのに視聴率が3.6パーセント(最低記録更新)と言うのが悲し過ぎるのである!
まぁ、一旦終わった筈のドラマなんだから、数少ないファンも、チャンネルを合わせなかっただろうからね。
続いて、カメラはしぶとく余喘を保っている悪の人たちを映し出す。

杖をつきながら、ひとりの人物が無機質な階段を降りてくる。

それを見て、部屋の奥にいた人物が、パソコンのスイッチを押す。

竜崎「来たか……」
フロアにでーんと置かれている日本地図のパネルが青い光を放つ。

杖をつけている男こそ、死んだ筈の石津であり、彼を待っていたのが問題の人物、竜崎であった。
このセットは、13話に出てきた研究室を流用してるのかなぁ?

竜崎「R機関、その本当の姿を知る者は、この広い日本の中でごく小数の限られた者しかいない」
………日本語が変ですが。

竜崎「この日本を裏から支配する、少数の者しか……まず、東京!」
竜崎が指差すと、東京の辺りに豆電球が点灯する。

竜崎「九州!」
しかし、次のカットになると、東京の光が消えていて、竜崎の声に合わせて、九州と東京が一緒に点灯する。

竜崎「北海道!」
さらに、北海道が光ると、何故か東京がまた消えてしまう。
電飾関係の大道具さんのやっつけ仕事ぶりが目に浮かぶようだ……。

竜崎「四国!」
四国はほっといてもいいのでは?(四国の人に失礼やろ!)

竜崎「そして、全土!」
最終的に、日本全体に光が灯る。
この電球の位置と言い、日本列島の歪み方と言い、この辺も如何にも「打ち切られたドラマのおまけエピソード」にふさわしい、雑な作りが悲哀を誘う。

竜崎「もうすぐ日本が変わる! 国防省のエリートだった君を引き抜いたのもその本来の目的の為だ! 石津君」
竜崎がわざわざ「本来の」と言っているのは、石津が劇中では「バイオフィードバック戦士」ごっこしかやってなかったからだろう。

石津「……」
竜崎に肩を叩かれ、振り向く石津。

竜崎「超兵士製造計画は中止となったが、君にはまだまだやって貰いたいことがある! その為にも、断じて君を死なせる訳には行かなかった」
画面の手前で、意味もなく点滅している電球が悲しい。

カメラが、石津のサングラスに寄り、石津が猛火の中から助け出された時のことが回想される。
どうでもいいが、サングラスのロゴ(ごーるでんいーぐるすぽーつ)は消しておいて欲しかった。

13話で、いづみの強烈な蹴りを受けて炎の中に突っ込み、苦悶の表情を浮かべている石津。

煙を吸ってばったり倒れてしまうが、

何処からともなく(ほんとにどっから湧いたんだ?)現れた消防士姿の二人の人間が、石津に防火毛布をかけて、酸素吸入させ、その命を救ったのだ。
しかし、さすがにすぐそばにいづみがいたんだから、気付くよね?
それにしても、このシーンは13話を撮り終えてから、改めて撮影したものだろうか?
いや、14話の為に別に撮ったんだろうなぁ。
また、石津の死をはっきり描かなかったことが、石津の復活も容易にさせたのは、ラッキーだったと言えるだろう。
あるいは、元々、石津を最初はこんな形で(第3クールの終わりくらいに)死なせる予定だったのかも知れない。
1年続いていれば、石津の復活は第4クールに見られたかもしれない。

竜崎「明日には国防省の地下深くに眠る戦略コンピューターを我々のメインフレームに直結させる。国防省のあらゆる軍事施設を意のままに動かすことが出来る」
壁時計が9時ジャストを差しているが、石津が入ってきた時は8時35分だった筈。
ちょっと進み過ぎじゃない?

