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第4話

おかしな2人、潜入 NEXT 目次へ
監督 前嶋守男 脚本 我妻正義
アバン Aパート Bパート 予告

 4話と5話は二つで一つのエピソードを構成している。本来なら最終エピソードになる筈だった12話と13話も同様である。

 冒頭、昼休みだろうが、学校の屋上で恵子たち4人がフェンスに身をもたせて中庭を見下ろしている後ろ姿から入る。BGMは、「IZUMI ROMANTIC VERSION」である。
  
  
 で、いきなり若い女の子たちがそれぞれ違うスイーツを食べている口の大接写となる。
 毛穴や肌の小さなホクロまで克明に見えてしまう、ある意味、女の子にとって最も見られたくない恥ずかしい、ヒワイな映像ではないだろうか。さすがにこれはあまりにフェチ過ぎて、管理人も引いてしまった。

 ちなみに左上から、祥子(ワッフル?)、マーコ(ハンバーガー?)、アイ(大福)、恵子(焼き芋)となる。
 恵子の口元からカメラが引いて、やっと正視に堪える映像になる。
 ちなみに恵子が食べている焼き芋、撮影現場のスチールでは、五十嵐いづみさんを含め他の女優さんたちも一緒に食べたようだ。
 アイ「あーっ、あいつってば、普通の高校生してる」
 急に素っ頓狂な声を上げるアイ。彼らの視界には、棒で引いた即席のコートの中で昔懐かしいドッジボールに興じているいづみたちの様子があった。ちょっと目立たないが、隣には佐織の姿もある。

 マーコの声「ほんとっ、謎の過去、追われる身、伝説のアイスドールでしょー。もっとマインドに拘って欲しいわね」
 この台詞、喋っているところが見えないので、正確に誰がどの台詞を言っているのか、はっきりしない。まあ、言ってる内容が分かりさえすれば支障はない。
 祥子「そうよそうよ、電信柱の後ろを歩くとか、校舎の裏で一人石を蹴るとか、いくらでもあるじゃないの。恵子ー、ほっといていいのあれ?」
 身振り手振りを交えて話す祥子。しかし、「石を蹴る」はともかく、「電信柱の後ろを歩く」と言うのはいまいち意味が分からない。また、前回まで祥子は恵子のことを「会長」「恵子さん」などと敬語に近い話し方をしていたが、ここではタメ口になっている。

 恵子は直接それには応じず、
 「今夜闇学中の幹部を集合させて、ちょっと思い出したの、あいつの過去を知る手掛かりをね」
  
 もう一度いづみの姿を見詰め、(あいつに惚れたわけじゃない、あいつを憎んでいるわけでもない、でもあいつとわたしは、バランスの崩れた平行線、いつかどこかで必ずぶつかる……)と、心の中でつぶやく。

 ほんっっっとにどうでもいいことだが、左上の画像の右端に一瞬見えるエキストラの女の子がちょっと可愛い。
  
 ここで一転、パソコンのモニター画面に切り替わり、文字や画像が打ち込まれると同時に、石津の声が話し始める。

 モニターは全て英文だが、適宜、日本語訳がテロップとなって表示される。
 「最重要機密事項」「プロジェクト1」「バイオ・フィーバドック」「仮称 イ・ヅ・ミ・プロジェクト」

 石津の声「バイオフィードバックプロジェクト、それは超兵士製造計画を言う」

 最初に打ち込まれるThe Top Secret……はちゃんと本文になっているのだが、部分的にどう見ても表示の為のプログラムコードにしか見えない文字が混じっている。Start up the logo editor……とかね。当時のパソコン環境としてはこれでもかなり手間がかかっただろう。
 しかし、計画自体の名前が、略称「I・Z・M」で「いづみ」になると言うのは、ちょっと無理がある。略称が偶然「いづみ」と読めるにしても、その略称の内容が全然分からないので説得力がない。唯一の成功例である五条いづみから取ったとしても、計画自体はいづみが実験台にされるずっと前から行われていたので矛盾する。
 
 ま、それはともかく、ついで人間の大脳(The Cerebrum)などのCGが表示される。上下の英文は、これまた表示プログラムコードである。
 石津の声「大脳、人間の機能を司る。その働きの全てを明らかにした者は、まだ誰もいない」
  
 石津の声「大脳、前頭葉部、そこには普段の意識状態とは異なる、変性意識があると言う。訓練された優秀な人材から、眠っている変性意識が引き出された時」
 続いて、更に込み入ったCGが表示される。当時としては、割とバカにならないお金がかかったのではないだろうか。
 ニューロンの画像の上を、バイオグラフのような波形がCGで描かれる。
 石津の声「人はその能力を超えたパワーを発揮する。バイオフィードバックとは、変性意識に直接働きかけ、その秘められた運動能力を極限まで引き出す」
 と言うことなのだが、そもそも「変性意識」って何? と言う本質的な疑問については一切説明されないので、石津の物々しい説明を聞いてもさっぱり要領を得ない。ドラマとしては、いづみが急に強くなる「バイオフィードバック」について、ある程度科学的裏付けがあると言う雰囲気を出したかったのだろうが、あまり成功しているとは言い難い。
 石津の声「超兵士製造プロジェクトなのだ」

 同僚の声「で、その右側の少年キャプテンの漫画みたいなキャラはなんなの?」
 と言うようなツッコミを入れたくなる画像。実際、少年キャプテン系の漫画家が描いてたりして。
 ここでやっと石津の姿が見える。1話に出てきた同僚たちの前で「バイオフィードバック」について説明しているところらしい。ただ、1話の感じでは彼らもプロジェクトの一員みたいだったので、今更そんな基本的なことをプレゼンする必要はなさそうだが。

 石津「近い将来、戦争の最終兵器とは、人間自身だ!」

 断言する石津。……そうかなぁ?
 これが、空を飛んだりビームを放ったり、SF的な超能力者だったらまだ分かるんだけどね。
 それはともかく、今回はここで早くもオープニングになる。



