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第2話

戦闘能力、全開 NEXT 目次へ
監督 大井利夫 脚本 武上純希
アバン Aパート Bパート 予告

 のっけから「エスケイプ!」が流れ出し、いづみが謎の組織の特訓場で実戦訓練を受けているところから第2話は始まる。
  
 こちらへ向かって走ってくるいづみ、背後で大きな爆発が起こる。

 最初に書いておくと、これはいづみが夢の中で見ている過去の訓練シーンなのだが、具体的にいつこういう訓練を受けていたのか、説明はない。バイオフィードバックプロジェクトの一環としての訓練なのか、それとは関係なく、基礎的な能力を身に付けるための軍事教練なのか、はっきりしない。

 5話で、いづみは「半年前」に、初めてバイオフィードバッグ実験場へ連れて行かれ、様々な訓練を受けたと回想しているが、その中に、この野戦訓練の様子も含まれていることを勘案すれば、やはりバイオ〜の一環なのだろう。ただ、そうすると、いづみは3年前に誘拐されて、半年前まで、つまり、2年半の間、いったい何をさせられていたのかと言う別の角度の疑問が湧くが、ここで検証すべきテーマではないので話を進める。
 同じシーンを違うショットで映したものか? こちらははっきりと五十嵐いづみが演じているのが分かる。ただ、安全のため、爆破はかなり後ろで遠慮がちに起きている。
 手錠をはめられたままの、過酷な訓練である。いづみは次から次へと襲ってくる兵士を倒しながら進む。
 正直、ここのアクションはかなりスローである。
 直後、カメラ手前で派手な爆発が起こる。
  
 訓練とは言っても、実弾を使うと言うムチャなものだった。いづみ、土嚢の後ろに身を隠して銃撃を避ける。

 再び5話から、いづみの台詞を引用すると「そこに入って生きて出られたものはいない」らしいのだが、その原因はこの方法にあるのではないだろうか? 無論、バイオフィードバックの覚醒実験と並行し、段階を踏んで徐々にハードな訓練を課してはいたのだろうが……。
  
 兵士は近付いてライフルを振り下ろすが、いづみは手錠の鎖で受け止め、蹴りを放つ。
 さらに相手のライフルを奪って、逆に殴り飛ばす。
 別の兵士のライフル振り下ろし攻撃も、同様に防いで、
  
 今度はエルボーで思い切り顎を打ち上げる。
 必要以上に吹っ飛ぶ兵士。
 この超人的なパワーからして、この時のいづみ、既にバイオフィーババックの成果が出ていたのだろう。
  
 続けて迫ってきた敵の足を華麗に払い、馬乗りになって手錠で首を絞める。
 と、背後からにゅっと銃を構えた敵が現れる。実戦ならこれでお陀仏だが、
 こいつも何故か、撃つのではなく振り下ろしてくる。

 ライフルは、殴るものではなく、撃つものですよ。

 ま、肝心のいづみを殺してしまっては元も子もないから、適当に手加減するように命じられていたのだろうか?
 その割には、さっきはガンガン射撃してたけどね。

 兵士の攻撃をかわして、駆け出すいづみ。
 ここでも、五十嵐いづみ本人がアイドルとは思えない見事なアクションを披露している。
  
 兵士から逃げるいづみの斜め後ろで、再び大きな爆発。しかし、この爆発は、地雷ではないし、どうやって起きているのだろう? 遠方から、それこそバズーカでも撃っているのだろうか?

 かなり近くで爆発が起きるシーンなので、五十嵐さんはかなり嫌そうな顔をしている。
 衝撃で吹っ飛ぶいづみ。もっとも、これは万歳しているいづみをカメラが上から下に素早く映しているだけである。
  
 塹壕に身を躍らそうとしたが、空中で竹槍の罠に気付き、驚く。
 空高く舞ういづみの体。これは、スタントだろう。
 ……と思ったが、資料によると、これも本人が演じているようだ。下にマットを敷いて、トランポリンからジャンプしている。
  
 竹槍を奥にとらえつつ、手前の土嚢の上に身を伏せるいづみ。
 すぐさま体を回転させる。
 ここは、ほんとに竹槍を並べた上に、五十嵐さん本人が倒れ込んでいるようにしか見えず、ちょっとドキッとする。

 万が一、下に落ちても竹槍は彼女の体には刺さらないような位置に設置してあるのだろうが。
 ここで、帽子が落ち、ポニーテールだった髪がばらける。
 引き続き走るいづみ。
 多分、この一連の訓練は「捕虜脱出訓練」とでも呼ばれるものだったのだろう。
 そして最後、尾根に出たいづみの背後で、
 巨大な爆発が起き、彼女の体が宙に舞う。
  
 シリーズを通しても派手な爆破ショットのひとつなので、ここは別角度から念入りに撮影されている。
 無論、さすがにここはスタントが演じている。
 多分、男性だろうが、転がり落ちる時、髪の量が多過ぎて、かつらを被っているのがバレバレである。
 最後も、きっちり五十嵐さんが転がるカットにつなげている。
  
 そして、現実世界のいづみにスイッチ。
 うなされていたが、ハッと目が覚める。視界に、汚れた窓とその向こうの港湾施設(?)が映り、現状を把握する。
 シンプルなノースリーブのシャツに、ジーンズのまま、寝袋に入っていたいづみ。
 フライトジャケットを取った時、ダッフルバックの中から制服が一瞬映る。
 これは前回の脱出時に着ていたものであろう。ただ、3話の最後に、恵子から新品の制服をプレゼントされているので、この古い方は結局この後使われることはなかったようだ。
 窓から外を見詰めるいづみ。
 いづみの声「今日から新しい戦いが始まる。過去を取り戻すための」

 なお、いづみが勝手にねぐらにしているのは倉庫街にある廃ビルの一画である。
 彼女は6話の冒頭までここでサバイバル生活を送っていたが、6話で恵子の世話したアパートへ移る。

 モノレールをバックに、橋の上の歩道を歩くいづみ。
 何をするつもりなのかはすぐ判明する。
  
 場面は、バーガーインに移る。今回も健がひとりで玉をついているが、4話から石津が客に化けてこの台を占領するようになるので、健がビリヤードをする姿はこれがほぼ見納めである。