竜崎「日本の新しい夜明けが来るんだよ、はははははは……」

竜崎「だが、その前に君自身がやらなければならないことがある筈だ。僅かな危険分子でも抹殺しなければならん」
石津「いづみ……」
石津の脳裏に、11話の最後に、いづみが「私はあんたをその組織を決して許さない……未来の為に私は戦う!」と、宣戦布告している姿が鮮やかに甦る。

自ら作り出してしまった最強の戦士を倒す為、石津はその部屋を出て行くのだった。
それにしても、石津、この長いシーンで台詞は「いづみ……」ひとつだけであった。

次の場面は、いづみの部屋。
いづみが、フライトジャケットを着たまま、掃除機をかけている。
如何にも家事慣れしてないぎこちない動きである。

その後、窓際にかけてあるセーラー服に近付き、左胸についていた糸くずのようなものを取って、ポケットに入れる(?)。

そのまま部屋を出て行こうとするが、ちょうど迎えに来た恵子と佐織に押し戻される。
恵子「なになに、こんな格好しちゃって、どうしちゃったのこれ」
佐織「早くジャケットとジーパン脱いで、制服に着替えてください! 遅刻しちゃうますよ〜」
恵子「ほんっと遅刻しちゃうからねもう〜」
明るくまくしたてる二人だったが、やがて沈黙が訪れる。
恵子「行かせないわよ、いづみ……」
恵子、真剣な口調になって言う。

佐織「行かせません! ……行かないで下さい! いづみ先輩……」
二人とも、やはりいづみが石津とのケリを付ける為に最後の戦いに赴くことになるだろうと予想していたのだ。

いづみ「私だって行きたくない、でもぉ、もしあの男が生きてるとしたら……私の戦いは終わっていないわ」
石津を倒した後、いづみが「普通の女の子に戻ろう……」と恵子に語りかけるシーンが回想される。

恵子「終わったわ、あの時に全て終わったのよ!」

恵子「そうでしょう? いづみ」
次のカットでは、三人の位置が変わっている。
いづみ「『自分だけ助かれば、それで良いの?』 いつか私にそう言ってくれたのは、あなたよ!」

かつて4話で自分がいづみに叩きつけた台詞を言われ、ハッとする恵子。

いづみ「放っておけば、多くの若者たちが戦場へと追い立てられる、私のような人間が増えるばかりよ! 恵子にも分かったでしょ?」

いづみの言葉を受けて、石津によってバイオフィードバック戦士に速成栽培された時の記憶が甦る。

音声はないが、これは12話や13話では使われてないカットかなぁ?
(今急いでチェックしたが、恵子が悶える右側のアップは使われていたが、左側のカットは未使用カットのようである)

いづみ、恵子の左肩に手を置くと、そのまま踵を返して部屋を出て行こうとする。

恵子「待って! 私の言ったことはもうひとつあったでしょう? ひとりじゃ行かせない! そうも言ったわ!」
どうでもいいけど、恵子の胸についているバッジには前と同様、「2-A」と書いてあるなぁ。卒業どころか、まだ2年生だったの?

佐織、恵子の肩をポンと叩き、
「さっすが、恵子先輩、いづみさん、私も約束した筈です。どんなことがあっても一緒だって!」

いづみ「佐織ぃ」
最後まで一緒に戦おうと言ってくれる親友たちに、笑顔を見せるいづみ。

佐織「さあー、みんなで学校っ……じゃなかったぁ、何処行くんですかぁ?」

佐織のとぼけた台詞に、「ふふっ」と顔を見合わせて笑み崩れるいづみと恵子だった。

次のシーンでは、嬉しいことに愛しのむーちゃんが登場。
少年課の受付で、みかんをまるごと一個頬張ったところで、目の前に来客が立っていることに気付き、

その一部を口に入れ、残りを慌てて片付ける。

無論、それは藤原に会いに来たいづみたちだった。
いづみ「あの、藤原刑事は?」
武藤「今、出掛けてるわよ」
いづみ「どちらへ?」
武藤(みかんを飲み込んでから)「警視庁の方だけど……」