アバン Aパート Bパート 予告

 引き続き、石津たちの会議の様子。
  
 1話と同様、石津と4人の同僚がドーナツ型のテーブルを囲んでいる。
 石津「我々の秘密情報機関によって全国の中学、高校、大学、それらの学生たちを極秘にテスト、調査し、その潜在能力を徹底的に調べ上げた。そして選び抜かれ、訓練された数人の一人、コードネーム『いづみ』、彼女の能力ははかり知れん」

 石津の後ろのモニターには、1話や2話のいづみの戦闘シーンが表示されている。3話がないのは、まだ映像が用意できなかったからだろう。
  
 同僚「しかし脱走した以上、いづみはいつか必ず我々に牙を向いている。危険だ!」
 石津「いづみが我々を追及し得る手掛かりは一切消し去る」
 石津、立ち上がり、同僚たちの後ろを歩きながら話し続ける。
 石津「どうして彼女だけが成功したのか、その原因を更にテストするしかないだろう
 テーブルにドンと手を付いて、
 石津「全てはそれからでも遅くはないだろう

 1話に続き、石津の必殺「ないだろう」説得術が炸裂する。これは自分の主観的要望をあたかも客観的事実のように装って話すものである。しかし、結構効き目があるのか、こんな感じで最初に出された抹殺指令はうやむやにされ、中盤は石津が思い通りにいづみに対する処置を取れるようになる。
 さて、舞台変わって、バーガー・イン・サキの前。いかにも不良っぽい車やバイクが続々と店の前に集まってくる。
 店内には、ビリヤード台を占領しているおしゃれな中年がいた。言わずと知れた石津である。彼は10話までかなり頻繁にこのビリヤードマニアのキャラでサキに現れ、密かにいづみたちの動向を観察することになる。ちなみに常にひとりで遊んでいて、8話でいづみを誘うが断られると言う悲しいプレーヤーである。ひとりでやってて面白いのだろうか?
 カウンターには佐織の姿があった。
 健「お前よー、何もここでバイト始めることねえじゃんかよー」
 佐織「あたしだって仲間じゃん。みんなといたいもん」
  
 ドアが開く音に、
 佐織「へい、らっしゃい!」
 と、可愛らしく応じる。

 佐織役の桂川昌美さん、最初はキャラが定まっておらず地味な感じだったが、この辺からかなりユニークなキャラとして存在感を示すようになる。
 入ってきた若者は、カウンターにちょっと頭を下げてから、向かって左側の通路へ消えて行く。推測だが、その通路を進んだ左側に恵子たちが闇学中の集会場(と言うよりは彼らの遊び場)として使っている部屋があるらしい。
 健「はっ、あれも客じゃねえよ。闇学中、隣組幹部会」
 新入りの佐織に説明する健。健は闇学中、と言うより恵子と親しいのでその辺のことには詳しいが、彼自身が闇学中のメンバーと言うわけではない。ただ、恵子が奥の部屋を自由に使っていることから、劇中には一度も出てこないサキのオーナーが闇学中のメンバーあるいはシンパなのかもしれない。
 佐織「ジジくさーっ」
 顔をしかめて感想を述べる佐織。
 健「とにかく、ここでバイトすんのだけはやめてくんない? 俺の食い扶持が減るんだよ」
 健のこの台詞で、健は単なる雇われマスターに過ぎないことが分かる。
 佐織「ポケットで稼げばいいじゃん」
 佐織は、ビリヤード台と石津の方を見ながら言う。ポケットと言うのは、ポケット・ビリヤードのことで、要するに我々(誰?)が一般的にイメージするビリヤードのことである。つまり、賭けビリヤードをしろと言うことである。
  
 二人はひとりで玉を突いている石津を見る。
 健「あの人はダメだな」
 佐織「なんでー?」
 健「何処の誰だかわかんねえんだけどよー、やったらつええんだよ」
 佐織「ふぅーん」
 健「あ、そうだ、お前あのいづみって子にここに来たら何でもご馳走するからって言ったんだって?」
 佐織「うん! いづみさん早く来ないかなぁ」
 健は「いづみって子」と、やや他人行儀の表現をしている。だが、3話の健と佐織のやりとりからして、いづみも佐織もちょくちょくこの店を訪れ、何度も顔を合わしている間柄だと思うので、ちょっと違和感を覚える。

 ちなみに健がそれを聞いたのは恵子からだろう。佐織がそのことを吹聴し、恵子が聞いて健に話す、と言う感じだろうか。
 健、指で佐織の額を小突いて、
 健「バイト初日でお前ってどういう料簡なんだよー?」
  
 佐織「ホワット料簡? 私の頭はピーマンでぇす」
 佐織、ふざけた調子で用意していたピーマンを出して見せる。
 これは、当時のCMとかのパロディだろうか? あるいは佐織のオリジナルギャグだろうか?
 どっちにしろ、健、言うべき言葉もなく、ピーマンを受け取り、グラスを拭いていた布を叩き付け、向こうへ行ってしまう。
 ここでは、ほぼ対等の勝負(?)なのだが、短い間でたちまち佐織に主導権を握られたか、4話の後半から5話にかけて、健は佐織に一方的にやり込められている。
  
 さて、奥の部屋に闇学中の幹部が揃ったところで、会長の恵子がやってくる。
 幹部たちの前にあらかじめ祥子たち三人が立っていて、恵子は三人の前に移動する。
  
 恵子がパチンと指を鳴らすと、スポットライトが恵子の姿を照らす。
 腰に手を当てた恵子、開口一番「今夜はみんな集まってくれてありがとう」

 思わず「いえいえ、どう致しまして」と応じてしまいたくなる間の抜けた台詞である。一応、不良の元締め・闇学中の恵子なんだから、もうちょっと他に言いようがあると思うのだが。「みんな揃ったわね?」とかでも良い。
 部屋には、6、7人の高校生とおぼしき男子が集まっていた。彼らが闇学中の幹部なのだろう。ただ、闇学中については、あまりにデータが乏しいので、その設立経緯、規模、命令系統などについて推定できることがほとんどない。考えたら、恵子以外の幹部が登場するのは全話を通してこのシーンだけなんだよね。

