1988年1発目は、音楽と主題歌を担当していたバンド「A-JARI」が、メインゲストも務める異色作。
さらに、彼らの曲の演奏シーンが1/3以上の時間を占め、さながらPVのような趣。ついでに、五十嵐いづみも劇中で「エスケイプ!」を披露すると言うお遊びも見られる。そんな訳で、全15話中、もっともストーリー部分が短いエピソードとなっている。
また、「謎の組織」とも全く関係ない話のせいか、唯一、石津も藤原も登場しない回でもある。

始まりも、A-JARIのライブシーンからスタート。
本多「今夜は最高だなっ!」

で、早速、一曲披露する。去年(と言っても、映像は87年の物だが)の10月にリリースされたシングル「I.NO.リザベーション」である。これも、「セーラー服反逆同盟」の「SHADOW
OF LOVE」と同じく、秋元康が作詞。
これは、実際のライブの映像だろう、と思う。

それと、ドラマサイドの映像を組み合わせている。
観客の中に、いづみたち三人もいた。恵子、いづみが拍手もしないで棒立ちなのを怪訝な目で見遣る。

が、いづみはちゃんと足でリズムを取り、ライブを彼女らしいスタイルで楽しんでいた。
恵子、横の佐織にそれを手振りで教え、二人でいづみの横顔を見て微笑む。

サビのところの照明が美しい。

そして、曲の続きをBGMにして、三人が連れ立って歩いているシーンへつながる。
佐織「今日のライブ良かった。やっぱりA-JARIって最高ね!」
恵子「うん、今この街じゃ、ダントツ乗ってるだろうね」
佐織「ね、ね、いづみ先輩どうでした?」
いづみ「良かったね!」
佐織「じゃあ、もっと素直に興奮して下さいよー」

恵子「かっこつけてるだけだよ、会場じゃこれもんなんだもん……キャーッ! ○○○ーっ! だってさ! あはははは」
手でメガホンを作り、悲鳴のような歓声を上げる恵子。ただ、土田由美さんの台詞ではしばしばあるのだが、何と言っているのかはっきり聞き取れない。

佐織「うふふ」
恵子「もう○○になって騒いでるからびっくりしちゃった」
いづみ「シーッ!」
前を歩いていたいづみが、人差し指を口に当てて二人を黙らせる。

見れば、前方、高架下の暗がりで、ひとりの男性が三人のやくざ風の男たちに殴られていた。
大津「なめんじゃねえぞ、コラァッ」

大津「ウォーターフロントで勝手な真似はできねえんだよぉっ!」
リーダー格の大津を演じるのは福岡康裕さん。で、殴られてふらふらになっている矢追を演じているのが、篠塚勝さん。

思い切り殴られて、壁にへばりつく矢追。

恵子「ひっどぉい、殺されちゃうよ〜」
佐織「助けてあげましょうよ」
いづみ「人の喧嘩に、興味ないわ」
と、いづみはつれない返事。

いづみがいかにも興味なさそうにそっぽを向くと、
佐織「じゃ、いいです!」
思い立った瞬間には行動に移る佐織、ひとりで彼らのところへ歩き出す。
恵子「佐織ぃ!」
恵子「ほんっとにあいつバカなんだから……」
いづみ「しょうがないわねえ」

佐織、恐れる色もなく彼らのそばまで来ると、決然とした眉も凛々しく「おじさんたち、暴力はやめて下さい!」
こういう向こう見ずなところが、佐織の魅力である。第2話のおどおどしたキャラとはほとんど別人であるが。

大津「なんだこのガキぃ!」
相手が誰だろうと、常に同じテンションで応じる大津さん。

佐織「ガキじゃないもん!」

大津「なにぃ?」
その剣幕に、さすがの佐織もたじろぐが、横から飛んできたいづみのマフラーが、大津の左腕に巻き付く。

いづみは、素早く大津の後ろを取り、マフラーの反対側をその首に巻き付けて、自由を奪う。
大津「ううっ」
佐織「いづみ先輩!」

当然、二人の下っ端が攻撃してくるが、いづみ、ひとりを蹴飛ばし、

マフラーで引き寄せた大津の顎にエルボーを叩き込み、残るひとりも膝蹴りで倒す。

一瞬で三人の男を倒してしまういづみの強さが、テンポ良い編集と切れの良いアクションで描かれている。
OP後、

矢追、そのまま例の部屋まで連れてこられ、恵子たちに手当てをされている。
恵子「良かったら話してくれない? 力になるわ」
矢追「好奇心強いんだな……」
恵子「街のジャリを拾い上げて、一流ミュージシャンに育て上げる。○○、A-JARIの名マネージャー、矢追竜二、でしょ?」
意外にも、彼はA-JARIのマネージャーだった。この台詞でも、○○の部分が何と言ってるのか、よく分からない。「いま」だろうか? 「ジャリを〜」と言うのは、実際のバンド名の由来、「A級のジャリ(子供)」から来ている。
ついでに、矢追竜二、やっぱり矢追純一のもじりだろうか?