武藤「あなた、もしかしたら、五条いづみさん?」
ヒソヒソ声で、尋ねるむーちゃん。
藤原の命令で、いづみについての情報をコンピューターで調べたことはあるが、既に「謎の組織」によってそのデータは消去されていた為、彼女はいづみの顔は知らない筈だが、なんとなく雰囲気で察したのだろう。
それにしても、頬は赤いし、表情は実に豊かだし、むーちゃん、めっちゃ可愛い。
打ち切りにならなければ、彼女の姿をもっとたくさん拝めただろうに……。

武藤「あなたが、藤原さんのタイプなんだっ?」

いづみ「えっ?」
全く予想外の発言に、いづみ、キョトンとする。
いづみのこんな表情は、ちょっと他では見たことがないね。
ああ、二人の絡みをもっとたっぷり見たかった……。

佐織「藤原刑事、いづみ先輩のこと好きなんですかー?」
恵子「あの顔で?」

ちょうどそこへ、警視庁から戻ってきた藤原が現れる。
藤原「何言ってやがるんだ、チッ、おーい、バカなこと言ってるんじゃないよーっ! ここはバーガーインじゃないんだよ!」
ぐいぐい迫る藤原に、恵子が首を竦めて後退する。
しかし、警視庁に行っていたと言うのは、さっきのお偉いさんたちとまた会っていたのだろうか?
くどいようだが、打ち切りにならなければ、藤原の本当の経歴なり身分なりについてもっとはっきりした描き方がされていたろうに。

藤原「チッ、えっ、どうしたぁ?」
いづみ「話を聞かせて!」
時間的にはほんの僅かだが、この一連のシーン、好きだわぁ。

時間もないことだし、次の場面では藤原が署の屋上でいづみたちに石津たちの動きをベラベラ話している。
藤原「今奴らが狙ってるのは、国防省の地下戦略コンピューターだ。チッ、いつどうやって来るのか分からんがなぁ」
いづみ「狙うなら、地下道ね」
藤原「特捜の奴らも、戦略コンピューターに一番近い地下通信ケーブル通路を狙う筈だって、張り込んでいる」
うーむ、こういうのって、特捜が出てくるような事件じゃないと思うんだが。

いづみ「危ないわ! 行きましょう、早く知らせないと」
藤原「よしっ!」

二人はすぐ走り出し、自然、恵子たちも付いて行こうとするが、
藤原「ああー、ちょっちょっと待って、お前たち残れ」
恵子「どうしてよー?」
藤原「はっきり言っておく、お前たちが来ればいづみの邪魔になるだけだ!」
佐織「そんなーっ」


いづみ「佐織、恵子、あなたたちがいてくれなくちゃ、私の帰るところがなくなっちゃうわ。待っていて、必ず帰ってくるわ」

恵子「いづみぃ……」
佐織「先輩」
なんだかよく分からないが、二人はいづみに説得されて残ることに同意する。
まぁ、いづみとしては最初から彼らに戦いに参加させるつもりはなかったのだろうが。
残り6分くらいしかないが、Bパートの始まりである。

早くも二人、問題の地下通路に入り込んでいる。

二人が階段を上がると、既に張り込んでいたらしい兵士が倒されていた。
それが、たったの二人と言うのは、とても貧乏で悲しいが……。
藤原の言う「特捜」とは「東京地検特捜部」じゃなく、国防省内の「特別捜索チーム」と言う意味なのかもしれない。

藤原、すぐ横の通信ボックスの配線をつなぎ直して、外部と連絡しようとする。
藤原「もしもし!」

同時に、離れたところにあるケーブルが何者かの手によって引き千切られる。

藤原「駄目だ、通じん!」

いづみ、曲がり角の向こうからゆっくりとこちらに近付いて来る三人の兵士に気付き、身構える。
いづみ「あなたたちの仕業ね」
その三人は、冒頭、高野たちを襲って殺したあのスーパー兵士たちだった。

女「あなたがいづみね……私で十分よ」
中央の小柄な兵士は、意外にも女だった。
ファイティングポーズを取る二人の仲間を、女が下がらせる。
そして勢い良くマスクを外すのだが、