 シーンが切り替わると同時に、BGMもA-JARIの持ち歌(タイトル不明)に変わる。

 恵子「なんだかイラついちゃって食欲出ないんだから……」
 コーラを片手に、バーガーを頬張りながらつぶやいている恵子。
 健「ふふっ恵子のイライラの原因ってのは五条いづみかな?」
 恵子「やめてよその名前、おんなじ町に麗子先輩の仇がのうのうと生き延びてると思うだけで悔しくって……」
 そこへアイを先頭に恵子の部下三人が慌てた様子で飛び込んでくる。

 マーコ「たいへーんッス! ね、大変ッス、会長!」
 この「〜ッス」は、アイの喋り方の特徴である。
 恵子「朝食中」
 アイ「でもいづみが動き出したの!」
 祥子「学園に現れて、佐織って女のこと捜してるんです」
 恵子「……佐織?」

 恵子の言葉に三人揃って頷く。
  
 健「確かぁ、麗子先輩の殺害現場の目撃者はたった一人、その子の名前が三枝佐織って言ったっけなぁ」
 3年前の事件の目撃者のフルネームまで覚えている健。

 なお、3年前に18歳だった麗子のことを「先輩」と呼んでいるので、健はこの時20歳以下だと思われる。
  
 恵子、その言葉にコーラを台の縁に置き、バーガーは持ったまま店から出ようとするが、
 恵子「情報のお礼はツケ(机と聞こえる)と一緒にまとめて返すからね」
 健「期待しないで待ってるぜ」

 闇学中の会長にしては、ツケで飲み食いしていると言うのはややみっともないが、このツケはなかなか払われなかったようで、だいぶ後の10話でも、ツケが残っていることが分かる。
 恵子はさっさと店を飛び出し、少し遅れて祥子たちが出てくる。今回も、祥子、恵子が入り口のところに置いていたカバンを持っている。
 学校へ向かって走る恵子たち。なお、この画面だと、右上の「サキ」の看板が、恵子たちより手前にあるように見える。
 また、この時、一般の女性が左後ろの道から出てきて、撮影に気付いて慌ててピョンと飛ぶように街灯の陰に体を引っ込めるのが見える。ご迷惑お掛けします。
 恵子「闇の学生中央委員会全員召集! みんなで三枝佐織を捜すのよ」
 祥子「恵子さんは?」
  
 祥子の問いに立ち止まる恵子、
 「いづみにこの町では勝手はさせないよ……ほらぁっ」
 と、食べ方のバーガーを持て余し、隣にいたアイに渡して、再び走り出す。
  
 アイ「ほらっ(ふんっ?)」
 アイはすぐそれを横のマーコに押し付け、恵子の後に続く。
 マーコはしょうがなく、食べ残しを口に入れつつ追いかける。
 恵子は、ワルを自任しつつバーガーを放り捨てないあたりがお嬢様っぽさを感じさせる。

 ここでタイトル。1話と全く同じで、いづみがバズーカ砲で装甲車を破壊するシーンの合間に、「彼女はアイスドール」などの文字が表示される。



アバン Aパート Bパート 予告
 藤原の勤める晴海署の玄関。
  
 ロッカーの並んでいる資料室へ入ってくる藤原。

 「Go-Hi」と札の出ているロッカーの前に来て、
 「○○(はっきり聞き取れない)、ご、」
 と、ラベルを確認してから目当てのロッカーを開き、ファイルをパラパラめくる。

 ここには、署の扱った犯罪者のリスト保管されているらしい。

 ただ、この画面を見れば分かるが、ここではその並びが「ローマ字読み」と「ABC順」を組み合わせると言う非常にややこしい方式になっている。
 普通は、表記がアルファベットだとしても、A、I、U、E、O、KA、KI……と言うように五十音に並べると思うが、ここではローマ字表記且つ、ABC順になっていて、直感的にどこに目的のファイルがあるのか非常に分かりにくくなっている。
 たとえば、藤原の調べているファイルには、五条の次に、原田とか、樋口などという苗字が来るのだが、我々日本人には相当違和感がある。
 藤原「ないな……ない……どうして五条いづみのファイルがないんだ?」
 ある筈のいづみのデータが消されていることを知り、苛立つ藤原。ファイルを叩き付けるように戻す。
 これは「謎の組織」が手を回して……恐らく、いづみの脱走後だろうが、コンピューターからも書類上からもいづみに関するデータを抹消してしまったのだろう。
  
  
 この時、チラッと映る他の犯罪者の皆さんの名前は以上の通り。

 五条達郎については何も書かれていないが、次の照彦は「無銭飲食の常習犯」、深雪さんは「傷害致死」、最後の五島久枝さんに至っては、「身代金誘拐」と、派手なことをしてらっしゃる。
 その後、交通課で騒いでいた暴走族風のチンピラたちをその腹いせもあって、思いっきり殴る蹴る藤原。
 最初の頃は特に、藤原のこういう暴力的な行動が強調されている。
  
 いづみは、晴海学園の周囲をうろついていた。
 佐織は別の高校に通っているのだが、とりあえずかつて自分が在籍していた高校へ来て見たのだろう。

 カメラが引くと、門の奥で遊んでいるのが、数少ないエキストラを総動員した結果だと分かる。
 そのいづみを、いかにも怪しい格好をした怪しい男が尾行していた。

 石津の声「なんだ?」
 男「いづみが晴海学園に現れました」
 石津の声「監視を続けろ」
 男「了解」

 この監視役を演じているのは加藤照男さん。このキャラは、5話で石津から吉岡と呼ばれていた男と同一人物だろうか?
 また1話にも彼の名前がクレジットされているが、誰を演じていたのか良く分からない。いづみに襲われた兵士だろうか?
  
 尾行に気付いているのかどうか、いづみは校庭のフェンス脇の道を進む。ここでサブタイトルが表示される。
  
 いづみがフェンス越しに校庭で遊んでいる生徒たちを見ていると、横から恵子が現れる。
 恵子「どうも学園の風が血腥いと思ったら……」
  
 恵子「あなた、三枝佐織のこと嗅ぎ回って、どうするつもり?」
 いづみ「彼女の一言で、私は殺人犯に仕立て上げられた」
  
 佐織「このお姉さんが殺しました」
 その時の様子が回想される。

 佐織、髪型が違うせいもあろうが、EDクレジットとはまるで別人である。
  
 佐織の言葉に、頭を振って否定するいづみ。
 学校から少し離れた堤防に移動する二人。
 恵子「証人に逆恨みかい?」
 いづみ「彼女は何か知っている。私の過去を取り戻す手掛かりを」
 恵子「この町にうろつかれると目障りなんだ。大人しく町を出てく? さもなきゃ」
  
