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第8話

聖夜 NEXT 目次へ
監督 前嶋守男 脚本 武上純希
アバン Aパート Bパート 予告

 クリスマスイブのオンエアと言うことで、当然、テーマはクリスマス。
 全話を通して、季節感のあるエピソードはこれくらいだろう。
  
 ドラマの上では、24日だと思われるが、街はクリスマス一色、鮮やかなイルミネーションや飾り付けを楽しそうに見ながら歩いているいづみ。BGMも、心弾むような「ジングル・ベル」が使われている。
 デパートから出てくる子供たちを見て、多少、羨ましそうな顔になる。いづみは幼い時に両親と死別しているのだ。
 一方、その近くを通っていた車の中には、今回のゲストヒロイン、如月智子(森村聡美)の姿があった。
  
 運転手の辻(長江英和)が、ルームミラー越しに「今年のクリスマスプレゼントはお決まりですか?」と尋ねる。
 退屈そうな智子だったが、近くから女性の悲鳴が聞こえてきて、思わずそちらに顔を向ける。

 森村聡美さんは、「スケバン刑事3」のオトヒを演じていた人。当時17才、ゲストの中では屈指の美少女である。
 と言っても、それは、男が中年女性のハンドバックをひったくろうとしていたに過ぎなかった。
 被害者女性を山本緑、ひったくり犯を白山憲明の各氏が演じている。
 騒ぎを聞いて、いづみがパッと振り向く。
  
 女性が落とした果物カゴのりんごが足元に転がってきたのを掴むや、迷わず犯人に向けて投げる。
  
 正確なコントロールで、男の手に命中させてバックを落とさせ、さらに、2つ3つとりんごをぶつける。男はその場にひっくり返ってしまう。いづみは笑みを浮かべると、さっさとその場を離れて行く。警官が走ってきて、男を取り押さえている様子が見える。
 車からその一部始終を見ていた智子、急に活き活きとした顔になり、
 「今年のプレゼントが決まりました。……出しなさい」



アバン Aパート Bパート 予告

 OP後、恐らくクリスマス当日だと思われるが、歩道で、サンタクロースの衣装を着てビラ配りのバイトをしているいづみ。
 いづみ「メリークリスマス! はい、どうぞー」
  
 と、電話ボックスの中にこんなビラがたくさん貼られているのに気付き、驚く。
 いづみ(街角の雑用から、国家の大事件まで、何でも解決します……あなたの最終兵器IZUMI?)
  
 いづみ「えーっ!」
 思わず叫んでしまういづみ、その拍子に口髭が取れ、
 次いで眉毛も落ちてしまう。
 腹立たしそうに口を結ぶいづみ。

 いづみ、恵子が勝手に始めた事件解決業を最初から最後まで嫌がっていたが、劇中でそれ以外の仕事をするのは、実はこのビラ配りだけなんだよね。

 クリスマスソングが流れ続ける中、舞台はバーガー・インに飛ぶ。
 恵子「家出した子猫捜しは?」
 祥子「1万え〜ん」
 恵子「引越しの手伝いは?」
 祥子「8000円っとぉ」

 話しながら、メモをしている恵子。相手の声は、祥子なのかいまひとつはっきりしない。
 恵子「あー、もうだめだっ」
 疲れたのか、そこで後ろにそっくり返る恵子。

 アイ「ちょっとこれおかしいんじゃない?」
 マーコ「ほんとおかしいよ、これ見てぇ」
 恵子「どれどれ?」

 たくさんのメモを前に、彼が何をやっているのか、実は今ひとつ分からない。
 最初、仕事の金額を決めているのかと思ったが、既に受けた仕事の整理をしているのかも知れない。
 と、ビラを見てその足で飛んで来たのだろう、いづもがドアを開けて飛び込んでくる。
 いづみ「なんなの、これぇーっ?」
 予想はしていたのだろうが、いづみの剣幕にビビる恵子たち。固まっているアイが可愛い。
  
 いづみ「どういうことか説明してよね!」
 恵子「ちょっ、落ち着いて……」
 いづみ「なんなのよ、この派手なチラシはーっ?」
 恵子「ま、落ち着いてさ、だってさ、こんなバイトじゃ、いづみの家計パンクしちゃうじゃん、だから、もうちょっと美味しい仕事選ぼうかなと思ってさ、番長グループの助っ人とかさぁ、ヤクザの用心棒なんかいいんじゃないかなと思ったんだけど……」
 いづみ「ふざけないで! 私は人間よ、兵器なんかじゃない!」
 必死で宥める恵子に対し、いづみはきっぱりと宣言する。
 恵子「ムキになんないでさ、みんなで楽しくクリスマスパーティーでもパッとやろう! かなっなんて思っちゃったり……」
 やや引き攣った笑顔で、あくまで軽く応じる恵子だが、そこへ場の空気を読まない佐織が歌いながら入ってくる。
  