こぉーんな顔だった……。
いや、別に良いんですけどね、もう少しこう、迫力のある目つきの女優さん、いなかったのかなぁとか……
(演・安田仁子)
アクションはスタントにやらせれば良いんだから、もうちょっと見栄えのする人をキャスティングして欲しかった。
まぁ、何度も言うように、打ち切りドラマの追加エピソードにそこまで望むのは贅沢と言うものだろう。

女兵士が、拳を握り締めると、その筋肉が目に見えて膨張する。

いづみ「バイオフィードバック!」
そう、彼女は、いや三人とも新たなバイオフィードバック戦士だったのだ。
助け出された石津が、急いで調整したマスプロタイプだろう。恵子の場合を考えれば、これだけ短期間に三人の兵士を作り出したとしても不思議ではない。

かなり狭苦しいところだが、いづみと女兵士の戦いが始まる。
いづみに加勢しようとした藤原には、仲間の兵士の鋭いハイキックが飛んでくる。

いづみ、まだ自由自在にバイオフィードバックを発動させる能力はなく、劣勢となる。

藤原も、二人の兵士に腕を取られ、体を持ち上げられる。

いづみ、女のパンチを巻き込んで反撃しようとするが、逆に鋭い左フックをボディに食らってしまう。

さらに、強烈な左回し蹴りが顔面にヒット!
顔はアレだけど(オイッ)、確かにこの女優さん、アクションは素晴らしい。

その後も防戦一方のいづみ。
不意を衝かれたと言う点を差し引いても、この女兵士、飛葉ちゃんより強いのは間違いない。

いづみの喉を掴んで、その体を持ち上げようとする女兵士。

さしものいづみも、観念したように目を閉じ、女も勝利を確信したように笑みを浮かべる。

が、藤原が壁に叩きつけられてぐったりしたのを見て、

体を持ち上げられたまま、バイオフィードバック発動!
女の胸に膝蹴りを叩き込み、体の自由を取り戻す。
結局、いづみは、最後まで感情的な昂ぶりや肉体的な痛みを引き金にしなければ発動しない不完全なバイオフィードバック戦士だったと言うことである。石津が、彼女のことをプロトタイプと呼ぶのはその抜き難い欠陥があるからでもある。
だが、逆にそのことがいづみを最強のバイオフィードバック戦士たらしめているとも言えよう。

それを見て、二人の兵士も同時にバイオフィードバックを発動させる。
同時に、三人のバイオフィードバック戦士と戦うのは勿論、いづみにとって初めての経験であった。

と、いづみの体を押さえた兵士たちに、何処からか石礫のような物や、細い棒が飛んできて、彼らをまごつかせる。

健「いづみ!」
恵子「いづみ!」
別の通路からビリヤードのキューを持った健が、階段の下からは「パチンコ……のようなもの」(スリングショット)を持った恵子と佐織が駆けつける。

佐織「藤原さん! 藤原さん!」
藤原「あ……」

援軍の到着に、三人は奥の階段の前で防御姿勢を取る。

いづみ「みんな……」
恵子「いづみひとりに良いカッコさせないわよ!」
健「みんなじっとしてられなくてよー」
佐織「いづみ先輩、すぐにウォーターフロントの仲間たちが来てくれますから!」
佐織の言葉に続いて、

その頼もしい仲間たちの姿を挿入するのが、スタッフの良心を感じさせる。
地図を手に、下水道のようなところを彷徨っている三人。
アイ「よっこっしょっ、うん、あっちだ、あっち」

アイ「あっち!」
祥子「ほんとにあっちなのー?」
マーコ「大丈夫なの?」
アイ「まっかせなさい!」
アイを先頭に、疑わしそうな顔で続くマーコと祥子。
……が、

マーコ「ねーっ、さっきここ、とおんなかったぁ?」
アイ「あっれぇーっ、おっかしいなぁ〜」
祥子「もう、アイに地図持たせたらダメだってぇ〜」
と言うオチがついて、脇役三人衆の見納めとなる。
マーコとアイは15話でもちょっとだけ出ているが、何故か祥子だけこのシーンが最後となってしまう。
最後なのでぶちまけてしまおう。
すぅーっ、
管理人は、祥子が大好きだーっ!!
……えっ、さっきも似たようなこと言った?
とにかく、見せ場はあまりなかったけど、祥子役の山本恵美子さん、お疲れ様でした!
ちなみに、声と言うか、喋り方が昔の菅野美穂みたいだ、と思うのは管理人だけだろうか?
そう言うクッションを挟んで、