 相手の返事も待たず、距離を取って、カチューシャを外し、
  
 別撮りで、カチューシャを反対側に折り曲げ、両端についたギザギザが外側になるように変形させる過程が映し出される。
 ただ、こういうものを素手で折り曲げるのは、実際はちょっと無理である。ギザギザが自分の手に刺さっちゃうからね。

 ギギギ、カコカコカコと、金属の歪むような音がする。
 不完全な輪(ブーメランらしい)にして、低い位置から投げる。
  
 余裕でよけるいづみ。目ぇ閉じちゃってるけど。

 恵子の武器はコンクリートに当たり、何故か火花が散る。
 跳ね返って恵子の手に戻るカチューシャ。

 うーむ、しかしこれはあまりにスケバン刑事のイメージを引き摺り過ぎている。
 もっとも、彼女がこれを使うのはこの2話だけで、3話からは一切使わなくなる。

 スタッフにしても、スケバン刑事との類似は承知していたと思うが、継続して使うわけではないから構わないだろうと判断しての採用だろうか? それにしては、わざわざ別撮りで武器の変型シーンまで用意しているのがちょっと引っ掛かる。最初は継続して使う予定だったが、スケバン刑事との関連を指摘されたため、設定を変えたのだろうか?

 恵子「力尽くで追い出すわ」
  
 それに対し、いづみ、子供の遊びには付き合いきれないと言う感じで、いきなりナイフを取り出す。思わず怯む恵子。

 即座に投げ付けるが、ナイフはどう見ても左下に飛んでいる……。
  
 画面では、恵子の右側を飛んで行く。恵子も思わず目をつぶる。
 男「あっ、くっ」
 だがそれは、恵子では背後で彼らを見ていた男を狙ったものだった。

 男はナイフが刺さったまま向こうへ逃げて行く。
 しかし、監視するにしても、ちょっと近くに来過ぎてないか?
 恵子「あいつは?」
 いづみ「知らない方がいいわ!」
 この、叫ぶような喋り方、前半のいづみの特徴である。
  
 ここで、遠くから藤原の怒声が響く。
 藤原「こらーっ貴様らそこで何やってんだぁーっ」

 恵子「邪魔が入ったわ。三枝佐織に会いたかったら午後三時、埠頭においで」
 いづみ「佐織を?」
 恵子「あたしに勝ったら会わせてやるよ」

 恵子、何事もなかったようにカチューシャをつけているが、外側にトゲトゲがあるので痛かったのではないだろうか?
 しかし、「埠頭」だけではどこの埠頭だか分からないと思うが、恵子はいづみが警官隊に襲われたあの埠頭のことを言っているのだろう。
 ちなみに、恵子のほうがだいぶいづみより背が高い。……あれ、テレビジョンドラマのプロフィールを見ると、五十嵐さんが161で、土田さんが160ってなってるけど……? あれ?

 藤原「喧嘩か? 喧嘩ならしょっぴいてやるぞ」
 恵子、藤原の手を掴み、
 「仲良くお話してたの、ねっ?」
 急に可愛らしい喋り方になる。
 藤原「俺もお話したいんだ、あっち行ってろ」
 恵子「二人っきりでぇ〜?」
 甘えるように、藤原の胸を指でぐりぐりする恵子。藤原は10話でむーちゃんにも同じようなことをされていた。
  
 藤原「こらっ、公務執行妨害で逮捕するぞ!」
 恵子「こぉわっ」
 おどけた顔をして走り去る恵子。

 こうして見ると、恵子も特にヒールの高い靴を履いているわけではない。
 地井さんが170だから、土田さんも正しくは170だったのかもしれない。……Wikiを見ると、163とある。何がなんだか……。

 藤原「ったく、近頃のガキと来たらぁ!」
 定番の台詞を吐いてから、
  
 藤原「どうだ、もう一度高校に戻りたいか?」
 藤原の言葉に振り向くいづみ、
  
 視線を背後の校庭へ向ける。

 この藤原の言葉は、いづみの年齢、学年などに関する重要なデータである。もっともそのせいで、繕い切れない矛盾が発生してしまうのだが……。
 藤原「向こうの世界はもうお前には関係ない。二度と戻れない世界だ。てめえは殺人者なんだ。てめえの前に伸びてるのは十三段の階段だけなんだよ!」
 厳しい言葉を投げ付ける藤原。

 まあ、未成年のいづみがたとえ本当に麗子を殺していたとしても死刑になることはまずないのだけどね。
  
 いきなり拳銃を取り出し、いづみに向ける。これだけで、懲戒免職確定の行為であるが、いづみは微動だにしない。
  
 藤原「どうだ、俺が憎いだろう? さあ、これで俺を撃ってみろ」
 と、銃をいづみに握らせる。銃口を自分の胸に密着させ、

 藤原「俺の命と引き換えに、お前を絞首台に送り込んでやるわ」
  
 いづみ、弾倉をスイングアウトさせて弾を抜き取り、「逮捕したいならすれば?」と、ちょっと軽い口調で言う。
  
 くるっと銃を回転させ、グリップから藤原に返し、弾も相手の掌に落とす。
 藤原「できりゃあこんな芝居打つかよ。何がどうなってんのかわからんが、今の俺には貴様を逮捕できない。警察のファイルからお前のリストが消えちまったんだ。一体この3年間、貴様どこに隠れて、何をしていたんだ? リストを消しちまえるなんて、どこのどいつなんだ?」
 いづみ「あたしも、探してるの!」
 藤原「いづみ! いつか俺が暴いてやる、この手でなぁ!」
 歩き去るいづみに宣言する藤原。

 これは、いづみの正体と共に、「謎の組織」の実態を暴くと言う意味にも取れる。
 (実際、結果的にはほぼそうなったが)

 しかし、この時点では藤原はいづみを本気で殺人犯だと考えていたはずで、そんな相手に実弾の入った銃を差し出すだろうか? いくら逮捕に情熱を燃やしても、自分が殺されては元も子もない。そもそも、藤原がどうしていづみの逮捕にここまで拘るのか、むーちゃんも10話で訊ねていたように、いまひとつ納得できる理由がないのだ。別に殺された麗子とは知り合いでもなかった筈だし。
 いくら唯一人逮捕できなかった犯罪者だったとしても……。
 男の声「いづみは証人三枝佐織の発見を第一のターゲットにしています」
 電話を保留にして、
 石津「やはりいづみ(発音がおかしい)は、ただ逃げ回るだけの鼠じゃなかった。佐織を手掛かりとして組織の手掛かりを暴こうとしている」
 と、わざわざ考えていることを口にする石津さんでした。