 佐織「ジングルベル、ジングルベル、鈴が鳴る。今日は楽っしいクリスマス、イェーイ!」
 最後の掛け声と共に、たくさんのビラを突き出す佐織。
 佐織「街中の電話と言う電話、バッチリカード貼ってきました。どんどん稼いで、たのピークリスマスパーティーをしましょ、ね、いづみさん!」
 恐れ知らずの佐織、そう言っていづみの腕をポンと叩くが、
 いづみ「二度とこんなことしないでっ!」
 と言うと、佐織の持っていたビラを叩き落す。
  
 ショックを受けた佐織、(嘘泣き臭いが)「ふぇ〜〜〜ん」と泣き出す。
 恵子「もういいじゃん、クリスマスぐらいさぁ、子供の夢壊さなくたってぇ!」

 佐織を庇っていづみに抗議する恵子。恵子が佐織を子供扱いするのは、中盤でしばしば見られる。
 恵子「も、泣かないの!」
 佐織「クリスマスぅ〜」
  
 恵子「も〜、いづみだってさ、クリスマス久しぶりでしょ? っとも、あれかな、訓練所でやってたのかな?」
 恵子「戦場のメリークリスマス、なんちゃってね!」
 「いづみ」ではほとんど唯一のオヤジギャグ炸裂。

 恵子「も〜、泣くなよ〜」
 さすがに恵子も、いづみの反応を待つ勇気はなく、すぐ佐織に話しかけて誤魔化している。
 いづみ「あなたたちには分からない。帰るわ!」
 いづみ、顎鬚を外し、サンタ帽を荒々しく床に叩きつけながら、部屋を出て行く。
 初期のいづみを髣髴とさせるような、荒々しさである。

 佐織「ふぇんふぇんふぇん……」
 恵子「もう……」
  
 いつの間にか電話を手に部屋の入り口から彼らのやりとりを見ていたらしい健、
 「おい、ちょっと言い過ぎだよ」と、珍しく恵子に注意する。

 恵子「だっていづみが、あんまり冷たいんだもん」
 健「俺たちが踏み込んじゃいけない大事な場所があるんだよ、あいつの心の中には」
 恵子「分かってる。反省してるもん……」
 健「ああ、まあ、言っちゃったことは仕方ねえよ。おい、それよりよ、最終兵器に電話ってお前らじゃねえのか」
 健の言葉に、泣いていた筈の佐織がパッと顔を上げ、恵子より先に受話器に飛びつく。
 佐織はいはい、いづみ先輩に御用ですか? ……ああ、いづみ先輩は今……」
 口ごもる佐織だったが、恵子が急いで電話口に出て、「もしもしお電話代わりました、いづみです……」と言ってしまう。
 佐織「あーあー、踏み込んじゃった」
 恵子「はいっ」
 三人三様の表情の上に、タイトルが被さる。
 漢字2文字だけのシンプルなタイトルも、今回だけである。

 しかし、健が取り次いでいると言うことは、ビラの電話番号は、バーガー・インのものが使われているのだろうか?



 さて、ここで、恵子たちが溜まり場として使い、出現頻度の高いこの部屋の間取りなどについて考察したい。

 部屋そのものは、断言できないが、ほぼ正方形のようだ。
 恵子が、闇学中の集会所として健に頼んで使わせてもらっているのだろう。


 自分は最初、漠然とこんな感じだと思っていた。
 6話で、恵子たちが店からこの部屋に入ってくるとき、ドアの向かって右側から歩いてきているので、自然にそう思ってしまうのだが、この8話では、いづみは部屋を出て行くとき、ドアの左側へ消えている。また、健がカウンター側から電話線を引っ張ってここまで来ている(とし思えない)こと、カウンターの奥に、1話でいづみが使った裏口があるのだとも考えられるから、


 こうではないかと修正した。

 ドアの位置は、部屋の左側でも成立すると思うが、間を取って、この位置にしてみた。この8話の最後、恵子といづみはこの裏口から部屋に入ってきたものと思われる。

 店の表側と、この部屋の位置関係についても、データが少な過ぎて特定は難しい。

 もっとも、実際に撮影に使われているバッファローの店舗の奥に、この部屋があるわけではないだろう。
 これは、十中八九、セットだと思う……が?
 閑話休題、如月家の広壮な屋敷の外観。中から、智子の弾くピアノの音が聞こえている。
 辻がやってきて、智子に一礼する。
 辻「お嬢様が街でご覧になったのは五条いづみ……」

 ピアノの音が止まる。
 辻「親衛隊の調べたところによりますと、街一番のワルとか」

 親衛隊と言うのは、智子のファンクラブのようなものだろう。
 しかし、「街一番のワル」と言うのは、いささか古い情報である。少なくとも、戻ってきてからのいづみは何も悪いことはしていないのだから。
 智子、立ち上がり、壁に掛けてあるエペを手にする。
 智子「いづみ……」
 辻は頷いて、果物カゴの中のりんごを智子に向かって投げる。

 長江英和氏は、「スケバン刑事」「スケバン刑事2」などにも出演している。
  
 智子が剣を振り回すと、りんごは見事に4つに切断される。
 これは、二人がいつもやっているお遊びのひとつだろう。
 智子「今年のパーティーは、楽しくなるわよ」
 さっきの電話は勿論、辻が依頼人としてかけたものだろう。
 いづみに成り済まして勝手に仕事を受けた恵子、待ち合わせのカフェに出向く。BGMとしてA-JARI「SILENT NIGHT」が流れている。
 辻「いづみさんですね?」
 辻「早速ですが……」
 辻は、大きな紙袋をテーブルの上に置く。
 中には、サンタクロースのかぶりものが入っていた。