 それにしても、石津たちといい、暗いところで話し合うのが好きなドラマだ。

 恵子「用件は分かってるわね?」
 幹部A「死んだ神谷俊次のこと」
 恵子「話して、彼のことを」
 幹部B「闇学中の仲間でありながら中学の時からスポーツ万能、100メートルスプリンターとして神谷俊次は未公認ながら10秒0の記録を持ち、日本人としては初めて10秒の壁をやれると脚光を浴びていました」
 ひとりだけ棚にもたれて立っている幹部が早口で説明する。「壁」に発音が引き摺られたのか、次の「破れる」が「やべれる」に聞こえる。

 しかし、これはあくまで3年前の話である。3年前なら恵子は14才の中学2年。1話の祥子の台詞から、闇学中を創設したのは恵子自身らしいのだが、さすがに14才の女の子が近隣の不良たちを束ねてそのトップに立てるだろうか? 祥子の台詞と矛盾するが、創設者は別にいて、恵子は第何代目かの会長と言うほうが自然の気がする。
  
 恵子「私の聞きたいのはその先よ」
 幹部C「噂では、チンピラ相手の喧嘩で殺されたと……しかし、今も死体は発見されていません」
 画面左のC(便宜上の命名である)の人は、後に14話で恵子たちと試合をした野球チームのピッチャーに似ているのだが。

 恵子「私の聞いた話じゃ、最後の喧嘩の相手はチンピラじゃないってことだけど」
 幹部D「相手がコンバットブーツを履いていたって噂だけど」
 恵子「コンバッドブーツ?」
 幹部D「はい、服の下は兵隊のようだったと」

 恵子、再び指を鳴らすと、スポットライトが消える。
 「みんな今夜はありがとう」

 しかし、わざわざ幹部を集めて話を聞いたにしては、恵子が新たに知りえた情報は最後のコンバットブーツ〜兵隊のくだりだけであった。ただ、神谷俊次といづみが行方不明になった状況とが、かなり似ていることは確かめられた。いづみにしても、つい最近まで死んだと思われていたんだしね。
 と、そのいづみがサキに顔を見せる。たちまちテンションが上がる佐織。
 「うわーいづみさん来てくれたのーうれしーい、あたしバイトした甲斐あるな、もうどんどん食べちゃってあたし一杯もう奢るから、ね、こんなつまんない店で悪いけどなんにする?」
 カウンターに手当たり次第にパン、レタス、缶詰などを並べてましくたてる。

 いづみ「それじゃあ……」
 佐織「なになに?」
 いづみ「水を頂くわ!」

 佐織「えっ……?」
 健「ふははははっ」
 いづみの答えに思わず吹き出す健。
 佐織「なによーっ」
 健「オッケイ、ちょっと待って」
 と、奥の通路からカーテンをくぐって恵子が出てくる。
  
 恵子はいづみの姿を見て、ゆっくりとその横に腰掛ける。祥子たちも二人の背後に立つ。ちょっと分かりにくいが、4人の後から闇学中の幹部たちが出てくる姿が見える。

 恵子「3年間あんた何してたの?」
 いづみ「あなたには関係のないことだわ」
 恵子「クールに決めたくってその実大した過去じゃない、だから恥ずかしくて言えないのと違う? あたしはねえ、はっきりさせたいのよ。健だって佐織だってそう、みんなあんたの過去を知りたがってる。そうでしょう?」
 恵子に聞かれ、
 佐織「そりゃあそうだけど……」
 消極的ながら同意する佐織。
  
 気分を害したのか、いづみ、「帰るわ!」と席を立とうとする。
 恵子「待ちなよ!」
 恵子が呼び止め、いづみとしばらく睨み合う。背後では、ひたすら黙々と石津が玉を突いている。
 いづみ、そのまま歩き出す。と、恵子はカウンターの上のオレンジ(?)を掴み、
 恵子「いづみ!」
  
 いきなり彼女の後頭部目掛けて投げる。だが、いづみは頭を左側に傾けてかわす。
 そしてオレンジは、ビリヤード台に腰をかけて今まさに玉を突こうとしていた石津の頭に命中する。
  
 石津は虚ろな目をして、無言でそのままひっくり返って床に落ちる。これは結構危ないアクションではないかと思うが、渡辺裕之氏本人が演じている。
 ただ、この図解(?)を見ると分かるように、恵子がいづみに向かって投げたものが、石津に当たるとはちょっと考えにくい。狙いが完全に外れたのならともかく、いづみの頭があった空間を正確に抜いているのだから、その軌道が石津の位置まで反れるとは思えない。いづみは出口、つまり向かって右側に移動している筈だから、尚更である。

 それはさておき。
  
 いづみも驚きの顔を見せ、恵子も思わず「あっ」と言う声にならない悲鳴を上げる。
 健「さぁすがっ、相手は違ってたけど狙いはバッチリだな」

 いや、従業員のお前がそんな暢気なこと言ってる場合じゃないだろ。
  
 石津、帽子を掴み、無言でよろよろと立ち上がる。
 健「あの人怒ってんなぁ、相当深く!」
 佐織「うん、メラメラグサッて感じ」←どんな感じだよ

 ここでも二人は他人事のような顔をしている。
 石津、オレンジを手にゆっくり恵子に近付く。いづみは擦れ違う際、軽く頭を下げてからそそくさと店を出て行く。
  
 石津、無言で恵子を睨む。恵子、「す、すいません、お怪我ありませんでしたか」と愛想笑いを浮かべる。
 石津、オレンジを握り直す。思わずビクッと身を竦める恵子。可愛い……。