 保留ボタンから指を外し、
 石津「佐織と接触を持つ時がチャンスだ。我が機関のスナイパーを送り込む。もう一度いづみを取り戻せ!」
 男「必ず」

 電話を切ってからも、
 石津「最終兵器のプロトタイプとしてのいづみの能力はまだ眠っている。いつ目覚めるか、ちょうどいいテストになるな」

 しかし、前回の最後に思いっきり目覚めてて、それを石津さんはヘリの上から見てる筈なんだけどね。

 で、早速そのスナイパーが登場するのだが……、
 管理人、初めて見たとき、思わず「スーパー1じゃねえか!」と叫んでしまいました。

 そう、「仮面ライダースーパー1」の沖一也こと、高杉俊介氏である。
 佐織が最初に通っていた月浦高等学園の門前。生徒たちが学校から出てくる。
 ここの生徒たち、いかにもリアルなんだよね。容姿が。
  
 ただ、例によってエキストラの数はとても少なく、佐織を入れても10人に満たない。
 学校の出口で、佐織を待っていたスーパー1、いやスナイパー。
 佐織、とぼとぼと歩いていたが、橋の上で子猫の鳴き声を聞いて立ち止まる。
  
 で、この子猫が、あんまり可愛くないのがご愛嬌。ま、いかにもペットショップで買ってきたと言うような猫だと嘘っぽいけど。

 佐織、思わず屈み込んで子猫を抱きかかえる。
 猫「にゃーお」
 佐織「どうしたの? 怖がらなくてもいいのよ」
  
 佐織「お前も独りぼっち? あたしも独りぼっち」
 猫「にゃーお」

 佐織、3話以降の明るく能天気なキャラとはまるで別人である。友達もいなさそうだし。
 まあ、いづみに関する偽証(後述)の罪悪感が常に心から消えず、本来の明るさが損なわれていた、とも考えられるが、それにしても2話と3話以降では、あまりに差があり過ぎる。

 基本的にいづみが無口で暗いキャラなので、あるいは、佐織の性格もいづみと対比させる為に途中で設定が変えられたのかもしれない。
 子猫が佐織の手の中でもがきだす。
 佐織「どうしたの?」

 と、そこへ別の学校の制服を着た女生徒たちが現れる。祥子たちである。
 祥子「三枝佐織だね」
 佐織「はい」
 立ち上がる佐織。
 祥子「3年前の事件のことは、もち覚えてるね?」
 驚きの表情になる佐織。
 祥子「五条いづみがこの町に帰ってきている。恐らく、あんたへの復讐が目的さっ」

 メイン3人の陰に隠れがちだが、笙子たち3人のサブレギュラーも実は結構綺麗で可愛いのである。特にしっかり者の印象の祥子は大人っぽくてかなりの美形である。
 祥子の言葉に不安そうな表情を見せる佐織。
 落っこちる猫。

 猫「ふぎゃぁっ!」
 ひどい扱いだが、すぐ何事もなかったように立ち上がるので安心。

 この猫は、ちゃんと事前に用意してきた猫だろうか? ま、そうそう手頃な子猫がロケ先で見付かると思えないし。
  
 佐織「本当は、本当は……」
 ずっとそのことが心の重荷になっていた佐織、その場で告白してしまいそうになるが、
 アイ「心配ないってぇ、あたしはあんたの味方だよ!」
 アイに肩を叩かれ、うやむやになってしまう。

 ちなみに佐織役の桂川さん、アイ役の菅原さんは共に15才(ただし、桂川さんは早生まれなので学年は1つ上)である。
 アイ「バックには闇の学生中央委員会がついてるよ」
 マーコ「しばらくは、あたしたちの隠れ家で」
 アイ「いづみは会長がおん出してくれるよ」

 マーコ役の助川さんは18才であるが、こうして並ぶとみんな同い年で違和感はない
  
 祥子「さあ行くよ」
 マーコ(?)「はい」
 祥子「アイ、会長に連絡!」

 祥子とマーコは佐織を連れて向こう側へ、アイはひとりで反対側へ走り出す。
 この時、アイが子猫を踏まないように跨いでいるのが見える。

 アイを見送った後、スナイパーがゆっくりと祥子たちの後を追う、ところでCMです。


アバン Aパート Bパート 予告
 
 約束どおり、例の埠頭でいづみを待っている恵子。
  
 恵子「遅い……怖気づいたか五条いづみ!」
 だが、恵子が振り向いた先に、
  
 こちらへ向かって歩いてくるいづみの姿が。
 同時に、「JUST FOR LOVE」のイントロがかかる。ただし、インストバージョンである。
 ここは、画面が陽炎のように揺らめいて、なかなかかっこいいのです。
 それを見て、恵子もいづみに向かって駆け出す。
  
 睨み合う両雄。やがて、恵子の方から体をずらす。

 恵子「良く来たねえ。それだけは誉めてやるよ」
 いづみ「三枝佐織に会わせて欲しい。そうすれば、あたしが殺人など犯してないことが分かるわ!」
 恵子、髪に手を当ててから、「あたしに勝ったらって言ったらどう?」
 いづみ「あたしは戦いたくない!」
  
 クルッと振り向いて、「あたしの(ほう)はあんたを叩きのめしたいのさっ、優しかった麗子先輩のために」
 この「ほう」の部分は、はっきりそう言っているのかどうかよく聞き取れない。

 そしてさっきと同じように、カチューシャを外し、別撮りの変型シーンを繰り返してから、
  
 いづみ目掛けて投げる。
 今度は、空を飛ぶカチューシャのイメージカットも挿入される。
 いづみ、目をつぶりながらかわす。
  
 狙いを外れたカチューシャがブーメランのように戻ってきて、それを受け止めるイメージカットも映される。
 これだけ念入りに用意した武器なのに、この回だけしか使われていないと言うのはなんか勿体無いなぁ。
  
 続けて投げる構えを取る恵子。
  
 いづみ「お願い、あたしを戦わせないで」
 恵子「びびったね、格好だけの戦士さん」
 いづみの態度を臆病だと取り、もう一度カチューシャを投げる。

 しかし、恵子も、前回の最後の大立ち回りを目撃してるのだから、いづみが本物だということは承知してる筈なんだけどね。
  
 今度はまともにいづみの額に当たる。いづみの身体能力なら、余裕でかわせた筈だが……。
  
 目標に命中してもしなくても、必ず恵子のもとに戻ってくるカチューシャ。よく考えたら凄い武器である。恵子自身が作ったのだろうか?
 また、カチューシャを持ち直して構えるイメージカットも、このシーンにだけ使われている。