 サングラスでバッチリ決めた恵子、物問いたげな視線を向ける。
 辻「お嬢様にクリスマスプレゼントを届けて欲しいのです」
 辻の後ろに、覗き込んでいる佐織の姿が見える。佐織がいる必要は全くないのだが……。

 ここも、運河沿いのカフェらしい。

 恵子「安い仕事はしないの、失礼」
 恵子、さっさと席を立とうとするが、
 辻「前渡しで5万円、仕事が終われば更に5万円」
 と言う言葉にすぐに戻ってくる恵子。ちょっとカッコ悪い。
 お金の入った封筒を渡され、思わずニンマリする恵子。
 辻「パーティー会場は、こちらです」
 辻は、地図を広げて示す。

 辻は、相手がいづみだと信じ込んでいるらしい。
  
 恵子「行くよ、1枚、2枚、3枚、4枚、5枚! キャーッ!」

 バーガー・インに戻った恵子、佐織や祥子たちと一緒に万札を数え、歓声を上げる。

 佐織「これで素敵なクリスマスが出来ますよね」
 恵子「うん」
 佐織「素敵なパーティーやれば、いづみさんも機嫌直してくれますよね!」
 恵子「あいつだって寂しいんだよ!」

 二人の言葉に、うんうんと頷く祥子たち。
  
 健「でもよ、たかが使いっ走りにしちゃあ、ちょっと良過ぎるよなぁ……10万っつうのは」
 そのマスクを被って、当然の疑問を呈する健。

 よほど長いこと被っていたのか、肌が弱いのか、顔が赤くなっている。
 恵子「でも世の中、お金余ってる人いるもん」
 反論して、健の投げたマスクを投げ返す恵子。

 この辺、全中裏の会長とは思えない人の良さだが、大金に目が眩んでいたのだろう。
 
 佐織「いづみさんに知らせてもいいですか、クリスマスパーティー」
 恵子「いいよ」
 佐織「キャッホーッ!」
 嬉しさのあまり飛び跳ねる佐織。とても可愛い。
 健は最後まで疑わしそうな顔付きだった。
 一方、自分の部屋に戻ってベッドに腰掛けているいづみ。
 いづみ「クリスマスか……」
  
 いづみ「メリークリスマス! 私ぜんっぜん気にしてないし、パーッとやろうパーッと!」
 突然、素っ頓狂な声を張り上げるいづみ。
 いづみ「チッ……わざとらしいかなぁ」
 どうやら、次に佐織たちと会った時の会話のシミュレーションをしているらしい。
 さっきは過剰に反応してしまったと反省している様子が窺える。
 その時、郵便受けに白い封筒が落とし込まれる。
 開いてみると、佐織からの女の子らしいクリスマスカードだった。

 佐織の声「いづみ先輩へ、今夕、バーガー・イン・SAKIにてクリスマスパーティーを大々的に開きます。是非いらして下さいね。佐織より」
 手紙を読んで、笑顔になるいづみ。
  
 すぐ窓に飛びついて、ブラインドを上げ、下を見る。と、モノレールの下を、走っていく恵子と佐織の姿が見えた。
 その後、もう一度手紙を見返して、嬉しくてしょうがないと言う顔をするいづみ。
 やはり、本音は佐織たちとクリスマスを祝いたかったのだろう。
 プレゼントを届ける途中に、いづみのところへ寄ったのだろう。
 次のシーンで、二人は如月邸の前にやってくる。
 恵子「うわー、でっかーい」
 佐織「ほんとー」
 恵子「とっとと片付けてきちゃうからね」
 佐織「はい」
 恵子「パーティーの準備もしなくっちゃ」
 恵子は佐織からプレゼントの入った袋とマスクを受け取り、マスクを被りながら、通用口から入って行く。
  
 邸内は真っ暗で、誰もいない。
 恵子「メリークリスマス! メリークリスマス! メリークリスマス! メリークリスマス……ざんす。誰もいませんか? いない、よね……間違っちゃったのかな?」
  
 降りてきた階段を戻ろうとする恵子、その時、強い照明が恵子を照らし、その足元にエペが投げられる。
 状況が理解できず、壁に背中をつけて警戒する恵子。
  
 智子「剣を取りなさい、いづみ」
 恵子「なんなの? 説明してよ!」

 恵子の言葉に、柱の陰からフェンシングの格好をした智子が現れる。
 恵子「冗談、よしてよ」
 智子「剣を取りなさい、いづみ、あなたなら出来る筈!」
 恵子「んっとにやんなっちゃうなぁもう」
  