佐織「えーっ(ギシッとソファを軋ませながら横に座る)あのA-JARIのマネージャーなんですかぁ? いいなぁ」
恵子「知らなかったらもぐりよ」

矢追「やつら、A-JARIを仕切らせろって言ってきてるんだ」
左右から若い女の子に挟まれてちょっと嬉しそうな篠塚さん。

佐織「仕切らせろぉ?」
恵子「あがりのピンハネをしようってこと」

佐織「せこぉーい」
台詞の後、口をへの字にする沙織。
桂川昌美さん、EDの引き攣ったような笑顔とは見違えるように豊かな表情を見せるようになっている。

矢追「やっと俺の夢が叶えられる奴らを見付けたんだ」
立ったまま聞いていたいづみ、どっこいしょと言う感じで大きなお尻を落として座る。
矢追「あいつらは、ウォーターフロントで終わるようなミュージシャンじゃない。もうすぐコンサートだって言うのに、メンバーにもしものことがあったら……」
矢追や、その前の恵子たちの会話から、劇中では、A-JARIはまだインディーズに毛が生えた程度のバンドらしい。

矢追のつぶやきに、恵子、待ってましたとばかり、「任せて!」と、指を鳴らす。それに対し、笑顔で頷く佐織。
それをきっかけとして、次の場面でA-JARIが演奏している曲のイントロが流れる。

佐織、どこからか表を取り出して、
佐織「えーっとぉ、いづみ、事件なんでも解決所のシステムをご説明します。クラスは松竹梅と分かれてまして……ボディーガードですとこの辺です」

文面が、一瞬映るのだが、字が小さくてなんと書いてあるか全部は判読できない。読めるものについて書くと、
松……事件介入、警護、身上調査、マル秘調査
竹……家庭教師、部屋整理(?)、迷子のペット探し、コンサートチケット入手
梅……子供の送迎、○○店員、ビラまき、雑用(?)、ドブソウジ(?)
などとなっている。しかし、コンサートチケット入手なんかは、いづみじゃなくて恵子や健の領分だろう。調査に関しても、いづみより佐織の方が優秀のようだ(7話参照)。
料金は、松が1万円〜、竹が5000円〜1万円、梅が〜5000円である。
8話の冒頭で、恵子たちがあれこれ仕事の料金について話し合っていたが、それをまとめたものだろう。
無論、これは恵子たちが勝手に作った物で、いづみは関与していない。

いづみ「ちょっとぉ、どういうことぉ?」
表をひったくり、詰問するいづみ。その顔に、サブタイトルが重なる。

BGMがそのまま、いづみが3話でねそべっていた臨海ビルの屋上のようなところで練習しているA-JARIの曲につながる。
「バイト上がりで〜」と言う歌いだしの曲、現時点ではタイトルが分からない。

矢追に連れられて、恵子たちもやってきて、演奏に聞き入る。結局、矢追が護衛の仕事を依頼したのだろう。
無論、撮影時には、実際に音は出してない筈だ。

パワフルなパフォーマンスが売りだったと言うボーカルの本多克典氏。ここでも、華麗な脚の動きで魅せる。
それにしても、実際はわざわざこんなふきっさらしで練習なんかしないよね。しかも1月だぞ。

まだ曲の途中だったが、矢追「みんな聞いてくれ、良い知らせだ」と声をかけて歩み寄る。
A-JARIも、演奏を止めて集まる。
本多「なんすか?」
矢追「今度のライブのチケットはソールドアウトだ!」
腰を落とし、両手を広げる仕草をしながら言う矢追。篠塚さんも、若いバンドの感性についていこうと必死である。
ただ、演技では素人のA-JARIの中にあって、逆に篠塚さんのいかにもお芝居と言う感じの演技が浮いて見えるのも悲しい事実である。

矢追の言葉に、歓声を上げるメンバー。中央で独特の手の叩き方をしているのは、ドラムの芳賀真氏。
本多「基本よねえ、それよりなに、それはご褒美かなみたいな……」
本多氏が、いづみたちに気付いて尋ねる。台本に書いてあるのか、アドリブなのか、やや品性に欠ける発言だ。
A-JARIが出演と言っても、その中で実際に演技らしいことをしているのはこの本多氏くらいである。実際、それなりにうまい。

矢追「俺の知り合いだ」
藤尾「はじめまして、藤尾です」
突然、ギターの藤尾領氏が一歩進み出て、佐織に握手を求める。佐織も素直に応じている。
これも、アドリブなのか、台本なのか、良く分からない。
本多「若い子ばっかりで……」
矢追「若い?」
本多「綺麗だから」
○○「ええ子や!」
この辺、いかにもアドリブっぽく、逆に言えばリアルな会話っぽく、それぞれの台詞が重なり合って、聞き取りにくい。
最後の「ええ子や!」も、本多、藤尾氏以外の誰かが言ってるらしいが、誰だか良く分からない。