 やっぱり、当初は3話以降も恵子はこの武器を使う予定だったのではないだろうか?
 いづみの額から血が流れる。
 このドラマ、アクションは派手でも流血描写などは極力避けられているので、この通り控え目なものである。
 恵子「戦う? それとも○○?」

 余裕を見せて問い掛ける恵子だが、後半、何と言ってるのか聞き取れない。文脈から言って「許しを請う?」みたいなことを言ってるんだと思うが。あるいは「逃げ出しちゃう?」かなぁ。
 いづみは、それでも恵子に対し特に怒りを覚えた様子はないものの、傷の痛みが、
  
 3年前、同じ場所で警官隊に痛め付けられた時の記憶を呼び覚ます。
  
 恵子を睨むいづみ。相手の変化に気付いて顔色を少し変える恵子。ここでBGMが途切れる。

 なお、五十嵐さんの目が充血しているのは、当時、映画「ビー・バップ・ハイスクール」の撮影もあり、寝不足のまま「いづみ」の撮影に臨むことがあったせいかもしれない。
  
 眉間に皺を寄せるいづみ。能力が発動するのを懸命に抑えようとしているように見えるが。

 石津の声「バイオフィードバック、戦う意志がお前の肉体を最終兵器に変える」
 例によって、ところどころ発音が変だが、これは1話の時と同じテイクのようだ。

 例の発動イメージを挟み、
  
 恵子「とどめだっ」
 今度は、体の右側から腕を振る。
 が、今度はあっさりとキャッチされる。これも別撮りである。
  
 恵子を睨みつつ、ギギギとカチューシャを片手で握り潰し、それを何回も引き千切ってしまう。ここもフィルムに加工がされている。
 恵子「あっ……」

 ありえない状況に、茫然となる恵子。
  
 カチューシャの破片を投げ捨てながら、じりじりと恵子に近付くいづみ。
 恵子「まさか……」
  
 その迫力に思わず後ずさり、気がつくと端に追い詰められている恵子。
 恵子「ああっ!」
 密着せんばかりに近付いたいづみ。
 そこへ、「かいちょうーっ!」と言うアイの声が届く。二人がそちらを向くと、アイがこちらに走ってくるのが見える。
 アイ「会長、佐織は祥子たちが隠れ家につれてきました!」
 その場の状況を一切無視した、アイのあっけらかんとした言葉も可笑しいが、

 恵子「うるせえっ」
 それに対する恵子の返しが、あまりに絶妙過ぎて爆笑を誘う。

 いづみ「佐織に会わせて」
 恵子「勝負はまだ……」
 往生際が悪い恵子だったが、
  
 更にずいっといづみが前に出ると、「ああ、あっ」と叫んで思わず海に落ちそうになる。
  
 だが、いづみが恵子の腕を掴み、恵子の体を腕一本で支える。これはまあバランスの問題で、腕力の問題ではないのだが、一応、いづみのパワーを表現する意図なのだろう。
 五十嵐さんも土田さんも、それぞれ違う意味で緊張したであろうシーンだ。ビジュアル的にもとても印象的だ。

 なお、予告編ではバランスが崩れて失敗気味のテイクが使われていたが、本編では無論綺麗に釣り合いが取れている。
 その不安定な状態のまま、芝居をさせているのが面白い。
 いづみ「約束よ」
 恵子「今回は譲ってやるよ、しかしこれは時間無制限の3本勝負、ふっ、次に決着つけてやる……あっ」
 そんな状況でも強気を崩さない恵子が可愛い。
  
 最後はいづみに引っ張られ、いづみに縋るような姿勢になる。地面に足が付いてホッとする恵子。

 しかし、結局3本勝負の3本目は行われることなく終わった……いや、13話での戦いが、それになるのかもしれないが。
  
 祥子たちは佐織を連れて裏通りのごみごみしたところを走っていた。

 祥子「闇の学生中央委員会の事務所はこの奥さ」
 佐織「事務所ぉ?」
 マーコ「あたしたちだけの遊び場。大人も敵も入って来れない。もち、いづみって奴もさ」
 祥子は二人を先に行かせ、後から建物の隙間に入る。

 なお、ここで言われている「事務所」、最初はバーガー・インの奥の集会所のことかと思ったが、後で恵子がいづみを案内しようとしていたことから、別の場所だと考えられる。結局、登場することはなかったが、彼らはそう言う施設を複数用意しているのかもしれない。「闇学中」の規模については、具体的な手掛かりが出てこないのではっきりしないのだが、それくらいの組織力はありそうだ。現に、あっという間に佐織を見付け出しているんだしね。
 そのタイミングで、尾行していたスナイパーが銃を取り出す。
 と、同時に挿入曲のひとつ、五十嵐いづみの「スカイバレー」のイントロがスタート。
 これもなかなか良い曲だが、声や歌い方が「エスケイプ!」と全然違うので、最初は桂川昌美さんが歌っているのかと思った。
 用心しながら狭い路地裏を進む三人。
 祥子「心配ねえさ、いづみは会長がきっと追い出してくれるから……」
 出口まで来ても、すぐには飛び出さず、左右を注意深く窺うマーコと佐織。
 スナイパー、レーザー(?)スコープ付きの銃を構える。
  
 最後尾にいた祥子が、佐織の背中の赤い光に気付いて「なんだい、これぇ?」と、自分の手を上下に動かして見る。
  
 祥子が後ろを向いた瞬間、スナイパーが引き金を引く。
 佐織を庇う形になった祥子の胸に、麻酔弾が刺さる。
 祥子「ヒッ! 気をつけな、誰かがその子狙ってる……」
 二人は全然気付かず、
 マーコ「誰もいないぜえ」
 と、そろそろと道に出る。
 支えがなくなった祥子、ばったり倒れてしまう。

 自分は最初見ていたとき、てっきり祥子が殺されたのだと思い、序盤からハードなドラマやのう、と驚いたが、実際は麻酔銃によって眠らされただけだった。
 ただ、これだと銃声はしないし、無駄に人を殺傷することもないので、こんな繁華街では極めて合理的な武器の選択であろう。
  