 しかし、とても闇学中の会長とは思えぬしおらしさだ。
 厳しい顔を作っていた石津、やがて表情を緩め、「気をつけような」と一言。
 恵子が頭を下げると、石津はオレンジを差し出す。
  
 それを受け取ってから、
 恵子「すいません……」
 もう一度謝り、つまらないことで叱られちゃったなぁと言う顔で俯く。可愛い……。

 しかしこのシーン、意味もなく間があって、見ていて気になった。オレンジをぶつけられて怒って注意する、ただそれだけなのに、なんでこんなに意味ありげに描かねばならないのか?
 ここは、二つの別のプランがあったと思う。

 ひとつは、石津がオレンジをよけるか、キューで払う。つまり、咄嗟にその身体能力の高さを見せてしまう訳だ。それを見て、いづみが訝しい顔になる。
 もうひとつは、オレンジが当たり、一瞬の間(恵子たちの緊張)を置いてから、「うひゃあ、いったいなぁもう」などと、外見とは異なるおちゃらけた感じで大袈裟に痛がって見せる。

 どちらでもいいが、そう言う捻りがないのなら、オレンジが石津に当たる一連のシーン自体、要らないと思うのだ。時間が勿体無い。
  
 いづみ、倉庫街のビルの仮住まいで、恵子から贈られたセーラー服を見ている。
 いづみ(明日、一日だけ……)

 ここで、まだ序盤だけど「エスケイプ!」のイントロが流れ出し、その後の数シーンはそれをバックにイメージ的な学園スケッチとなる。
 この時点で、いづみは脱出した施設へ戻って敵の正体を見極めようと考えていたのだろう。だからその前に「一日だけ」普通の女子高生として……、あれ、よく考えたら冒頭のシーンで既に普通の女子高生やってたような気も……。ま、「最後に明日一日だけ」と言うことだろうか?
 で、まずは世界史(政経?)の授業風景。
 ちなみにここに映っている教師、実は唯一ドラマに登場する晴海学園の教師なのだ。
 授業風景にしても、この一連のスケッチだけだ(7話の日曜学校は別にして)。セーラー服を着た女子高生が主役のドラマとしては異例のことだが、もともとこのドラマ、学園を舞台に描く設定ではなかったので、当然かもしれない。
 で、「明日一日だけ」とか言いながら、1時限目から爆睡しているいづみ。
  
 恵子、紙を丸めていづみにぶつけてから、ノートに「眠るナ」と書いて見せる。
 いづみも、スケッチブックのようなものに上記のようなことを書いて返事する。しかし、これま今ひとつピンと来ない返しだ。
 それを見て口を強く結ぶ恵子。可愛い……。しつこいですか?
 なお、二人だけじゃなく、祥子たち三人も同じクラスである。
  
 次は生物の時間。ここは前回も出てきた実験室か? それぞれ白衣を来て、顕微鏡で何か観察している。
 背後でなにやらわるだくみをしていた恵子と祥子、笑いを堪えながら二人に近付く。恵子がいづみに話してかけている隙に、祥子がアイの覗いていた顕微鏡の接眼レンズにマジックを塗る。
 ただし、顕微鏡は借り物なので、実際に書く訳には行かず、よく見るとレンズと祥子のマジックは少し距離が開いている。
 その後、祥子が「早く早く」と手振りでアイを促す。アイは言われるまま、いづみにその顕微鏡を見るよう仕向ける。
  
 何も気付かず、顕微鏡を覗くいづみ。一旦顔を離してから、
 しっかりと接眼レンズに目を押し当てる。
 いづみが見ているものもきっちり映る。これは何かプランクトンだろうか? いかにも授業で見てそうなリアルな検体である。
 顔を起こしたいづみを見て、一斉に笑う恵子たち。
  
 恵子の突き出した手鏡を見て、彼らのいたずらを知り、「ああーっ」と声を上げる。かなり間の抜けた顔だが、可愛い。
  
 次は美術、みんなで彫像をデッサンしている。
 席を離れたマーコが、パンを齧りながらいづみの絵を覗いて、笑い出す。と、何事かと祥子たちも覗き込んで一様に笑う。

 ちなみに彼らが食べているパンは、チョークを消す為に支給されたもので、別に彼らのおやつではない。
    
 その騒ぎに、恵子も後ろに来ていづみの絵を見て笑う。遂には他の生徒たちも集まってきて、笑いまくる。
 いづみも気になって鼻を触りながら後ろを振り返る。
  
 恵子たちは最初はその絵を見て笑っていたのだが、いづみの鼻の頭が黒くなっているのを見て、それでまだ笑いの発作を起こしていた。
 ちなみに、恵子の絵だが、施設での石津を思わせるような顔だった。しかし、そんなに受けるような絵でもないと思うが……。それに、肝心の絵も、いづみの手が邪魔でよく見えないのである……。
  
 最後は、放課後だと思うが、いづみ、ひとりで教室に残っている。
 いづみ「出席番号22番、五条いづみさん!」
 教師のような声色で、出席を取り、立ち上がってから、
 いづみ「はいっ」
 と、飛び切りの笑顔で答える。この時点では、もう学校に戻るつもりはなかったので、学校の雰囲気に存分に浸っておきたかったのだろう。そう考えると、いじらしくて涙が出てくる。
  
 ここで、外に立っていた恵子が「31番、湯浅恵子……はいっ」と真似をするのがとても好きなシーンだ。
 恵子、ポニーテールの頭を振って、「なんだ、あいつ?」
  
 その後、下校時の下駄箱の様子。
 いづみが、古めかしい木製の下駄箱を開けると、手紙が落ちる。佐織からの「ラブレター」であった。
 いかにも桂川昌美さん本人が書いたような女の子文字だが、実際に誰が書いたのかは知らない。
  