矢追「いいか、お前たちはもうそこらにたむろしてるジャリじゃない、ジャリはジャリでもAクラスのジャリ、A-JARIだ。ウォーターフロントのガキに、一流のライブを見せてやれ!」
改まった調子で、矢追が檄を飛ばす。

「よっしゃあ!」と言う気合と共に、再び最初の位置に立つメンバー。

個々のメンバーが大きく映し出される。
左から、伊藤信雄氏(キーボード、パーカッション)、藤尾氏、太田守氏(ベース)、小牟田聡氏(キーボード)である。

「君の唇盗んで〜♪」の歌いだしで始まるのは、「A」収録の「I SAY, I LOVE YOU」である。
「いづみ」の他の場面でも、使われたことがあると思う。……何処だったかな?

矢追、タバコを取り出してくわえる。
佐織「恵子さぁん」

佐織、二人の後ろを回って恵子の横に移動する。
佐織「いいですね、一生懸命って」
恵子「うん……」
佐織「あたし、あとでサインもらおっ」
ここの、恵子の口元が可愛い。

恵子「佐織はねえ、話に脈絡つけたら?」
佐織「脈絡ぅ?」
ここの、恵子の口元が可愛い。……あ、さっき言ったか。

そんな二人のやりとりに笑顔を向けるいづみ。
ライブの時のように、控え目に足でリズムを取って聞いている。

サビの「I SAY, I LOVE YOU〜」のところは、三人がマイクの前に集まって歌う。
しかし、ドラマを見ているのが全員A-JARIファンではないので、

曲と並行して、ストーリーも進む。
鉄柵を越えて、例の三人のやくざ風が、後部座席でタバコを吸っているボスに報告している。
大津「すげえ女で、恥ずかしい話ですが、とにかく俺たちの手に負えるタマじゃねえんです!」
しかし、いづみに一度やられたくらいでこんな弱音を吐くのは少し違和感を覚える。
本来なら、もう一度矢追を襲ったところを、再びいづみにぶちのめされる、みたいなシーンをその前に描くべきだろう。

そのボス・山下を演じているのは、何と、浜田晃さんではないか。

大津「申し訳ありません、金の埋め合わせを他でなんとか……ううっ」
山下、あれこれと言い訳する大津の襟をむんずと掴み、車内に引っ張り込む。
山下「てめえも分かってねえようだな」
大津「はぁ?」
山下「金よりメンツだ。この世界、舐められたらおしめえだ」
大津「分かりました、山下さん」

車が走り出す。
山下「竜二の野郎、舐めやがって、ウォーターフロントで俺を無視してやっていけると思ってんのかよ?」
そんな黒い企みが渦巻いているとも知らず、

あくまで平和な本多氏。
いつの間にか、曲は「WHY DO YOU KNOW?」に変わっている。これも、「いづみ」で使われたことがあったと思うが……。

いつの間にか、座って聞いている三人娘。


A-JARIと交互に、それぞれの顔がアップになる。

サブの部分は、例によって三人がマイクのところに集合。

途中から、フィルムが白っぽく変色し、

後ろの白い海が重なる。音楽がフェードアウトして行く。
最初見た時、管理人、てっきり、これで次のシーンへ移行するのだろうと半ば確信したのだが……、

ええーっ、まだ歌うのぉ? と、心の中で思わず突っ込んでしまった懐かしい思い出。
その後も、この場面を見るたびに「ふふっ」と笑ってしまう。
で、最後に披露するのは、バラード「長い夜」である。
本多「無口にならないで〜♪」

彼らにとってよほど思い入れのある曲なのか、これだけ、実際のライブ映像が挿入される。
この曲は、「セーラー服反逆同盟」15話でも、主題歌「SHADOW OF LOVE」と共に、ライブハウスで歌われていた。
「いづみ」には……使われていなかったと思うが? あれ、どうだっけ?

この曲は途中までキーボードだけなので、ギターとベースが手持ち無沙汰。


曲調に合わせて、聞いているいづみたちの表情も少し悲しそうになる。
佐織は、なんか眠たそうだ。
このシーン、いづみはともかく、恵子や佐織は特にすることがないので退屈だったのではないだろうか?