 マーコ「祥子ぉー、祥子ぉー」
 突然倒れた祥子に呼びかけるアイ。佐織はびっくりして声も出ない。後ろの「仔ぶた」と言う看板が気になる(なるな)。
  
 祥子の胸に刺さっている麻酔弾。
 マーコ「祥子ぉー、祥子っ!」
 尚も祥子の体を揺さぶるアイだったが、続いてスコープにはそのマーコの背中が映る。この緑がかった映像は、スコープ越しの映像を表現している。
 音もなく飛んできた麻酔弾がマーコの右腕に刺さる。
 マーコは倒れながら、咄嗟に「バードコール」と言うアイテムを出して、佐織に渡す。
 マーコ「バードコール、会長○○○○ら」

 この台詞も聞き取りにくくて困る。「会長も持ってるから」「会長に守ってもらえ」などが考えられるのだが、良く分からない。
 このバードコールは、突起部分を捻ると大きな音が鳴って、周囲に助けを求めると言う痴漢撃退ブザーのようなアイテムである。この直後に使われるが、本来の用途としてはその一回きりしか使われなかった。他には6話で、恵子が早乙女に向かって投げ付けているくらいだ。また、5話では、佐織がそれを手にしているのが見える。
 佐織は一瞬逡巡するものの、スナイパーが近付いてくるのを見て、祥子の体を飛び越して逃げ出す。

 スナイパーとしては、とりあえず佐織を撃って眠らせ、彼女をエサにいづみをおびき出そうと言うつもりだったのだろう。
 スナイパー「ふっふっふっふっ、佐織が助けを求めているぞ、プロトタイプいづみ、お前の力を早く見たい」
 例によって、考えていることを口に出す人。ま、ドラマだからね。

 しかし、彼は石津からどういう風な命令を与えられていたのだろうか? 石津の台詞からして、いづみが佐織に接触するのを妨げるのが主目的だったのだろうが、同時にいづみの能力をテストする任務も含まれていたのだろう。まあ、この時点では仮に佐織に本当のことを喋られても、石津や組織の正体を知られる虞はないのだから、石津も佐織といづみの接触に関しては、さほど神経を尖らしていなかったと思われる。
 少し遅れて、恵子たちも同じ道を辿ってくる。
 恵子「この先だよ!」
  
 路地を抜けた恵子、当然、祥子たちに気付いて駆け寄る。
 恵子「祥子! マーコ!」
 ここの恵子は、髪がバサバサだが、それがちょっと色っぽく感じられる。胸元がほんの少し見えるのも良し。
 いづみは冷静に、恵子の体の下に手を伸ばして祥子の胸に刺さった麻酔弾を抜いて、
 「麻酔弾! 命に心配はないわ」

 恵子「アイ、頼んだよ!」
 指示を出し、恵子はすぐ佐織を追いかける。いづみも続く。

 アイ「マーコ!」
 残ったアイは、マーコの体を揺さぶる。
  
 次のシーンでは、既に佐織は廃ビルのような建物の中に入り、スナイパーから逃げ回っていた。
 廃墟の癖に、妙に戸締りがしっかりしていて、そこからどこへも出られず右往左往する佐織。
 見えないスナイパーのスコープの光が、佐織を狙う。
 佐織「助けてーっ」
 思わず叫ぶと同時に、バードコールを回して「キュキュキュキュキューッ」と言う警報を鳴らす。
 なんで使い方を知っていたのか、少し気になるが。
  
 その音は、近くを走っていた恵子の耳に届く。
 そちらへ行こうとする恵子の肩に手を置き、
 いづみ「命の保証は出来ないよ!」
 恵子「あんたに死なれちゃ勝負付けられないだろう?」

 恵子の返事は、なんとなくピントが合ってないような……。
 まあ、いづみひとりには行かせられないと言うことだろうか。
 いづみは先に立って走り出す。
  
 バードコールを必死に鳴らしている佐織の手元のアップ。
 だが、レーザー照準は、構わずに佐織の体をポイントする。
 建物の中に入ったいづみ、その様子を見て、走りながら「伏せて! 伏せるのよっ!」と叫ぶ。
 スコープの視界の中、佐織の体を突き飛ばすように押すいづみ。スナイパーは引き金を引く(何故かここでは普通の銃声がする)が、いづみは咄嗟に身を沈めてよける。
 いづみ「うっ」
 窓枠に刺さった注射から、赤い雫が落ちる……ように見えるが、これはレーザーの光が動いてその様に見えるのである。
 状況が把握できず、フロアの入り口のところで立ち尽くす恵子。
 「一体どういうことなの?」
 不気味な笑いを浮かべつつ、どこからか狙いを定めるスナイパー。恐らく2階部分から撃ってるんだと思うが。
  
 いづみは、レーザーから逃れつつ、佐織を引っ張って恵子のところまで連れて行く。佐織の体を抱きながら、
 恵子「いづみ、あなたの正体は?」

 恵子さん、それ、今する質問じゃないです。
 いづみも、そう思ったのか、無視して「この子を頼むわ」と、ひとりで飛び出す。

 このシーンでは、何度もレーザーがいづみの体を捉えているのだが、スナイパーは敢えて撃って来ない。ま、普通の銃と違い、弾の速度はかなり遅いようだから、素早く動いているいづみを狙っても外れると踏んだのだろう。
 いづみは、相手が2階にいると見当をつけ、階段の下で、
 「私だけが目的の筈。この子には手を出さないでぇ!」と、訴える。

 この辺りから、アクションシーンやOPナレーション(5話以降)時に流れる「ESCAPE」と言うBGMがスタート。
 同じ階のドアが閉まるのを見て、その中を覗き込むが、すぐにレーザーがいづみの額をマークする。
 慌てて体を引っ込めたいづみ、一旦ドアの前に移動してから、
   
 ドアにぶつかるように勢い良く飛び込んで、床を前転する。
 その間も、赤い光がいづみの体周辺を動いている。無論、これはスタントであろう。
  
 暗くて分かりにくいのだが、いづみは転がりながら部屋の隅まで一気に移動し、更に棚のような遮蔽物の陰に入る。
  
 レーザーは彼女の額を捉えているが、麻酔弾は何しろ馬鹿でかいので、その状態では撃てない。
 いづみが顔を起こすと、階段を後ろ向きで上がっていくスナイパーの体が見えた。
  
 物陰から物陰へ俊敏に移動しながら、敵に近付くいづみ。

 しかし、この映像だと、棚(据え付けのヒーターか?)はいづみの横に位置していたようなので、遮蔽物としては機能していなかったような……。この一連のシーンは、互いの位置関係が分かりづらく、曖昧である。
  