 まともに相手にせず、さっさと帰ろうとする恵子。智子が後ろから近付いて、剣を動かす。
 恵子「ちょっと、やめてよ、もう、冗談でしょ? ね?」
  
 両手を上げて戦う意志のないことを示すが、智子は構わず突っ込んでくる。
 恵子「ああっ」
 階段の手摺から半身を出して、かわす恵子。そのまま手摺の上を転がって、
 下の踊り場まで降りる。
 智子「取りなさい、取りなさい剣を」
 恵子「やめてよね……」
 ここは、不自然にロングだし、二人とも仮面をつけているので、どちらもスタントかもしれない。少なくとも、智子はスタントだろう。土田由美さんは割と自分でアクションをこなすシーンが多いようだ。
  
 恵子、頭に来たのか、素手で智子に突進する。智子は悠々身をかわし、台座の上を飛んで恵子の前に着地する。
 恵子「やってやろうじゃない」
 闇学中の会長であり、かつてはいづみに喧嘩を売ったこともある恵子、そうつぶやくと、転がっていたエペを手にする。
  
 後に、マスプロ型バイオフィードバック戦士にまでなった恵子である、潜在的な戦闘能力は高い筈だが、ここでは慣れないフェンシングによる戦いを強いられ、苦戦する。
 智子の構えを真似て剣を構えるが、「あああっ」とずっこける。
 へっぴり腰で向かっていくが、またしてもかわされて、悲鳴を上げながら床を滑る始末。
 これは、スタントかなぁ?
 恵子「ちくしょう」
 なおも智子に立ち向かい、数回剣をまじえるが、あっさり剣を飛ばされてしまう。
  
 そのタイミングで、胸壁のところに何人もの仮装した男女が現れ、盛んに手を叩きながら、
 「ブラボーブラボー」
 「ナイス、智子様」
 「智子様、素敵ぃー」
 「さすが智子様、さいこーだぁー」
 「ファンタスティック!」
 口々に智子を讃える。彼らがいわゆる親衛隊なのだろう。
 辻「お見事です、智子様」
  
 智子「違います」
 辻「え」
 智子「私が見た少女は、この娘ではない!」
  
 智子、防具を脱ぐと、剣の先で恵子のマスクも引っ剥がす。
 智子「お前は?」
 恵子「闇の学生中央委員会会長、湯浅恵子」
 智子「闇学中、聞いたことがあります。ドブネズミたちの集団ね」
 恵子「なにぃ」
 智子「私は力なきものには興味がない」
  
 智子「17年間、私は勝つことに飽きてしまった。あの少女なら私のライバルと呼んでもいいと思ったのに」
 恵子「かっこつけないでよー」
 智子「本物のいづみは?」
 恵子「まぁ、それ知っても無駄だね、いづみはお嬢様のお遊びに付き合うような趣味はないと思うけど」
  
 睨み合う二人。
  
 ゆっくりと恵子に近付く智子。と、横から突然、白い煙が噴射される。
  
 恵子が出てくるのを待っていたのだろう、佐織が消火器をぶっ放したのだった。
 佐織「恵子さん!」
 恵子「ありがとう」
  
 辻「智子様!」
 横でおっとり見ていた女の子を押しのけて、智子のところへ向かう辻。
 佐織はなおも消火器を噴射しながら、恵子と一緒に逃げる。
 智子「暴走レインボーに連絡」
 暴走レインボー(と言ってるのかどうかはっきりしないが)も、親衛隊の一味なのだろう、すぐに出動して、恵子と佐織を追跡する。
 そんなことは知らないいづみ、意気込んでサキに来るが、店にはビリヤードマニアとして通っている石津だけがいた。
 石津「マスターはちょっとお出掛けだ。勝手にやってくれって伝言だった」

 石津がここの店でいづみに話しかけるのはこれが最初であり、そして最後になるのかな?
 石津「どうだ、ひと勝負やらんか? どうせ暇だろう」
 そして、ビリヤードをしないかと誘う積極的な石津。
 が、いづみは首を横に振ってあっさり断る。
 振られて、割と本気で寂しそうな石津さん。ひとりで黙々と球を打ち続ける。

 番組が打ち切りにならなければ、この後、石津といづみがビリヤードをするシーンが出てきたかも知れない。
  
 暴走レインボー、分かれて捜索していたが、駐車場で落ち合う。そしてもう一度探しに走り去った後、物陰から二人が出てくる。
  
 恵子「このままじゃ二人とも捕まっちゃうよ。分かれよう、佐織、あっち」
 佐織「でもぉ……」
 恵子「バーガー・インで落ち合おう。大丈夫だよ、みすみす捕まったりしないから。早く」
 渋る佐織の背中を押す恵子。
  
 佐織、駐車してあるトラックの間をトットットッと進むが、何を思ったか立ち止まって振り返り、
 「恵子さーん、恵子さーん!」と呼びかける。
 恵子が何事かと振り向くと、
 両手を広げて、「メリークリスマス!」

 管理人、最初は佐織の典型的なぶりっ子キャラが苦手だったが、5話や、この8話で、彼女に好感が持てるようになった。
 単なるぶりっ子の域を超えた、超マイペース、しかも並外れた行動力を持っている、魅力的な女の子に見えてきたのだ。
  
 恵子、何を考えてんのよと言う風に首を傾げ、「行きなさいよー」と、小声で言いながら、犬でも追い払うように手を動かす。
 それに対するこの表情がまたカワエエ……。
 遠ざかる佐織の背中を見ながら、「はぁーっ」と溜息をつく恵子。