ここでも、単に演奏を映すだけでなく、後ろからのショットの後、

曲はそのままに、祥子たち三人が、練習の合間に差し入れを持ってきて、わいわいさわぐというシーンをスケッチ的に組み入れている。
祥子が、珍しくギャルっぽい服を着ているのがとても可愛い。

いづみも、愛用の携帯コンロでお湯を沸かし、コーヒーを入れる。

それをトレイに乗せて彼らのところへ持っていくいづみ。
ここ、実際の休憩時間にわいわいがやがや楽しく騒いでいる様子が良く出ていて、何気に好きなシーンである。
上の方で、本多氏と芳賀氏が一緒に体をくねらせている。

湯気を出しているポットの映像を挟みつつ、ここで「長い夜」から、「エスケイプ!」のイントロに代わる。

よっしゃーっ、と言う感じで動き出すA-JARI。
いつの間にか、夕焼けになっている。

恵子たちと話していたいづみを無理矢理引っ張って連れて行く。
メンバー「ほらほらほら」
いづみ「ちょっ……と、何するのよ!」
その場にやや茫然と取り残される恵子たち。

もっとも、カメラが切り替わると、マイクを握るいづみの左側に恵子と佐織、右側に祥子たちもいて、手拍子を打ったり、体を揺らしたり、ノリノリで応援している。
そう、いづみが、五十嵐いづみとして「エスケイプ!」を劇中で披露すると言う、今ではほぼ考えられないバラエティ的な演出なのだ。最初見た時は、正直ちょっと恥ずかしかったが、今では、これはこれで貴重なシーンだと思う。
劇中の作り物の存在(つまり役者)としてだけでなく、五十嵐いづみ以下、若さ溢れる女の子たちの素の表情(に近いもの)がフィルムに焼き付けられているからである。NGシーンや、メイキングシーンとも異なる、独特の雰囲気が内蔵されている。


また、歌い出しの前に過去の名場面が少し流れる。
と言っても、まだ9話なので、使用できる素材は限られ、4話、6話、7話だけ。
そもそも、こういうシーンはある程度話数を重ねてからじゃないと、様にならない。
A-JARIがゲストとして出るのは早い段階で決まっていたが、実際にそのエピソードが撮られるのはもっと後の予定だったのではないか。たとえば、3クール目くらいに。だが、早々に打ち切りが決まってしまった為、急いでそのエピソードが撮られ、貧弱な回想シーンにならざるを得なかったのではないか?

それはさておき、「ナイフみたいな〜」と歌い出すいづみ。
体を左右に揺らしながら、手を叩いている祥子、アイ、マーコが可愛い。
本多氏はすることがないので、後ろで踊っている。
無論、個々も実際に歌っている訳ではなく、曲は後からつけたものだろう。
A-JARIも、「エスケイプ!」とは関係ないから、演奏しているふりをしているだけ?
現場では、感じを掴む為に、ラジカセで曲が流されていたかもしれないが。


サビの前に、もう一度名場面シーン。ここでは、4話、5話、6話が使われている。

「罪のにおいを雨で洗うけど〜♪」
カメラがよっていき、マイクを持ついづみのアップ。

また、その合間に、何処かへ出かけていたのか、矢追がエレベーターに乗り込み、彼らのところへ上がっていくシーン。
この頃、こういうバカみたいなロングコートが流行ったよな。これでもまだ短い方だが。

エレベーターは地下から、5階まで上がって、ドアが開く。

嬉しそうに表示板を眺めている矢追。
「あいつらやってくれるぜ」「参ったなぁ」っぽいひとりごとをつぶやきながら、箱から出ようとするが、

頭に銃をつきつけられ、固まる。

銃の主は大津で、矢追を箱の中に押し戻す。ここで、「エスケイプ!」はそのままに、音声が聞こえ出す。
大津「山下さんが大層ご立腹だ。竜二!」
矢追「あいつらだけは、お前らとは関わらせない!」

大津、矢追の右手を壁に付け、ナイフで付けたような古傷に銃口を当てる。
大津「A-JARIの誰かが、10年前のおめえの二の舞になってもいいのか?」
矢追「俺の両手はぶっ飛ばしても構わない。だが、あいつらには手を出すな!」

かっこよくタンカを切るものの、大津に引き金を引かれると、

どっと冷汗を流す矢追。しかし、いくらなんでも汗の量が多過ぎでは? 1月やで。
無論、弾は入っていなかった。

大津「この街で、山下さんの力を借りずにライブを開こうなどと考えねえことだ!」

大津、箱から出て、怯える矢追を嘲笑いながら左側へ去って行く。

ドアに背をつけて、立ち尽くす矢追。

が、当然の如く、ドアが勝手に閉まりだす。

仕方ないのでさりげなくドアを背中でこじあける矢追。

それでも閉まろうとするドア。
以上、「矢追竜二VSエレベーターのドア」の熱戦の模様でした。
これは、正直、笑ってしまった。
当然ここは、スタッフがひとり中にいて、「開」ボタンを押し続けないとダメだろう。
スタッフが入る空間的余裕がなかったのか?
しかし、リハーサルの時点で気付くと思うんだけどね。
同時に、「エスケイプ!」が終わる。

翌日、いづみたち三人がまた練習場所へ上がってくる。
今回、誰も制服を着ていないのは、冬休み中、という事なのだろうか?