 それを見て笑顔になるいづみ。つい一日出発を延ばしたくなる文面だったが、
 いづみ(さようなら学校、あたしはもうここへ戻ってくることはない)

 いづみの決心は変わらず、心の中で短い高校生活に別れを告げる。
 もっとも、実際は引き続き高校生をやることになるのは周知のとおり。ただ、6話以降、晴海学園が舞台になることはないので、違う意味でいづみの予言は当たっていることになる。
 しかし、その帰り道、恵子が雑草の生えた道でいづみを待っていた。カバンを電信柱に引っ掛けて。
  
 恵子「昨日の話は終わってないわ。あたしの仲間だった人にあなたと同じ運命を辿った人がいる」
 いづみは恵子を無視してさっさと歩いて行こうとしたが、恵子の言葉につい立ち止まる。
 恵子「その人の名は、神谷俊次!」
  
 いづみ、その名を聞いて顔色が変わる。
 恵子「知ってるのね?」
 いづみ「知らないわ!」
 強い口調で否定するいづみだが、それだと「知ってるわ」と言ってるのと同じである。

 恵子「何で隠すの? 話してあなたの過去を……あたしも神谷俊次のことを知っている。あなたのひとりで重荷を背負ってるみたいな顔、許せない。話してよ!」
 いづみ「あなたが関わることじゃない。あたしの過去にあなたが拘ることはないわ!」
 ここで、シリーズでも屈指の珍台詞が恵子の口から飛び出す。
 恵子「あたしにだって、どうして拘るのか分からない。でも分からないから拘るのよ!」
 いづみ(…………?)
 どう応じていいのか分からず、しばらく固まるいづみ。
 恵子は恵子で、(あれ、あたし今変なこと言った?)と言うような顔をする。

 ここは平凡でも、「〜分からない。でもあなたのことが何故だか気になるのよ!」くらいでいいんじゃないだろうか。
 そもそも、いづみの言ってることが明らかに正論なんだから、どう応じても恵子の負けなんだけどね。
  
 恵子の言葉をどう理解したのか、いづみ、急に恵子に体を寄せる。思わずあとずさる恵子。
 しばらく凄い目付きで睨んでいたが、ふっと笑顔になり、
 「学校に来させてくれて、ありがとう」と、礼を言う。

 いづみの予定としては、これっきり彼らと会わないつもりだったので、この機会に言っておきたかったのだろうか?
 そのまま立ち去っていくいづみの背中に叫ぶ。
 恵子「ただ逃げ回ってるだけでいいの? 自分だけ助かればそれでいいの?」
 恵子「今を生きるのに、過去なんて要らないわ!」

 恵子さん、過去に拘るのか、不要なのか、結局どっちなの?
  
 恵子の叫びを背に、いづみは無言で歩いて行く。見送る恵子の後ろに、ストーカーのような藤原の姿があった。
  
 ここから、いづみの心情をイメージ的に描く。BGMは「LONELY IZUMI」。
 いづみは仮宿にしているビルの屋上(?)に腰掛け、物思いに沈む。
  
 久しぶりの逆回転時計が登場。しかしこの時計、映像では6時→5時→4時と短針も逆に回るので、正確に何時を差しているのかさっぱり分からない。
  
 深夜になっても、いづみは眠ろうとせず、壁に背中を付けて恵子のさっきの言葉、「ただ逃げ回ってるだけでいいの? 自分だけ助かればそれでいいの?」を反芻する。
 夜明かしするつもりなのか、お湯を沸かし、コーヒーを飲む。
 その後も部屋の中をうろうろと歩き回る。
  
 ようやく決心がついたのか、壁に掛けてあったセーラー服をまた箱にたたんでしまい、フライトジャケットを着る。
 いづみ(もう一度逃げてきたあの場所へ戻るしか手掛かりは掴めない敵はあそこにいるのだから。あそこに戻って戦いを挑む以外、生き延びる道はない)
 こうしていづみ、1話で脱出したあの施設へ戻ることになる。
  
 その頃、恵子もいづみに付き合って(?)サキで夜明かしをしていた。いづみを見張っていたのだろう、祥子が息せき切って入ってくる。
 祥子「会長ーっ! いづみが動き出しました!」
 恵子の物好きに付き合わされて、祥子も大変である。
 恵子「そうこなくっちゃ!」
 グラスの飲み物を飲み干し、
 恵子「あれだけ言われて動き出さなかったら、伝説が泣くってもんよ!」
 恵子は勢い良く店を飛び出して行く。祥子も後に続く。
 カウンターには健だけでなく、佐織の姿もあった。二人も恵子に付き合って徹夜したらしい。しかし、健はともかく佐織は家に帰らなくて良いのかよ? このドラマ、極端に「家族」と言うものが出て来ず、レギュラーの少年少女たちの家庭については全くと言っていいほど言及されない。せいぜい、いづみの亡くなった両親について何度か語られる程度だ。

 佐織「ねえ、なんだか分かんないけど、あたしたちも行こうよ」
 健「あ、俺、今日休校する」
 この健の台詞、健も一応学生だということが分かる貴重な情報なのだが、これだけでは高校生なのか大学生なのかはっきりしない。ただ、酒も扱っている店のマスターを未成年者がやるとは考えにくいので、やはり大学生なのだろう。
 カウンターに顔を伏せて眠ろうとする健。
 佐織はなおも、「ねー、行こうよー」と呼びかける。
 もっとも、行動派の佐織としては、別に健と一緒じゃないといけない理由はないので、健などほっといてすぐ恵子の後を追うのが自然だったろう。
  