 階段を登ってくるいづみを、スコープ越しの映像で映す。ここでも、撃つチャンスはいくらでもあるようだが、スナイパーはなかなか引き金を引かない。

 頭上の窓から銃を構えているスナイパーの影が見える。
 スナイパー「その程度か?」

 その程度かって言われてもなぁ……。
  
 階段の手摺を盾にして登るいづみ。
 その手には、いつの間にかサバイバル・ソーが握られている。
  
 壁際に立っていたいづみを、別の角度から銃が狙いをつける。ここでもしっかりとレーザーはいづみの顔をマークするが、
  
 いづみは素早くサバイバル・ソーを投げ、同時に身を屈める。

 サバイバル・ソーはドアの隙間から覗いていた銃口を叩く。
  
 いづみはもう一度床を転がって、
 そのまま両足でドアを蹴る。

 この前転は、五十嵐さん本人がやっているようにも見えるのだが……。
  
 ドアのすぐ前に立っていたスナイパー、当然、ドアごと吹っ飛ばされるが、
 すぐ体勢を立て直し、銃をいづみに向ける。

 スナイパー「なかなかやるじゃないか。だが、そこまでだ」
 そのまま、二人ともゆっくり体を起こす。
 階段の下からそろりそろりと上がってくる恵子と佐織のカットを挟んで、
  
 スナイパー「訓練のやり直しだな」
 スコープを覗いて、引き金を引こうとする。

 この台詞から、スナイパーがいづみの教官の一人だったような設定もあったと思うのだが、実際は特にそう言うこともなく、初対面だったようだ。
 このタイミングで、石津の声「お前の肉体が〜」と言う決まり文句が(いづみの脳内で)聞こえるが、
 バイオフィードバックの発動を拒むように、「違う!」と叫ぶ。
 これは、「自分は兵器ではない」と言うことを訴えているのだろう。
 脈絡のない叫び声に、ギョッとするスナイパー。
 でも、結局こうなる。

 一話の中で、二回もバイオフィードバックが発動するのは、この回だけだと思うが……。
  
 いづみがバイオフィードバックを起こしたことに気付いたのかどうか、スナイパーは引き金を引く。
 いづみは、右手を伸ばして、半開きのドアのノブを掴む。
  
 引き金が完全に引かれる寸前、いづみはバイオフィードバック戦士としての凄まじい力で、ドアをそのまま引き剥がしてしまう。
 ここでやっと銃を撃つスナイパー。
 ロケットのように炎を噴射しながら飛ぶ麻酔弾。エアガンではないようだ。
  
 いづみは引き千切ったドアを引き寄せて盾とし、麻酔弾を防ぐ。
 恵子と佐織も、部屋の入り口に立ち、その様子を目撃する。
 いづみは、そのままドアを相手の体に押し付け、
  
 ドアをぶち抜いて、スナイパーの顔面を強打する!
 既に昇天しているスナイパー。
 このシーン、何度見てもスナイパーのやられ方が笑いを誘う。
  
 窓に頭から突っ込み、そのまま地面に落ちるスナイパー。ドォーンと言う音がする。

 このスナイパー、結局どうなったのか、描写されていないのだが、さすがにこの程度では死なないだろうが、気絶したのは確かだから、後で「謎の組織」によって回収されたのだろう。
  
 拳で打ち抜かれたドアが、カメラに向かってゆっくりと倒れる。
  
 振り向くいづみ。恵子は、その超人的パワー目の当たりにして、思わず佐織の前に立って、彼女を庇う姿勢を見せる。
 いづみが、佐織に対して復讐するつもりなのではないかと言う意識が頭にあったのだろう。
 だが、ここで、当の佐織が意外な行動に出る。一歩進み出て、床に手を付いていづみに謝る。
 佐織「ごめんなさい! あたし、いづみさんを罪に陥れるために、嘘の証言をしました!」
  
 そう聞いても、いづみはほとんど顔色を変えない。ま、佐織が虚偽の発言をしたことはいづみ本人は知っているのだから、それが当然なんだけどね。恵子も、チラッと佐織を見てから、いづみの方へ視線を転じるだけ。
 佐織「あの日偶然、いづみさんと麗子先輩の戦いを、目撃しました」
 ここから、回想シーンに移行する。
 工場の敷地のようなところで、もつれ合っている二つの人影、それをやや高い位置から見ている中学生の佐織。
  
 ポニーテールのいづみと、初登場の麗子先輩。麗子先輩を演じるのは大津和代さんです。

 麗子先輩の武器は、チェーン。
 どういう経緯で戦っているのか不明だが、いづみは当時街でも有名な不良だったので、スケバン同士の意地の張り合い、みたいなものだろう。
  
 チェーンを引き合う二人。麗子先輩はいづみの体を振り払い、
  
 麗子「このやろーっ」
 と、罵りながらチェーンを振り下ろして攻撃する。しかし、いづみはチェーンを掴んでから、麗子先輩の腹に蹴りを入れる。
  
 チェーンを地面に叩き付け、
 凛とした眼差しを向けるいづみ。この辺はいかにも「アイスドール」と言う仇名にふさわしいクールさだ。
  
 謎の組織にバイオフィードバック実験の材料に選ばれただけあって、当時からいづみの戦闘力は高かったようだ。その一撃で、麗子先輩は呻いて壁にもたれ、座り込んで戦意を喪失してしまう。
 いづみは、無言でさっさとその場を立ち去る。

 物陰からじっと見ている佐織。この映像を見ると、現在の佐織とまるで別人である。
  
 何とか立ち上がった麗子先輩だが、背後の窓から手が伸び、ワイヤーのようなもので彼女の首を絞める。
 麗子「うっ! うう……」
 実に呆気なく死んでしまう麗子先輩。と言うか、死んでるようには全く見えん。
 佐織、いかにもセットと言う感じの通りを走ってその場から離れようとするが、物陰から伸びた手が彼女を捕らえる。
  
 石津(あ、石津って書いちゃった)「今見たことは忘れろ。いいか、麗子を殺したのはいづみ、五条いづみだ、いいな?」

 佐織の口を塞いだ手で、彼女の顔を横に揺らす。
 佐織は恐怖のあまり、頷く。

 しかし、特に脅迫めいたことを言われたわけでもないのに、佐織がその後、警察の取り調べに対しても虚偽の証言を貫いたと言うのはいささか釈然としない。まあ、この後、「従わなければお前を殺す」みたいなことを言われたのかもしれない。