が、彼らの前には意外な情景が広がっていた。

A-JARIの姿はなく、矢追だけがトラムの前に座って、意味もなくシンバルを叩いていた……。

いづみ「どうしたの? みんなは?」
矢追「明日のライブは中止だ」

いづみ「何かあったのー?」
恵子「矢追さん、あなたビビって、奴らと取引したんじゃ……」
矢追「うるせえっ!」
図星を指され、思わず声を荒げる矢追。

が、それを認めるように小さく頷くと、内ポケットから封筒を出して、いづみの手に握らせる。
矢追「ボディーガード料だ。じゃ……」
いづみ「待って!」
その手を掴んで引き止めるいづみ。

意外と毛深くて男らしい矢追の手……、深く刻まれた古傷を見てハッとするいづみ。

矢追、その視線に気付き、「見ちゃいやっ」と言うように左手で隠す。

矢追「あいつら自分のメンツを守る為だったら何でもやるんだ! 今のうちに引っ込む方が身の為なのさ」

立ち去ろうとする矢追の背中に、「そんなのイヤです!」と、佐織の声が飛ぶ。

佐織、持参していた小さなラジカセの再生ボタンを押す。
アルバム「A」収録の「LOOKIN' fOR THE NITE」のイントロが流れ出す。

イントロの間、三人がその場に固まって待っているのがちょっと可笑しい。

「破れかけたマガジンのページが〜♪」の歌いだしのこの曲、確か2話の、恵子と健がサキで話しているシーンで使われている筈だ。

恵子、聞きながら、そっと矢追の方へ視線を向ける。

矢追、ゆっくり振り向く。男前だぜ。

いづみのアップを置いてから、

矢追「ちくしょう、いい音出しやがる。やっぱりこのサウンドは捨てられねえ!」
矢追、あっさり前言撤回。随分、簡単だなオイ。
ほんとうなら、一旦このシーンを終えた後、矢追がいづみたちに説得されると言う構成にすべきだろう。
ま、今回は演奏シーンがとても長く、ドラマパートが圧縮されているのでしょうがない面もある。

矢追の言葉に、とびきりの笑顔を見せる三人娘。

で、次のシーンでは早くも開演を待つコンサート会場。
ポスターには、
「A-JARI JAPAN CIRCUIT '88」
「現代少年理想的体質」
と、書かれてあるが、これはこの年に実際に行われる(予定の)ツアーのポスターを流用しているのだろう……か?
A-JARIのツアー情報については現段階では分からないので、なんともいえない。

恵子「少しでも怪しい奴がいたら、必ず連絡しなさい」
三人「はいっ」
その前で、闇学中の会長として、三人に指示を出している恵子。
私事だが、今回の祥子、めちゃくちゃ可愛ええ。

「よし」と声を掛け合い、散って行く三人。彼らは、会場周辺で見張りをする役なのだ。
無論、今回も、彼ら以外の闇学中のメンバーは登場しない。
しかし、A-JARIは、劇中ではまだウォーターフロントを拠点に活動するインディーズバンドと言う扱いだったと思うが、ここでは既に全国ツアーをするメジャーのバンドになっている。まぁ、今回のツアーで初めて全国を回る、と言うことなのかもしれないが。

会場の近くの車の中に、山下と大津がいた。
大津「矢追の野郎、命がいらねえらしいっすね」
山下、目を開けて、「手筈通りやれ」
大津「へいっ」

開演直前の楽屋。煙草の煙がたちこめる中、メンバーと矢追が談笑しつつ打ち合わせをしている。
この辺は、ほんとの楽屋裏の雰囲気が濃厚で、良く感じが出ている。ただ、会話ははっきりと聞き取れない。
矢追「○○○か?」
本多「大丈夫です、(伊藤)信雄は絶対間違えないっすから」
藤尾「ははははっ」
芳賀「そんなこたぁねえよ」
本多「いやぁ、絶対間違えない」

楽屋には、当然、いづみたちもいる。
いづみ「恵子は袖の方、佐織は廊下を見張って」
二人、頷いて部屋を出て行く。
○○「サブタイトル」
○○「サブタイトルなんだった?」
正直、本多氏以外の顔と名前がすぐに一致しない。

と、本多氏が立ち上がって、部屋を出て行こうとする。
いづみ「何処行くの?」
本多「えっ、トイレ!」

念の為、佐織がヌンチャクを持って、彼のそばを離れない。
本多「なに、どうしたの?」
佐織「ボディーガードです!」
本多「あ……」

そのヌンチャクの片方をコツンと自分の頭に落とし、
佐織「いたー」
本多「ぶはぁーっはっはっ」
ここの、佐織の恥ずかしそうな顔、素で恥ずかしがっている感じだ。
相手が本職の俳優ではないから、桂川氏もちょっと緊張していたのではないだろうか?