 いづみは、まだ夜も明けきらないうちに出発していた。(眠気覚ましの?)レモンを齧った後、珍しく悪戯っぽい笑みを浮かべる。
  
 東大寺と共にビルの前で張り込みをしていた藤原、いづみの姿をバックミラにー見付けて、「え、お、起きろ大卒」と、運転席で眠っていた東大寺に声をかける。
 藤原「起きろ大卒、はいエンジーン!」
 東大寺「はい」
 東大寺は眠そうな顔でキーを回すが、何故かエンジンが掛からない。
 藤原「何やってんだよ、早く出せ」
 東大寺「おかしいな……」
 しかし、プスンプスンと変な音がするばかり。
 藤原「なにやってんだよ、バカヤロー、早く出せよ大卒! このヤロー、1時間休めっちゃ5時間寝る。車出せっつったらエンストかー?」
 東大寺「ちょっと待って下さいね」
 藤原の声「何がちょっと待って下さいだ、この野郎!」
 藤原たちの狼狽を聞きながら、悠々と歩いていくいづみ。
 藤原の声「てめえ大卒だろこの野郎!」
 やたらと「大卒」を口にする藤原、6話でも分かるように、学歴コンプレックスがひどいようだ。
 で、エンストの理由はマフラーに突っ込まれたレモンであった。小学生みたいな悪戯はやめましょうね。
 藤原の声「早くしろ!」
 レモンのアップで、CMへ。



アバン Aパート Bパート 予告
 
    
 CM明け、キーボードを叩く男の手が映し出され、モニターにこういう文字が表示される。右側の中央には、赤い字で見えにくいが「All Unit STAND BY」と言う文字が点滅している。

 男(コンピューター?)の声「緊急指令発動、緊急指令発動……」
 オペレーターの背後には石津の姿。
 いづみの接近を受けての対応だが、そのいづみはまだ船の上である。ちょっとこのシーンは早過ぎる気もする。
 なお、石津はいづみの向かっている島にいるわけではなく、ベイエリアの施設から指示を出しているものと思われる。
 そのいづみ、例によって具体的な説明はないまま、小さな船に乗っている。
  
 そのいづみの前に、スッと立ったのは、無論、恵子。
 恵子「犯罪者は元いた場所へ戻る。脱走者は逃げて来たところへ戻る」

 警句じみたことを言う恵子だが、この場合、「犯罪者は犯行現場へ戻る」が適切だろう。
 また、この登場の仕方からして、いづみに隠れて乗船したらしいのだが、他に客もいないこんな小さなタグボート(?)に、いづみに気付かれずに乗り込むのはほとんど不可能だろう。
  
 恵子「なーんちゃってね! 図星。悪いけどあんたにつき合わせてもらうわ。あんたは神谷俊次のことを何か知ってる。だからあたしにあんな忠告をしたんでしょう? そうでしょう?」
 いづみは、表情を変えず、無言。
 やや離れたところから、二人の様子を映す。
 五十嵐いづみさんは、ちょっと笑っているようにも見える。
 ここでも船全体は見えず、その大きさがはっきりしない。いずれにせよ、1話でもいづみが便乗していたタグボートらしい。
 この辺、どうやって船主に話をつけて施設のある島まで行ってもらったのか、説明は一切ないのが物足りない。
  
 港から、そんな二人を空しく見送るのは、佐織と健。健はいかにも眠そうだ。
 佐織「あんたがいつまでも寝てってからよー、ったく、このキツネフエフキ!」
 肘で小突きながら、健に独創的な罵声を浴びせる佐織、このことで5話ではすっかり健を尻に敷くようになる。
 健「なんだそりゃ?」
 健も初めて聞く悪口に、怪訝な顔をする。
  
 ここで、健の渋い横顔と、実際に「キツネフエフキ」と言う魚の絵を交互に映すのが、とてもユニークで大胆な演出。ただし、これ以降、同様の演出は二度とされなかった。
 しかし湯江健之氏、現場でそんな仇名を頂戴していたのだろうか?
 ま、似てるといえば似てるけど。
 いづみたちに置いて行かれ、悲しそうな目をする佐織、普通の女の子なら諦めてしまうところだが、行動派の元気娘・佐織はこんなことではへこたれないのであった。
 佐織の視線の先に、二人の乗る船が見える。
 うーん、やっぱり、このサイズで、いづみに気付かれずに同乗するのは無理だろう。
  
 で、次のシーンでは早くも目的地に上陸している二人。まだ日が高いので、それほど遠くではないことだけは分かるのだが、ここが島なのか、三浦半島や房総半島なのか、手掛かりはまるでない。しかしまあ、普通考えれば、こう言う秘密の施設は無人の孤島にあるのがふさわしいのだけれど。
 陸続きなら、わざわざ船で行くこともないしね。
 錆びてほとんど壊れてしまった注意書きのような看板が見えるので、撮影自体は何処かの海岸で行っているのだろう。

 ただ、5話のいづみの台詞からすると普通に街もあるらしい。
 やはり、大島のようなある程度面積のある島で、その中に他と隔絶された秘密の区域がある、と言うのが妥当な結論か。とにかく、脚本と映像、どちらも矛盾なく説明するのは不可能だ。

 いづみ「いいわね、ここから先は帰れなくなるわよ」
 恵子「ちょっとあんた、もう、人とコミニュケーション取れないのー? 無視するか命令するかどっちかなんだからほんとにもう。高校に復帰出来なくなったって知らないわよ、もう」
 ブツブツ言いながらいづみについていく恵子。左手にはペンダントのようなものを持ち、ぐるぐる回している。

 恵子はいづみの社会復帰を危ぶんでいるが、その前のシーンでいづみは普通に女子高生やってたので、この台詞もややピントが外れている。そもそもこのいづみの台詞だって、忠告をしているだけで、別に命令はしていないと思うのだが……。
  
 いづみはどんどん森の中を進んで行く。
 各所に監視カメラが設置されているのか、二人の動きは完全にマークされている。
 男の声「プロトタイプ1号いづみ、ポイントB地区へ向かう模様」

 ここで地図が表示されるが、歯痒いことにこれも一部分だけで、これだけでは内陸なのか、島なのか判断できない。
 しかし、地図の下部に、赤いマークがあり、そこが二人が上陸した場所だと推定できる。そこから、まっすぐ山を登り、A地点を経てB地点へ向かっている、と言うことだろう。