 バーガー・インに場面が移る。
  
 佐織たちが用意したと思われるツリーの飾り付けを手にとって、嬉しそうにソファに座って眺めるいづみ。
 ここからまた、「ジングルベル」がBGMに使われている。
 藤原「ごめんよーっ、うっせえなぁ、今日はやけに、族の奴が騒ぎやがる、けぇーっ」
 そこへ、藤原がブツブツ言いながら入ってきて、コートを脱ぐ。

 藤原の言うとおり、店の外をバイクが騒々しく走り抜けていく。無論、恵子たちを捜索している暴走レインボーである。
  
 カウンターに勝手に入った藤原、いづみが座っているのに気付き、「わお」と一声。
 6話で、互いに親近感を抱いた二人だが、さすがにまだ世間話をするほど打ち解けてはいない。
 いづみは、冷めた表情で前を向いたまま、藤原を無視する。
 注意を向けるように、思い切りカウンターを両手で叩く。いづみは依然、無反応。
 藤原「くっ……」
  
 石津「奴らは族じゃあない、如月財閥の一人娘、智子の親衛隊だ」
 ひたすらビリヤードに打ち込んでいる石津が、藤原に背を向けたまま話しかける。
 無論、二人が口を交わすのはこれが初めてである。ついでに言えば、最初で最後……になるのかな?

 藤原「如月智子っちゃあ、可愛い子だ。その上、知恵、力、金、ハハッ、負けを知らないわがまま娘だ」
 勝手に食材を取り出して、自家製クラブハウスサンドのようなものを作る藤原。太字の台詞とあわせて、ハムや野菜などをパンの間に勢いよく放り込んでいる。
  
 それを一口頬張った後、再びバイクが走り抜けているのを見て、カウンターから出てくる。
 藤原「おー、騒々しいなっ、厄年、大殺界ど真ん中の刑事、舐めんなよ! おしっ、しょっぴいてやろう」

 久しぶりに出た藤原の口癖。後半になるとほとんど言わなくなると思うが。
 石津「刑事さん」
 藤原「なっ?」
 石津「無銭飲食ってのはまずいんじゃないかなぁ」
 藤原「えーっ?」
 石津に言われて、不服そうな顔になる藤原。石津としては、一応、健から店番を頼まれているのでそう言ったのだろう。
 藤原、いづみの方をちらっと見る。いづみも、見るともなくそちらを見る。
  
 藤原、ポケットからよれよれの1000円札を取り出した後、小銭がないか手を突っ込むが、ない。

 藤原「釣り、いらねえよ」
 と、石津の前でひらひらさせた後、台の上に放り投げる。
 このお札、藤原の貧乏臭さを演出する為にあえて皺くちゃにしているのだろうが、さすがに演出過剰。
 
 藤原「この野郎、暴走族!」
 言いながら店を出て行く藤原の言葉に、思わ吹き出すいづみ。

 表面的にはともかく、既に藤原に対する反感はだいぶ薄れているようだ。

 このシーンで健がいないのは、藤原と石津のこんなやりとりが欲しかったからだろう。
 実際、この会話シーンは全話を通しても、なかなか味わい深いシーンだ。
  
 引き続き、BGMは暢気だが、その頃、恵子は、レインボーに見付かり、懸命に逃走していた。
  
 佐織の方は無事に、サキに戻ってくる。
 佐織「楽しい楽しいクリスマス、イェーイ、ジングルベルジングルベル、鈴が鳴る……」

 佐織、店に入ってきて、いづみの姿を認める。
 佐織「いづみ先輩、恵子さんはー?」
 いづみ「来ないわよ」
 佐織「どうしよう、族に捕まっちゃったのかも……」
 いづみの言葉に、顔色を曇らせる。

 と言っても、恵子が戻ってないからと言って、そう判断するのは性急なんだけどね。
  
 いづみ「どういうこと?」
 佐織「恵子さん、いづみ先輩の名前で仕事受けたんです。それで、倉庫街で族に追われて……」

 かなり事情を端折って説明する佐織。もっとも、彼女にしても状況をちゃんと把握している訳ではないので、そのくらいのことしか言えないのだが。
 佐織の言葉に、ビリヤードをしていた石津がさりげなく視線を向ける。
 いづみ「あの、お節介!」
 サンタの人形を見詰めていたが、すぐにそれを佐織に渡し、店を出て行こうとする。
 佐織「いづみ先輩、私も行きます!」
 いづみ「ここにいて」
 佐織「でもぉ」
 いづみ「佐織ちゃんはクリスマス(の飾りつけ)ね」

 初期のいづみなら、はっきり「足手まといだわ」などと答えているところだが、ここでは佐織に配慮している。
 佐織が頷くのを見てから、いづみは店を後にする。
 佐織、素直にいづみの指示に従う。
  