本多氏は笑いながら、男子トイレのドアを開けて入る。佐織も自然についていこうとするが、
本多「ダメだよ、中まで入っちゃあ」
と、厳しく止められる。

トイレは清掃中だったが、本多氏は構わず用を足す。少し不安そうにドアの側で待つ佐織。

本多氏が用を足して、口笛まじりに手を洗っていると、清掃員がいきなり背後から襲い掛かり、クロロフォルムを浸したハンカチと言う、記号的なアイテムを本多氏の口に当て、失神させてから外へ運び出してしまう。
そう、彼らは清掃員に化けた山下の配下だったのだ。
さて、やっとBパートだが、今回はAパートが異様に長く、もう7分くらいしかない。

なかなか本多氏が出てこず、待ちくたびれる佐織。

さすがに気になって、おずおずとドアを開けて中を覗き込む。
と、中には清掃道具だけで、誰の姿もなかった。

佐織「大変です、大変、大変、大変です!」
大声で叫びながら、楽屋に駆け戻ってくる佐織。

その声に、楽屋から少し離れた踊り場で、全員集合。
恵子「いなくなった?」
佐織「私が覗いた時にはもう……」
いづみ「本多君がさらわれたみたい!」
ちなみに、A-JARIメンバーは、五十嵐氏より2つ3つ年上である。佐織はともかく、いづみが「本多君」と呼ぶのはそれほど不自然ではない。

太田「冗談じゃねえよ」

矢追「山下のところで、お前らを欲しがってるんだ。本多にもしものことがあったら……」

藤尾「あんなのと組むぐらいだったら、俺らだけでやってるよー」

矢追「お前ら……」
藤尾氏の言葉に感動する矢追。
しかしこの藤尾氏の台詞、よく考えると少し変である。
「あんなの(山下)とは組まない」と言うことは、イコール「俺らだけでやってる」と言う意味になるからである。
この場合、「あんなのと組むぐらいだったら、バンドやめてやるよー」くらいのことは言わないとね。
また、「俺らだけ」と言うのが、一瞬「本田氏を除くメンバー」と言う意味にも聞こえてしまう。

いづみ「準備を続けて、彼は必ず助け出すわ!」

いづみが歩き出すと、血気盛んなA-JARIのメンバーも「俺たちも行くぜ」と続こうとする。
例によって、誰が喋っているのか良く分からない。
矢追、慌てて彼らを押し止める。
矢追「待て、あいつらは手段を選ぶような連中じゃないんだ。命を奪うことなんかなんとも思っちゃいない! 中止しよう!」
いづみ「あたしが助けます! リハーサルを続けて、最後の一秒まで」
いづみの説得で、メンバーはそのままコンサートの準備を続けることになる。

次のシーンでは、いづみは一旦アパートへ立ち寄っている。
同時に、「JUST FOR LOVE」のイントロがスタート。ただし、

会場で、本多氏以外のメンバーが練習をしていると言う設定なので、ボーカルはない。

いづみ、ダッフルバックの中から普段は使わない袖なしのベストを取り出し、

貧乳マニアをわくわくさせながら、羽織る。これは、防弾チョッキと言うより、防刃チョッキのようなものか?
いづみがこれを着用するのは、今回だけだっけ?

ベッドの上に、サバイバル・ソーやナイフを並べ、入念にチェックするいづみ。
メンバーの演奏の様子が交互に映し出される。これは、実際のコンサートの際に撮ったのだろうか? うーむ。
楽器だけの曲は、間が抜けた感じがする。

いづみ、その上からいつものフライトジャケットを重ね着する。

そして、サバイバル・ソーを引っ張って、最後のチェックをする。
いづみが戦闘前に、こんなに丹念にアイテムの準備をするのはここだけである。

で、伸ばしたリングを再び重ねて、カコッと嵌める。
ワシも一度嵌めてみたい。

ここで、ちょっとだけ、会場の外の様子が映される。客が続々と集まりつつある中、祥子たちが見張りをしている。
ここでも、祥子のピンク色の服が一際目立っている。

その後も、ゆっくりとリングをポケットに入れ、ジャケットのファスナーを閉めるいづみ。
と、ドアを突然開いて、

恵子と佐織が入ってくる。
恵子「いづみ、闇学中の連中に調べさせたんだけど、山下の車を廃工場の前で見掛けたって……」
いづみ「わかったわ」
そうか、妙にのんびりしてると思ったら、よく考えたらいづみ、本多氏の居場所を全然知らなかったんだね! 納得。
それにしても、闇学中の情報力は捨てた物ではない。空振りに終わることも多いが、2話でもすぐに佐織を見付け出しているからね。

恵子「いづみぃ、まさか山下ンところとドンパチやろうってんじゃあ……」

いづみ「仕事は最後までちゃあんとやんなくっちゃね!」
飛び切りの笑顔で、意外な台詞を吐くいづみ。嫌っていた筈の「何でも事件解決業」だが、いざ引き受けたら最後まで責任を持って成し遂げようとするあたり、いかにも生真面目ないづみらしい。