 なお、左の英文は例によって画像表示の為ののコマンドのようだ。
  
 恵子「ちょっと休もうよ〜何処だか分かんないよ〜もう休むよ〜もう〜ねえもう休もうよ〜」
 疲れたのか、しきりに「休もう休もう」と訴える恵子、拗ねたように幹に体を預けて見せるが、いづみが全然相手にしてくれないのでまたすぐ歩き出す。
 恵子「ほんとにもう〜、何処だか分かんないよこんなとこほんとに……ねえなんだかきった……ちょっと!」
 後ろ向きになって進む恵子、いづみが立ち止まっているのに気付かずぶつかる。
  
 いづみは恵子の体を掴んで一緒にしゃがませる。
 恵子「何?」
 いづみ「シッ」
 いづみは眼光鋭く周辺を観察し、折れた枝などから、敵の存在を察知する。
 いづみ「少なくとも8人いるわ。もう無事には帰れなくなったわよ」
  
 いづみはダッフルバッグを開いて、グローブを嵌める。恵子は興味深そうに、勝手にその中のものを物色する。
 恵子「あぁー、これパチンコじゃん!」
 意外なものを発見して、声を上げる恵子。正確には「スリング・ショット」と言う武器である。
 いづみ「……のようなもの! いい? 何があってもここでじっとしてて!」
 例によって、強い調子で指示すると、ひとりで先へ走って行く。
  
 恵子「いづみぃーっ」
 不満そうな恵子。いづみが見えなくなるとやれやれと言う感じで「ふぅん」と溜息をつく。
  
 いづみはどんどん森の中を突き進む。
 やがて、樹上にカメラやレーダー、集音マイクのようなものを持った兵士の姿が見える。
 彼らは攻撃のためと言うより、いづみの観察のための要員だろう。
  
 地上には銃を持った戦闘員がうようよいた。茂みの中から飛び出してきたいづみの前で、小さな爆発が起こる。
 これが銃撃によるものか、トラップなのか、手榴弾なのか、判然としない。
 後ろから見ていた恵子、一瞬ドキッとする。
 しかし、いづみが恵子と離れてからだいぶ走っていたのに、まだ目視できる距離にいると言うことは、言いつけを守らずに恵子が動いている証拠だろう。
 だが、次の瞬間、白煙の中からいづみが転がり出て来て、さっきの「パチンコ」を撃つ。
 最初に撃ち落としたのは集音マイクを持っていた兵士。そのまま地面に落ちて動かなくなる。
 ついで、ボウガンや銃を持った兵士二人がいづみの姿を探している。カメラの前に、サバイバル・ソーのリングが降り、リングの中に二人の姿を捕らえるように映す。
 二人が気付いて引き返すが、いづみは物陰から一人の敵をチェーンで絞めて倒す。
  
 そしてもう一度樹上の敵、今度は赤いレーダーのようなものを持っていた兵士に命中させる。兵士は枝に足を引っ掛けたまま、ぶら下がる。ただし、これはダミー人形である。
  
 再び武器を持ち替えてサバイバル・ソーを両手で構えるいづみ。その前にさっきの兵士の一人、ボウガンを持った男が現れる。
  
 いづみのそばの幹に二本の矢が刺さる。
 いづみの顔の向きからして、対峙しているのとは別の敵だろうか?
  
 二人の敵から逃れるように、ちょっとした広場を横切り、向こうの茂みに飛び込むいづみ。
 その背中へ二人の敵がボウガンを撃つ。
 いづみが茂みの中に消えると同時に、矢がその中へ撃ち込まれる。
 ……と言うことなのだが、実際はカメラ外からスタッフが矢を投げているため、草の上に力なく落ちる。
 ここは別にワンカットで撮っている訳じゃないから、実際に矢を撃ち込んだほうがリアルだったと思うが、ま、それはそれで映像的に目立たなくなるから、こうやって撮影している……のだろうか?

 とにかく、茂みの中から「ああっ」と言ういづみの声が上がる。
 いづみがやられたのかと、青褪める恵子。
  
 二人の兵士が用心しながら茂みの中へ入ると、いづみが「眠れる森の美女」のように美しく横たわっていた。
 5話で、石津は、いづみにバイオフィードバックを発動させろと部下に命令していたので、ここで仮にいづみが本当に気絶していたとしても、その場で殺されることはなかっただろう。もっとも、5話でも兵士たちはガンガン実弾を撃っていたので、一歩間違えれば死んでしまう危険性は常にあっただろうが。
 いづみとしても、彼らが闇雲に殺す気がないと知っているからこんな作戦を採ったのだろう。もし殺す気なら、3話のターミネーターのようにいづみに近付かずに即座にトドメの矢を放っていただろうからね。
 それはさておき、ここで恵子が思わず「いづみぃ!」と叫んでしまう。
 その声に、二人は勢い良く振り返る。
 敵は、恵子の存在も把握していたと思われるが、単なる女子高生の恵子には最初から関心がなかったのだろう。それにしては、この振り向き方は大袈裟であるが……。
  
 いづみはその隙を逃さず、立ち上がって二人を瞬く間に倒してしまう。
 恵子が叫び声を上げなかったら、ほんと、どうするつもりだったのだろう?