 その恵子、三台のバイクに左右から迫られ、地面を転がって必死でかわしていた。
 ウィリー走行で向かってくるバイクを、
  
 体を回転させてかわす恵子。
  
 と、今度は反対側を、別のバイクが突き抜けていく。
 車輪越しに、恵子の顔が見えるのがリアルである。

 ここ、丹念に見たが、どうも全部土田由美さん本人が演じているようだ(一部、スタントが演じているかもしれない)。
 まぁ、技術的に難しいのはバイクを運転する方なので、度胸さえあればそれほど難しくはないだろうが、アクション俳優でもないのに、この体当たり演技は頭が下がる。しかも下はアスファルトである。
 左右から同時に迫られて、焦る恵子。
  
 恵子「あっ」
 ぎりぎりで飛びのいてかわすが、バランスを崩して、
  
 左側から突っ込んできた一台から、地面を這うようにして離れる。
 三台は、恵子を弄ぶように、ぐるぐると円を描いて走る。

 このシーン、何回見ても、土田由美さん本人が演じているとしか見えない。
 まぁ、そんなにスピードを出している訳じゃないのだが、見ていてハラハラしてしまう。
 もっとも、一番ハラハラしていたのは、パイクに乗っている三人だっただろうが。
  
 そして、正面から突っ込んできたバイクを、すれすれでよける。
  
 そのまま、建物に背中を押し付けて身構える。
 バイクに取り囲まれて、万事休す恵子。
 そこへ、辻の運転する車で、智子がやってくる。
  
 智子「やっぱりドブネズミね、あなたは」
 恵子「あんたにはいづみなんて勿体無い、ドブネズミの私で十分よ!」

 思わず、自分がドブネズミだと認めてしまった恵子さん。

 この場合、「あんただってドブネズミよ!」くらいのことを言わないと、
  
 続いての睨み合いには発展しないのではないだろうか?
 智子、微笑しつつ、「いづみに会うのが、楽しみだわ」
 その後、恵子を探すいづみが同じ場所へやってくる。既に、智子や恵子の姿はない。
  
 集荷場だと思うが、その隅にあるドラム缶の上に、例のサンタのマスクが置いてあった。横にはいづみ宛の手紙も。
 しかし、お世辞にも目立つとは言いがたく、いづみに見付けて貰えることを期待するのは虫が良過ぎる。

 実際は、ドラマなのですぐ発見してくれるけど。
 それに、いづみはそのマスクは見てない筈なんだけどね。
 一方、佐織はひとりでツリーの飾り付けを済ませていた。
 健や祥子たちの姿が見えないのは、恐らく、パーティー用の食材やグッズを買いに行っているのだろう。
 石津も、店にいない。考えたら、佐織はここでバイトしているのだから、石津がいなくても問題なかったのだろう。

 ここで、佐織が店の時計を振り仰いで、時計が大写しになる(2時半)が、それまでに時間については何も言及されていないので、このカットはいまいち意味が分からない。
 佐織「神様、どうか楽しいクリスマスが出来ますように……いづみ先輩と、ついでに恵子さん守って下さい!」

 真顔でこういうことが言えるのが、佐織の魅力である。
 しかし、「クリスマスが出来る」ってどういう意味だ?



アバン Aパート Bパート 予告

 今回、Aパートが異様に長く、Bパートはいきなり「エスケイプ!」が流れ出し、戦闘シーンへ続くようになっている。
  
 如月邸へ続く坂道をを疾走するいづみ、それを物陰から見ている石津。
 具体的に、どんなところなのかははっきりしない。
 恐らく、その後のいづみの戦いを、密かに監視していたのだろう……か?
 だが、その場合、11話でいづみのバイオフィードバックをその目で見ようとしたことと矛盾する気もする。
 門の前でグローブを嵌めて、気合を入れるいづみ。
  
 恵子、サンタの衣装のまま、大きなクリスマスツリーの根本に縛り付けられていた。
 いづみ「恵子!」
 智子「クリスマスツリーの由来は、殉教者の首吊りの木だそうですわ」
 智子「待っていたわ、私のライバル」
  
 辻「どうぞ」
 辻、笑みを浮かべていづみの為のフェンシングの装備一式を差し出す。
 いづみは、「ふざけないで」とでも言うように、ヘルメット(?)を払い落とす。
  
 が、辻は意味ありげに人質の恵子に目を向ける。いづみも恵子を見て、仕方なくお遊びに付き合って、着替えることにする。
 植え込みの陰で着替えているいづみを待つ智子。
 しかし、クリスマスに、屋外で着替えるのはかなり寒そうだ。
  
 ほどなく、きっちり防具をまとって現れたいづみ、辻が差し出したエペを、険しい表情を保ったまま手に取る。
  
 智子「あなたとなら、少しは戦えるかも」
 いづみ「どうかな、あなたの目は、本当に闘ったことのない人の目!」
 智子「私を御存知じゃないようね」
 智子が辻に目配せすると、序盤でやったように、辻がりんごを智子の前に放り投げる。
  
 智子が風を切って剣を振るうと、2話の恵子のカチューシャ投げの時と同じく、ブルースクリーンをバックに、そのりんごが4つに切断される。
 得意そうに微笑む智子と、満足げな辻。
 この辺で、「エスケイプ!」が一旦終わる。
  
 続いて、いづみに同じことを要求する辻。いづみが頷いたのを確認してから、りんごを投げる。
 いづみは、剣を操って、りんごの皮を綺麗に剥く。
  
 それを見て、智子、辻、そして恵子までも驚いて口を開く。

 これは、やっぱり、「快傑ズバット」の珍技対決を意識しているのかなぁ?
  