サバイバルソーを取り出して、本気モードになるいづみの姿に戻る。
いづみを中心に、恵子たちもビシッと戦闘ポーズを決める。
しかし、恵子も、一度はバイオフィードバック戦士にされたのだから、今でもその気になれば発動できるんじゃないのかなぁ?
三人の兵士は奥の階段まで後退するが、追いかけようとするいづみたちの足を、階段の上に現れた足音が止めさせる。

健や恵子たちも、息を飲んで階段を見上げる。
良く見たら、佐織も、スリングショットを持ってるんだね。

相変わらずシルエットが好きな石津おじさん、杖を付きながらゆっくりと降りてくる。
石津「お前たちにはこの計画を止めることは出来ん」

いづみ「石津!」

石津「久しぶりだな、いづみ!」
心から嬉しそうに微笑む石津。竜崎とのシーンでは分からなかったが、顔に火傷の跡が見える。

いづみ「生きていたのね!」
石津「行動が甘いなぁ、いづみ、既に国防省戦略コンピューターは我々のメインフレームに直結した。もはや、我々に手を出せるものはこの日本にはいない。たとえ政府でさえ、行動を起こした瞬間に、日本中の軍事施設からの攻撃を受けることになる」

いづみ「そんなことはさせないわ!」
石津「何もかも遅い、お前は負けたのだ」
いづみ「可能性がある限り、諦めないわ」
石津「その可能性はゼロに等しい」

石津「……だが、私がお前に与えた力はゼロパーセントの可能性を越えられる筈だ。その能力のないものと、戦うことはない。越えて来い、いづみ」
いづみ「石津!」
石津、いづみに自分たちの計画を阻止して欲しいとでも言いたげな言葉を残し、三人の戦士に守られながら後退する。
実際、15話の石津の態度からも、既に彼には当初抱いていた軍事クーデターへの情熱はなく、その道具に過ぎなかったバイオフィードバック戦士の、いや、最終兵器・五条いづみの無限の可能性を見て見たいと言う、研究者としての願望だけが残っていたと見るべきではないだろうか。

サバイバル・ソーを握り締め、闘志を燃やすいづみ。
次のシーンでは、再び自分の部屋に立っているいづみの姿があった。

暗がりの中、セーラー服を見詰めたり、、手に取って自分の体にあてがったりするいづみ。
いづみ「最後の、戦い……」

花瓶に差した薔薇に視線を向けるいづみ。

夜が明けると、いつの間にかセーラー服をまとったいづみが、その薔薇に触れ、

いづみ(戦い抜いてやる、それが私の全てだから!)
心の中で叫んで、いよいよ最終話に「つづく」のであった。
最終回と言うことで、いつものコミカルな会話はない。

いづみ「みんな、ありがとう、楽しかった。もしも、私が帰らなくても、気にしないで、みんなに会えたことは絶対忘れないわ、さよなら」
最初の戦いの後、電話ボックスに入って恵子たちに向かって囁きかけるシーンに合わせて、短いモノローグを言わせている。
本編にも、同様のシーンと台詞があるが、
いづみ「みんな、ありがとう、もしも、私が帰れなくても、気にしないで、楽しくっていつも良い天気みたいなそんな日がたくさんあるように……みんな」
このように、台詞はだいぶ手が加えられている。

また、最初の戦いで、負傷した健のこんなアップがあるが、本編には出てこない。

それと、石津のアジトへ乗り込むシーン。
左が予告編で、右が本編。

いづみが、バズーカ砲(ロケットランチャー)をガチャッと構えるシーンも、本編とは異なる。

二人が対峙して、アジトが崩壊し始めるカットも、本編とは微妙に異なるようだ。
他にも細かな違いはあるが、きりがないのでこのくらいにしておこう。
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