かえって恵子が「冗談じゃないよー、相手は本物なんだよ。拳銃だって持ってるって……」と、消極的な意見を口にする。

佐織「いづみ先輩、ご一緒します。わたし、責任があります!」

恵子「あたしだってぇ」
いづみ「恵子と佐織はコンサート会場を頼むわ」
佐織「でもぉ……」
いづみ「あたしを信じて」
いづみは、二人を説得して、単身、山下たちのところへ乗り込むことになる。

時間がないので、次のシーンでは、早くもその工場に来ているいづみ。窓から中を覗き込むと、

縛り上げられた本多氏が、椅子に座らされ、左右からピストルでピシャピシャいたぶられている。
本多氏、「勘弁してくださ〜い」と言うように口を動かしているが、声は聞こえない。

いづみ、外壁についている梯子を登って行く。

本多「あれだよほんとに、こんなことばっかりしててもねえ、ほんとにサインなんかしてあげないかんね!」
名優・浜田晃を前に、立派な演技を見せる本田氏。
大津「うるせえっ、10年前、おめえみたいに元気の良いギタリストがいたな」

大津の台詞に合わせて、手下の一人がカメラの前に勢い良くナイフを突き立てる。
大津、ピストルで本多氏の顔を手前に向けて、
大津「右手に穴開けてやったら、静かになったぜ」

その言葉に、何かを思い出す顔になって、「……? 矢追さん?」
この辺も、本職顔負けの上手さである。

大津「ライブを中止しねえと、おめえはあの世だよぉ」
俯瞰映像に変わるが、これは、上階から潜入したいづみの目線である。
しかし、「中止する」も何も、このままボーカルの本多氏を監禁していれば自然とコンサートは中止になるだろう。

ここで、再び楽屋にカメラが戻る。
リハーサルを終えたメンバーが、本田氏が帰ってくるのを待ちながら、最後の準備をしている。
矢追「時間だ。やっぱり中止しよう」
恵子「待って、いづみを信じて、もう少しだけ」
佐織「後5分、後5分だけ待って!」
ドアには「アジャリ様控室」と、カタカナで書かれてある。

いづみ、もたもたしていると開演に間に合わないので、すぐに飛び降りる。
……これはスタントだと思うが、五十嵐氏本人の可能性もありうる。

着地したいづみ、すぐにナイフを投げる。

大津「うわっ」
ナイフは、大津の腕に刺さり、そのピストルが落ちる。

彼らはすぐ撃ち返し、いづみは撃たれてそのまま横の穴に落ちる。さすがにこれはスタントだ。
と言うことは、やはりさっきのは、防弾チョッキだったと言うことか。

手下たちが穴を覗き込むが、いづみはすぐ這い上がって、赤いジャケットの足を払い、穴の底へ投げ飛ばす。

ついで緑色のスーツの腹を蹴り上げ、そいつも下に落とす。

次の紫色のシャツは、サバイバル・ソーをぶつけ、その足にチェーンを巻いてひっくり返す。

同時に穴から出て、もうひとりの銃撃をかわす。

その男の顔面を蹴り、起き上がろうとした紫シャツを殴り倒す。

続いて突進してくる男のナイフをかいくぐり、殴りつける。

手負いの大津が、いづみにまとわりつくが、右手の掌底一発でノックアウト。
大津「ああーっ」
いづみが掌底を使うのは、このシーンだけだったかな?

しつこく攻撃してくる男は、得意の後ろ蹴りで倒す。

あっという間に下っ端を片付けてしまったいづみ。

さらに次の瞬間には、山下にナイフを突きつけている。
いづみ「動かないで」

その超人的な戦闘能力に、本多氏も目をぱちくりさせる。

山下は、さすがの貫禄で、ナイフを目の前にしても動じない。
山下「噂どおりだ。わけえもんじゃ手が出ねえ筈だ……俺の体に指一本でも触れてみろ、こいつの命はねえぞ」

山下の言葉に、素早く視線を上げるいづみ。

その先の2階部分に、銃を構えた男が立っていた。

分かりやすく驚くいづみ。

山下「はっはっはっはっ、所詮、小娘……はっはっはっはっ」
笑いながら、ナイフをどかす。

本多氏も心配そうにいづみを見るが、

石津の声「バイオフィードバック、戦う意志が、お前を最終兵器に変える!」
ここでいきなり、バイオフィードバック発動!
いづみ、今までは血を流すとか、怒りを爆発させるなどの精神的なアンロックが不可欠だったが、ここではほとんど顔色を変えず、発動させている。何度も発動させるうちに、徐々にコントロールする力を身に付けてきたのだろうか。