 いづみ、スタッフが剥いて投げてくれたりんごを、左手で受け止める。
 いづみ「戦いはサバイバル、退屈しのぎのゲームとは違うのよ!」
 いづみ、りんごを放り捨てる。食べ物は大切にね!
 智子「分かっているわ、そんなこと」
 先制攻撃を仕掛ける智子。ただし、これは二人ともスタントっぽい。
 なお、ここから、BGMとして、徒競走の定番曲「ウィリアム・テル序曲」がかかるのが、いまひとつ分からない選曲だ。
 3話の戦闘シーンに流れる「オクラホマミキサー」も意味不明の選曲だったが。
 序盤、一方的に責める智子。ここは、いづみが本人、智子は男性スタントが演じている。
  
 二人とも素人なので、剣をまじえるシーンは、女優のバストショットをカットバックして表現している。
  
 一応、女優によるアクションシーンもあるが、急にもっさりした動きになる。
 五十嵐いづみさんはアクションの素養があるが、森村聡美さん、いかにもトロそうだからなぁ……。

 智子、いづみに突っつかれて水路に落ちてしまう。
 早くも勝利の笑みを浮かべるいづみ。
  
 智子、水路から上がり、なおも戦いを挑む。
 考えたら、撮影は11月か12月だろうから、結構冷たかったのではないだろうか。
  
 智子、いづみと体を入れ替えて、その足を払うように剣を振るう。
 いづみ、空高くジャンプしてかわす。

 左は女優本人だが、右はスタントのようだ。
 着地したいづみを更に攻撃する智子だが、いづみにいなされてバランスを崩す。
 この辺で、いづみが攻勢に転ずる。左肩を剣先で衝かれて、あとじさる智子。
 智子の劣勢に辻が後ろでおろおろしている。
 智子、いづみに押されて、椅子に体をぶつけて倒れてしまう。
  
 地面に倒れてそのまま動かなくなる智子。これは、本人なのかスタントなのか、よく分からない。
 恵子「やったーっ!」
  
    
 智子「くすん、ああ〜ん、ふっううう」
 ゆっくりと顔を起こした智子、やがて顔をくしゃくしゃにして泣き出す。可愛い。
  
 辻「智子様!」
 辻の言葉に、鋭く振り向くいづみ。

 辻「智子様は私の生き甲斐、お前などとは違う世界のお方だ!」
 甲冑の剣を取り、叫ぶ辻。
 いづみ「分かったわ。あなたが彼女を作ったのね。プライドを守るだけの悲しい人間に!」

 最終兵器として「作られた」自分自身を、辻の操り人形のような智子に重ね合わせ、強い憤りを感じるいづみ。
 
 辻「智子様の名誉を守るのは、私の役目です!」

 猛然と襲い掛かる辻。さすがに体格差があって、いづみ、智子を相手にするような訳にはいかない。
 自分の剣を弾き飛ばされ、相手の剣を素手で掴む。
  
 辻がその手を振り解いた後、当然、いづみの掌も出血する。
  
 ここで、いづみの表情が変わる。
   
 石津の声「バイオフィードバック、戦う意志がお前を最終兵器に変える!」
   
 遂にバイオフィードバック発動。
 いつものように、カメラがいづみの右目、左目とアップにしていく。

 まぁ、今回は、覚醒しなくても辻を倒せていただろうが、自分の血を見て思わず発動してしまったのかもしれない。
 2話でも、恵子の攻撃で額から出血した後、発動していたからね。
  
 いづみ、辻の腹にエルボーを放つと、その剣を奪って、殴り飛ばす。
  
 そして、その剣をぐにゃりと曲げてしまう。
  
 その迫力に押され、恵子の縛られているツリーのところまであとずさる辻。
  
 いづみ、渾身の右ストレートを放つ。
  
 辻はかろうじてかわすが、いづみも、最初から幹を殴るつもりだったのかもしれない。
 バイオフィードバックを発動させたいづみが一般人を本気で殴ったら、死んでしまうだろうからね。

 カメラが引いて、依然、「うっうううう……」と泣きじゃくっている智子をフレームに入れる。
 辻はぺたっと座り込み、いづみは恵子を縛っているロープを解く。
  
 いづみ、無言で恵子の肩を抱いてその場を離れる。
 それとタイミングを合わせたように、ツリーが倒れる。既に気絶している辻の頭に、巨大なベルがスポッとはまって終了。

  
 再び、クリスマスソングが流れる中、タバコ屋の前に立った藤原の前に、いづみに支えられた恵子がよろよろと現れる。
 恵子「ごめんね……」

 しかし、佐織が時計を見たとき、まだ2時半だったのに、ここではすっかり夜になっている。
 恵子の歩くのが遅いにしても、如月邸から、バーガー・イン周辺まで、いくらなんでも時間がかかり過ぎだろう。