 それと、石津のような立場にある人間が、わざわざ自分の手を汚して麗子を殺すだろうか?
 佐織「男の手は氷のように冷たかった。あの冷たさは忘れない……」

 思い入れたっぷりに語る佐織。確かに、彼女はその言葉どおり、11話で石津の手にもう一度触れて、そのことを思い出すのだったが、何故か声の方はすっかり忘れていたようで、この後、石津と話す機会もあったと言うのに全然それには気付かないのだった。
  
 佐織「ほんとうに、私が知っていることはこれだけです」
 いづみ「みんな忘れてしまった方が、いいわ」
 佐織「えっ」
 いづみ「あなたはまだやり直せるから!」

 いづみはさっさと歩き出すが、佐織が呼び止める。
 佐織「いづみさん! 何故私を? 私を憎んでいるはずなのに」
 いづみ「私は奴らに過去を奪われたわ。あなたも私と同じ、この3年間、あなたにも心休まる日はなかったでしょう?」
 思い掛けない優しい言葉に、佐織は思わずいづみに駆け寄る。
 佐織「いづみさん!」
 いづみ「同じ傷を持つ人間を、責めることは出来ないわ」

 ま、それはいいのだが、いづみは佐織を見付け出して自分の無実を証明して貰うつもりだと言っていたのに、何故かここではそういうことはすっかり忘れているようだ。この後のエピソードでも、佐織に頼んで藤原に証言して貰ったと言う形跡は見られない。もっとも、11話の車中で、漸く佐織がそのこと(石津が麗子殺しの真犯人だということ)を藤原に話しても、藤原はまるで信じていない感じだったから、仮にこの時点で藤原を納得させようとしても無駄だっただろうが。

 それに、いづみに関する書類が全てなくなっているのだから、一介の刑事である藤原には佐織の証言があろうとなかろうと、いづみをどうすることも出来なかっただろう。いづみとしては、佐織に無実を証明して貰うと言うより、当時の事情を聞いて、「謎の組織」の手掛かりを得たかったのかもしれない。
 佐織「いづみさん……!」

 いづみの男らしい、寛大な態度に、すっかり惚れ込んでしまった様子の佐織。次回、彼女はそれを行動で示して見せる。
 いづみがサバイバル・ソーを拾い上げ、部屋から出て行った後、
 恵子「あいつの心の中には、ニトロが熱く燃えている」

 恵子さん、何を言ってるんですか?

 「IZUMI」の、名台詞のひとつであるが、あまりに大映ドラマ的な台詞であり、以降、あまりこういう台詞は出てこない。
  同時に、五十嵐いづみの「未完成」が流れ出す。
  
 その事件からどれくらい日数が経ったのか不明だが、晴海学園から全速力で走り出してくる恵子。手に封筒を持っている。
 BGMは、引き続き「未完成」。
 走りっぱなしで、例の埠頭までやってくる恵子。
  
 恵子「やっぱりここか」
 視線の先にはダッフルバッグを抱えたいづみの姿が。
  
 いづみ、恵子に気付くが、ちょっと視線を外し、
  
 すぐその場を立ち去ろうとする。

 恵子「探したぜ……。待てよぉ」
 いづみ「過去を手繰る手掛かりの一つは消えてしまった。このままこの街にいてもみんなを戦いに巻き込むだけかもしれない」
 恵子「決着が付いちゃいないじゃないか。勝負は3本勝負だよ」
 恵子の言葉に振り向くいづみ。
  
 恵子「あたしと決着が付くまで、この街からは出さないよ。勝負はゆっくり付けようじゃないか」

 前半では、「この街から出てってくれないか」と言っていた恵子、えらい変わりようである。
  
 恵子、何の説明もなく、持っていた封筒を渡す。相手の反応も待たず、笑顔で走り出す。
 岸壁には、割とたくさんの釣り人の姿が見える。
  
 あまり興味もなさそうに封を開くと、中からこんな書類が。
 いづみ「高校への、編入手続き?」

 晴海学園への編入願いの書類であった。
 恵子の思いやりに、思わず顔がほころぶいづみ。

 もっとも、あくまでこれは申請書類に過ぎず、社会的には一度死んだことになっているいづみが、簡単に編入を許されるとは思えないのであるが……。今の状況では、必要な書類を要することさえ困難に思える。それでも、3話では、既に編入が認められたことになっていて、この辺の曖昧さは作品の瑕のひとつである。

 たとえば、恵子の親が学園の有力者で、そのコネで編入が特別に認められたとか、ご都合的でも、一応の説明が欲しかったところだ。
  
 書類を手に歩き出すいづみ。
 そこから一気にカメラが引くと、
  
 それを建物の窓から見ている石津のシルエットにつながる。

 石津「プロトタイプいづみ、見事安住の地を見付けたか、しかしお前のテストは始まったばかりだ。最終兵器としてお前が目覚めた時、この街は戦場になる

 是が非でも、この街を戦場にしたいらしい石津さん。せめて、視聴率が2桁あれば、それも実現したかもしれないが。

 また、1話では抹殺指令が出ていたのに、ここではもう完全にテストと言う口実で、いづみの能力を試すことになっているようだ。石津が上層部に掛け合って、強引にそうさせたのだろうか?



アバン Aパート Bパート 予告

 3話の予告は、恵子と佐織のコンビ。この組み合わせが一番多いかな。

 恵子「五条いづみが帰ってきた日、学園は戦場になった……」
 佐織「そうでぇす、佐織も晴海学園に転入しました」
 恵子「ぶりっ子ぉー」
 佐織「恵子さんも人質になっちゃっう」
 恵子「私はわざとねえ」
 佐織「ええー、その割には焦ってたみたい」
 恵子「うるさいなぁ、次回『少女コマンドーいづみ』、『三人のターミネーター』、見ねえと承知しねえかんな!」

 なお、今回は、予告の映像は全て、教室でいづみと三人の兵士が戦っているシーンである。
  
 三人の適を相手に苦戦するいづみ。最後は毒ガスのようなものを噴射され、床に転がって苦しむ。

 だが、これは本編では一切使われていない。教室で戦うシーンはあるが、相手はひとりだったし、ガスを噴射されるのは教室ではなく、理科室のようなところだった。
 本編のフィルムが間に合わず、とりあえず予告用にこの映像を撮ったのだろうか?