前方を鋭く見据えるいづみのバストショット。バンクのイメージ映像の後、

いつものように、顔の右、左とカメラがズームして素早く横にぶれる。

最後に、眉間のアップ。
同時に、今回2回目の「エスケイプ!」が流れ出す。ただし、時間の余裕がないのでイントロなしで「ナイフみたいに〜」と歌が始まる。

覚醒したいづみは、まず山下を右の掌底で突き飛ばす。

山下「どわーっ」

山下は、本多氏の横のドラム缶に覆い被さるようにもたれる。

本多氏を狙うと、山下にも当たってしまうので、狙撃手は向かって右側、いづみの方へ銃口を向ける。

いづみは、2段に積み上げられているドラム缶の向こうに走り、下の缶を蹴る。

その一撃で、ドラム缶ががらがらと崩れ落ちる。同時に、いづみはそのひとつを両手で持ち上げている。

構わず、狙撃手が引き金を引こうとするが、

いづみは、白い筋の入ったドラム缶を、そのまま狙撃手目掛けてぶん投げる!

男は、銃を撃つが、ドラム缶に穴が開くだけ。

ドラム缶はそのままふわっと浮く感じに、2階の狙撃手に命中。男は真下に落下する。

山下、いづみのパワーを目の当たりにして、唖然とする。

いづみ、逃げようとする山下の体を掴み、「もう終わりね」

そして、思い切り右エルボーを叩き込む。
山下「うぉっ、がっ……」

椅子に座らされていた本多氏、立ち上がって、「ロープロープ、早く早く」といづみをせかす。

ファンで埋まりつつあるコンサート会場。これは、どう見てもリアルのコンサートだよな。

楽屋で、本多氏の帰るのを待っている矢追とA-JARI。
矢追「中止だ、やっぱり中止しよう」
藤尾「いや、だいじょぶ、本多はきっと来ます。あのいづみって子を信じてさ、とりあえずスタンバろうぜ」

藤尾氏の言葉に、メンバーはぞろぞろとステージへ向かう。
矢追「サイコーだぜ、お前ら」

芳賀氏のドラムで、早くも「JUST FOR LOVE」のイントロがスタート。

通路のところに立っている矢追たちの後ろに祥子たちが来て、「来ないよ」と言う風に首を振る。
暗い顔でステージを見る矢追たち。

が、次の瞬間、反対側の入り口から、本多氏が登場!
観客が立ち上がって、拍手と歓声の嵐が起こる。

ステージのメンバーも、本多氏に気付いてそれぞれ視線を向ける。

ステージに上がると、本多氏、ジャケットを脱いで、マイクを掴む。
「今夜は騒いで帰れよっ!」

暗くて分かりにくいが、同じドアからいづみもそっと入ってくる。
と、すれば、この観客はドラマの為に用意されたエキストラだろう。
矢追たちも、ホッと笑顔を見せる。

イントロがやや長くなったが、無事、「君の肩越しに見える街の光が〜」と歌い始める本多氏。
で、このシーンは実際のコンサートのものを使ってるんだろう……か?

ところで、本多氏のステージパフォーマンスや、衣装、顔付きなど、どうしても氷室を思い出してしまうのだが、やはり意識してのことだろうか? 12話では、何故かパーティーシーンにBOOWYの曲ばっかり使っていたしね(少し前にBOOWYが解散宣言をしていたせいもあろうが)。

この顔さとかさ……。
しかし、まあ、良い曲だし、良い声だよね。

薄暗がりの中、本多氏のパワフルな歌いっぷりを見詰めているいづみ。
その顔には、仕事をやり遂げた満足感も漂っていた。

恵子と佐織が、矢追のところから、いづみのところへ移動して来る。笑顔を見合わせた後、三人でステージを見守る。
ちょうどこの辺で、フルサイズの間奏に当たるのだが、

いづみのアップで「つづく」が表示された後、

音楽はそのまま途切れずにEDへ移行するのがシャレた編集。
だから、普段と違い、EDは「溢れる思いを〜」と言う2番の歌詞で始まるのだ。
また、フルサイズは通常のテレビサイズと音質や歌い方も異なるので、新鮮である。
1話の前半でも使われていたが……。
10話の予告編は、恵子と佐織の掛け合い。やっぱりこの組み合わせが一番無難だ。
佐織「いづみ先輩、次の仕事は花屋さんです」
恵子「佐織、花屋じゃなくて、花屋の姉弟を狙う男たちの正体を掴むんでしょ」
佐織「そう、その弟のイサ君がなーんか怪しいんです」
恵子「いづみの追ってる組織と関係あるらしいの」
佐織「今度こそ敵の正体を暴いて下さいね、先輩!」
映像面では、

佐織の指導で笑顔で挨拶するいづみ。並べて比較するほどではないが、本編と少し違う。

最後に佐織が石津から1万円を渡されるシーンも、左が予告編、右が本編であるが、予告編の佐織は万札を見て、いかにもさもしそうな顔をしている。

また、倉庫での戦闘シーン。
左の予告編では、敵の撃った弾は赤く発光するが、右の本編では白色になっている。
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