 これはまあ、最後のシーンにもっていくためには、夜じゃないと感じが出ないからだろう。
 藤原、硬貨を弾いて握りながら、
 「はぁー、ちっ、まぁいいか、クリスマス休戦だ」
 藤原、そのまま、二人に声をかけることもなく、踵を返して去って行く。
  
 恵子「ほんとはね、パーティーやりたかったの、私なんだ……初めて楽しくクリスマスパーティー出来る仲間が集まったような気がしてさ」
 いづみ「ほんと言うとね、私も!」

 飾り気はないけど、胸に沁みるやりとりである。
 この辺で、二人の友情関係が再確認された感じである。

 恵子「ふふ……佐織、待ってるかな?」
 いづみ、大きく頷く。二人は急ぎ足になってバーガー・インへ向かう。
 店の窓から、中を覗き込む二人。中は暗く、人の気配はない。
  
 入り口の方へ回ってみると、無情にもこんなプレートが……。
  
 さすがにがっくりする二人。顔を見合わせて、共に俯く。

 ケータイもなく、ポケベルも普及していない当時では、こうなってはもう手も足も出ない。
 普通なら、このままそれぞれの家へ帰るか、二人だけの寂しいクリスマスパーティーを何処かで開くかするところだが、
  
 何故か、次の場面では、裏口から例の部屋のドアを開いて入ってくる二人。
 恵子「健も佐織も、冷たいなぁ」
 いづみ「随分遅くなっちゃったからね」

 裏口にも鍵は掛けてあるはずだが、多分、恵子はその鍵を持っているのだろう。
 その時、暗闇の中で、白い光が明滅する。
  
 一拍置いて、部屋が明るくなり、二人の目に美しいツリーと、きらびやかな飾り付けが飛び込んでくる。
 二人が反応する前に、物陰に隠れていた恵子たちが出てきて、手に持ったクラッカーを鳴らす。
 恵子&いづみ「きゃーっ」
  
 続けて、佐織とアイ、健、マーコと祥子、それぞれがクラッカーを鳴らすカット。
 同時に、画面全体がソフトになる。
 状況を把握してなんともいえない笑顔になる恵子といづみ、頭上から紙テープが降ってくる。
 続いて佐織たちが前に出てくるのだが、その際、健がその長身可愛く躍らせてピョンッと飛び跳ねるのが印象的だ。この辺がモテるコツなのではないかと睨んでいるのだが。
 一同「イェーイ、メリークリスマス!」

 心温まるシーンであるが、健たち、二人がそのまま帰ってたらどうするつもりだったのだろう?
  
 佐織「わーい、騙されたーっ!」
 してやったりという顔で、二人を指差す佐織。可愛い……。この辺はもう演技と言うより、素で楽しんでいる感じだ。
  
 恵子「このーっ」
 恵子、笑いながら怒って見せる。いづみも、実に幸せそうな笑顔を見せる。
 ここは、くどくどとした説明はせず、クラッカーを鳴らし合って騒ぐ恵子たちの姿をスケッチ的に描くだけにとどめている。
  
 バックに「きよしこの夜」が厳かに流れる中、テーブルの上のささやかなケーキや、ツリーを見るいづみ。
 特にいづみは、この3年間、そういうものを目にする機会もなかっただろうから、感動もひとしおなのだろう。
  
 その後、いづみ、佐織にクラッカーを鳴らされ、自分もクラッカー戦争に加わって思いっきり楽しむのだった。
 対照的に、孤独が似合う石津は、いづみたちの楽しそうな声を小雪の舞う店の外で聞きながら、
 「メリークリスマス、いづみ」と、つぶやくのだった。

 ほんとは、仲間に入りたくて仕方がなかった様子。

 ただ、バーガー・インの奥から、ここまでは声が聞こえてこないだろうとは、思うけどね。
  
 「ねむりたもう、いとやすく〜」と、澄んだ歌声が夜空に昇って行く中、コートの襟を立て、ゆっくり歩き出す石津を映しつつ、「つづく」のだった。

 6話に続き、「謎の組織」とは関係のないストーリーだが、見せ場たっぷりの佳作であった。
 1年間続いていたら、こういう面白いエピソードがもっともっと楽しめた筈なのだが……。残念。



アバン Aパート Bパート 予告

 次回はA-JARIがゲストで、彼らのプロモみたいな話なので、予告の音楽も、「JUST FOR LOVE」の2番の歌詞から入る。
 ボーカルの本田さん。

 佐織「きゃーっ、A-JARI、カッコイイ」
 恵子「ったく、ほんとにガキなんだからぁ」
 佐織「ふんっ、ガキでいいもん。A-JARIに会えるなんてうれピー」
 恵子「うるさいな、チビジャリ」

 ナレーションは、いつもの恵子と佐織の掛け合いだが、
 本田「ああーっもう、ごめんなさい、すいません!」
 最後に、本田さんの台詞が聞こえるのが特徴的である。

 これは、本編では出てこない台詞(とシーン)である。
 また、予告ナレーションで、いづみ、恵子、佐織、健以外の声が聞こえるのは、実はこのシーンだけだったりする。