 茂みの中に飛び込むアクションはスタントだ(と思う)が、さっきの爆破シーンもこういう格闘シーンも全て五十嵐いづみさんが自身で演じていて、毎度のことながら感心する。

 その場で尚も警戒するいづみのところへ、恵子がバッグを抱えてやってくる。
 恵子「いづみ!」
 いづみ、にっこり笑って、「初めて名前で呼んだわね」

 ……ま、厳密に言えば、3話の終盤で恵子は「いづみ」と叫んでるんだけどね。いづみはその時、教室の窓から飛び込むのに忙しかったので、聞こえなかったのかもしれない。
 で、それに対する恵子の笑いが、妙にぎこちないと言うか、悪事でも企んでいるような笑いなのだった。
 その顔のまま頷いて見せる。
 しかし、二人のすぐ近くの樹上にまだ敵がいて、ボウガンを撃ってくる。
  
 ここでは、いづみではなく恵子が反応して、いづみの体を押し倒すようにして自分もぐるっと回転し、敵の打った矢を投げ返し、敵に命中させると言ういづみ顔負けの技を披露する。
 考えたら、2話では殺人カチューシャを華麗に操っていたのだから、恵子だってただの女子高生ではないのだ(13話ではいづみ同様、バイオフィードバック戦士になるのだから、元々素質はあったのだろうし)。
 兵士は呻き声を放って派手に落っこちる。
  
 いづみ「突然のラブシーンだけど、礼は言わないわ」
 寝転がったまま、唐突にシャレた台詞を言ういづみ。5話のヌード見せ合いと言い、このエピソードでは時折こういう女の子同士の恋愛みたいなシーンが出てくる。
 恵子「あのね……」
 いづみ「ひとつ忠告しておくわ。何があっても声を出さないこと、自分もやられるわ……もしこの次があったらね」
 続けて言うこの「忠告」も、恵子の声のお陰でさっきは上手く敵を倒せたんだし、策略とは言え先に「あっ」と声を出しているいづみに言われても、なんとなく素直に受け止められないのである。

 恵子「どうしてそんなにクールになれるの? 教えてもらいたいもんだわ」
 いづみ「追手が増えたわ、行きましょう!」
 恵子を促して、再び歩き出すいづみ。
  
 次のシーンでは、川に面した巨大な岩の斜面を降りている二人。
 ここに来るまでに敵とまた遭遇したのかどうか、良く分からない。
 対岸に、別の敵が追ってくるのが見える。
 この川は、あの地図に映っていたものと同じだろうか?
  
 二人は浅瀬を並んで渡る。キラキラと光が反射して、シリーズ中でも屈指の美しい場面である。
 ただ、途中(左の画像)、恵子ではなくいづみが足を滑らせそうになるのがちょっとかっこ悪い。
 続いて、岩場の上を走るシーンでも、なんとなく、恵子の方がスピードを抑えて走っているように見えるのは気のせいだろうか。まあ、土田由美さんのほうが背が高いので、そんな風に見えるのかもしれない。
 それに、考えたら五十嵐さんの方は、バッグを持ってるからね。
 (浅瀬を渡る時は背中に背負って、岩場を走るときは肩にかけている)
 走り続けた二人、土手のような斜面で一旦腰を下ろす。
 いづみ、岩場の向こうをそっと窺う。
 恵子はすっかりバテバテ。
 恵子「疲れちゃったよ〜ふぅ〜」
 恵子の台詞だが、はっきりなんと言っているのか、いまいち自信が持てない。
 いづみは恵子の所に戻り、
 いづみ「心中するしか、道はなさそうよ。覚悟はいい?」
 恵子「どういうこと?」
 いづみ「奴らわざと狙いを外してた」
 恵子「わざと?」
 いづみ「追い込まれたってこと」
 このいづみの台詞も、やや分かりにくい。これは最初の森の中の戦いではなく、恐らくそこからこの場所に来るまでの敵の動きを称しての台詞だろう。石津の命令で、彼らを殺すのではなく、追い込んでいづみの覚醒を待っているのだ。
 いづみの言葉に、自分も身を乗り出してみる恵子のお尻。
 恵子「あぁーっ」
 彼らが見ているものは映し出されないが、恐らく、多数の敵に包囲されていたのだろう。
 慌てて降りてくる恵子のお尻、目を凝らせば薄っすらと下着のラインが透けて見える気がするのである。
 恵子「これって絶体絶命って奴じゃん」
 いづみ、頷いて背後を見渡すと、武器を持った何人もの兵士が近付いてくるのが見えた。
 いづみは無言で恵子を引っ張って、滝壺に面した岩場へ移動する。
 水の流れる音が響く。これは何処で撮影しているのだろう?
  
 いづみはバッグの中から、ライフジャケットを取り出す。
 どう見ても、それだけでバッグがパンパンになりそうだが……。

 いづみ「早く着て」
 恵子「まさか飛び込もうってんじゃないよねー?」
 いづみ「締めて!」
 言われるまま、胸元の紐を結ぶ恵子。いづみはフライトジャケットのファスナーを締め、バッグを背負う。
  
 いづみ「行くわよ!」
 いづみは恵子の腕を持って一気に飛び込む。
 恵子「きゃああああーっ!」
  
 恵子の悲鳴と共に、岩場から滝壺に飛び降りる二人の映像。ザブンと音を立てて水中に没する。
 飛沫が上がったところで静止画になり、このまま「つづく」のだ。

 今回のEDも、「エスケープ」と、誤表示のままである。



アバン Aパート Bパート 予告

 今回の予告も恵子と佐織の掛け合い。

 佐織「恵子さん何処行ってたんですか?」
 恵子「川におっこったり、マシンガンで撃たれたり、さんざんだよー」
 佐織「いづみさんは無事なんでしょうねぇ?」
 恵子「しらねえよ、あんな奴のこと」
 佐織「どうしてそんなこと言うんですかぁ」
 恵子「次回『少女コマンドーいづみ』、『あぶない2人、反撃』、見ねえと承知しねえかんな!」

 映像面では、今回もあまり注目すべきものはない。フィルムが加工される前の格闘シーンが少し映るのと、
  
 恵子が銃を突きつけられるカットが、ほんの少し違うだけだ。
 左が予告編で、右が本編である。

 さてこの第4話、いろいろとツッコミを入れたが、ドラマ面においても、アクション面においてもなかなか見所の多いエピソードになっている。